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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
4部 たゆたう波音 11章 幽霊船

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15話

―どうなっている?


すると、吹き飛ばしたはずの上の部分の鎧が再生し始めた。


「・・・まじかよ。」

もっとも、確かな手応えはあったのだ。その証拠に俺の魔力はある程度回復済みだ。


「―あぶねっ!!」

別の騎士の剣戟が襲い掛かってくる!!


―だが、あの意味の分からん武人の刀よりは遅い


「・・・あのおっさんに感謝だな。」


——もう一度だ。今度はこれで決める!

手のひらを先ほどの電撃を食らわせた騎士に向け、雷撃を放つ!!


バチンッ!バチンバチンッ!!

上の鎧、下の鎧、そしてその破片に対して次々に電撃を放つ!


ジュウウウゥゥゥという不気味な音を立てて、消滅した。


「・・・よし。倒し方は分かった。」

どういう原理かは知らないが、攻撃の火力が不足していれば再生してしまうらしい。しかし、倒し方さえ分かってしまえばこちらのものだ。


―確実に仕留める

右手を伸ばし、雷撃を放とうとするが、


「っ! 危ねえ!!!!」

紙一重で魔力変換を解除し、それを回避する!!!!


——投擲してきやがった!

まだ複数残る黒騎士の一体が手に持つ剣を投擲してきたのだ。


―もたもたしている暇はないな

しかし、魔力が回復するのであれば、これが使える。


――全身に魔力を集中する

ブゥゥゥンという独特の音がして、俺の髪の毛が逆立つ。



それを一気に雷撃に変換して放出する!!!!


ズガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!

全身から放たれた電撃は幾重にも枝分かれし、黒騎士たちを直撃していく!


周囲にモウモウと煙が立ち込める。

肉のある生き物に直撃すると、肉の焦げる嫌な臭いがするのだが、ほとんど無臭である。やはり通常の魔物などとは異なるらしい。


「・・・全て倒したか?」


―やるじゃない


そんな声が聞こえてきた。


「・・・そりゃどうも。」

適当に返事をしておく。黒騎士を召喚したのはおそらくはこいつだろう。


「姿を見せたらどうなんだ?」

何も居ない空中に向かって呼びかける。



・・・返事はない

しかし、魔物みたいなモノも現れるし、まるで迷宮みたいだな。


「迷宮みたいだ?」

いや、迷宮みたいではない。むしろ迷宮そのもの。


―そういうことか

「・・・いつのまにか俺たちはダンジョンに迷い込んでいたのか。」


であれば、ガーランドとハーヴェルが急に消えたのもおおよそ何が起きたのか理解できる。おまけに、敵はラズリーと同じ、多重魔法陣の使い手ときている。


―転移魔法陣

おそらくダンジョンに設置されたトラップによる転移魔法陣だろう。だが、人が転移魔法陣を発動させるなど聞いたことがないが、そのようなことが可能なのだろうか?


「いや、敵がそもそも人であるとは限らないか。」

人語を話すというだけで、相手が実際にどんな姿形をしているのかはまだ分からないのだ。


転移魔法陣で隔離される範囲はダンジョン内に限定されるはずなので、ガーランドやハーヴェルは未だこの船のどこかで無事である可能性も高いが、


「であれば、レティとラズリーが心配だ。」

一旦(いったん)食堂に戻ろうとすると、


パァアアアア

再び、甲板の床に魔法陣が描かれる!!!


「―くそがっ!」

今、背を向けるわけにはいかない!すかさず戦闘準備に入る!!


カッと大きく光り、姿を現したのは、一体の黒騎士。


「―さっきと同じか?」

見た目こそ、先ほどの黒騎士よりも上等な鎧を身に着けていそうだが、それ以外は何も変わるところは―


すると、そいつは鞘から一本の剣を抜いた。


俺はその剣とよく似たモノを見たことがあった。


「・・・まじかよ。」

俺の記憶が確かであれば、あれは―



「―光よ」

すると、その黒騎士は剣を一閃する!


―避けろ!!!

全力の魔力を使用し、すんでの所で光を回避する!!!


先ほどまで俺の居た場所を光が通り過ぎる。


『ファルバラン』

それは勇者のみが扱うことのできる聖剣である。フェルノートという神殿で、聖女より勇者に任命されたハーヴェルが手にすることができる聖剣である。目の前の黒騎士の持つ剣はその聖剣ファルバランと似ていると思った。


この世に存在した聖剣は三振り。その内の一振りは失われたという記述があったはずだ。であれば、目の前の黒騎士は――


「今度は勇者サマかよ・・・。」


―彼を知っているの?

すると、そんな声が返ってきた。

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