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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
4部 たゆたう波音 11章 幽霊船

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18話

「やったわね!」

駆け寄って来るラズリーの形をしたモノ。


「・・・ああ。」


―どうする?

ここで問い詰めることは容易いが、脱出のための貴重な手がかりだ。不必要に刺激することは避けた方が良いだろうか?


―しかも、中身は別物である一方、その身体はラズリーのものであるかもしれない。・・・というか、その可能性が極めて高い


―ここは気が付かないフリをするしかないか


しかし、それにしても最悪だ。ガーランドもハーヴェルもレティもどこかに飛ばされ、あげくラズリーの中に入っているのは全く別のナニカである。


しかも、そいつは、『神の愛し子』の可能性が高い。


『神』

それは竜の姿をしている。あるいは、我々の目には竜に見える。


この世界には様々な竜種が存在し、前に、対峙したフレイムサラマンダーなどは亜竜である。あるいはフレイムドラゴンなどは正しく竜であるが、神はそれらとも存在を異にする。


俺がその姿形を知っている神は、原作の知識ありきで、イシュヴァルただ一柱(いっちゅう)のみであるが、この世界でイシュヴァルの姿を知っている者がどれだけいるだろう?


イシュヴァルは人間に対して敵対的な行動をすることも多く、その爪を薙ぎ払うだけで国が滅びたなどという逸話が存在した。


もちろんイシュヴァルは神の中でも異端であり、その力とその権能は神々の中でも随一だったらしいので一概に比較することはできないが、きっと他の神もおよそ似たようなものだろう。


そして、最悪、目の前のラズリーの中に巣くう者を相手にする場合は、その神を相手にするおそれがあるのだ。


――俺などでは相手にすらならんだろうな・・・


「さて、問題はこれからどうするか、だが―。」

俺はそのまま話を続けることにする。


「うん。」

微笑むラズリー。


「・・・まずはレティやハーヴェル、ガーランドを探さなければならない。ラズリーはどこにいると思う?」



女というのは得体が知れない。



「うーん・・・。」

顎に手を当て、考えるふりをするラズリーの姿をした何か。


「・・・」

俺は彼女の答えを待つ。


「・・・分かんない!」


―いや、そうじゃないだろ

お前に分からなければ、他に誰が分かるんだよ!!!


もちろん、可能性として、「ラズリーに似た何か」以外の第三者が関わっていることも考慮するべきかもしれないが、俺にはそんなことまで考慮する余裕はとてもではないが、ない。


「—はあ。」

俺は大きくため息をつく。


「・・・ごめんね?」

悪戯っぽく笑うソレ。


「問題ない。少し船の中を探してみよう。」

俺はそんな提案をすることにした。


よくよく考えてみれば、この一連の出来事の黒幕のような存在が一番近くにいるのだ。そして、そいつは今のところ、俺に敵意を抱いている様子がない。


―いっそこの機会に貴様のことを調べてくれるわ


「いいよ?どこから探す?」

そんな俺の意図を知ってか、知らずか、呑気な返事があった。


「まずは、さっきまで俺たちが居た、食堂からだな。」

食堂ではレティが姿を消している。


レティが何か手がかりを残しているかもしれないし、仮に何もなければ、レティが消えたときの状況を目の前のコイツに聞けば何かボロが出るかもしれない。


「そう?じゃ、行こ!」

まるでデートでもするかのように手を繋ごうとする、ラズリーに似たソレ。


―どうする?

何かの罠かもしれない。


少し躊躇った後、俺はその手を繋ぐ。


―ここで不必要に疑われるわけにはいかないからな

心の中で、言い訳をする。




黒いモノがうようよと蠢く幽霊船の中、初々しく手を繋ぐ二人。何てステキなことだろう。

だがその手は、意外なことに、人の温もりを感じさせるものだった。




そして、そのままなし崩し的に手を繋ぎ、二人して食堂に到着したとき、


「そうだ!待っててね!今お菓子を用意するわ!」

そんなことを言う彼女だった。

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