第3682話 協力工房の皆は明日は朝一で挨拶に。(おや?子供の様子が気になります。)
エルヴィス侯爵邸がある街でアリスの出産を知らせる鐘が鳴り響いていた。
ラルフの仕立て屋の店内。
もう店じまいが終わっていたが、ローを除く協力工房の面々が集まっていた。
「おー・・・生まれたか。」
ベッドフォードが窓の外を見ながら言う。
「今は22時ですか・・・明日の朝一で挨拶に行きましょうかね。」
ラルフが懐中時計を見ながら言う。
「そうね。
よし!無事に生まれたし、商売の話も雑談もいっぱいしたし、帰ろうかな。」
モニカが言う。
「お、もう街中が騒がしくなってきたな。」
キャロルも窓の外を見ながら言う。
「これは明日の朝まで飲み明かす感じですね。」
ローチが言う。
「はぁ・・・これは早く帰って明日に備えた方が良いですね。」
イーリーが言う。
「そういえば、キタミザト様に贈る双子用ベッドは出来ているのか?」
ベッドフォードがモニカに聞く。
「大急ぎで完成済み。
ふぅ、我が職人達のやる気が為させた物です。
明日、持って行きます。」
モニカが言う。
「ラルフさんは何を?」
イーリーが聞く。
「お子様用の服と抱く際のタオル一式、あと、試作中の子供用オムツを。
違う事を考えていたのですが、女性部門の方から提案がありましてね。
変更しました。」
ラルフが言う。
「ほぉ、そういうイーリーはどうするんだ?」
「私は干物一式とパイプの葉です。
他になかったので。」
イーリーが笑いながら言う。
「まぁ、人それぞれでしょう。
さ、今日は寝て明日、挨拶に行きましょう。」
ラルフが皆に言うのだった。
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エルヴィス侯爵邸のアリスの為の仮分娩室。
「え?」
双子を抱きながら用意を見守っていたジーナが驚き、双子を見る。
長女の方は欠伸をし、次女はスヤスヤと寝ているように見えるのだが・・・
「・・・」
ジーナがジーっと長女を見ている。
「ジーナ、今の驚きはなに?」
チビパラスがジーナの肩に現れて言う。
「いえ・・・何と言うか・・・ピリッとした感じがしました。
一瞬、手が強張った感じですね。
しびれのような感じです。」
「え!?コノハ!パナ!」
チビパラスがコノハとパナを呼ぶ。
「何?どした~?」
「何かありましたか?」
コノハとパナが近寄って来る。
「ジーナが雷を感知したよ。」
チビパラスが言う。
「うん、その言い方だと気象台みたいな事になってるわね。
で、雷?・・・確か魔法師ならエレクで出来たよね。」
「タケオも多用していますね。
ジーナ、どこに感じましたか?」
「はい、長女の方の持っている手が少しピリッと。
痛みというよりしびれに近いかと。」
ジーナが言う。
「うーん・・・子供がだよね。
一番考えられるのは魔眼かな?
目を開いたところを見ていないからまだ何とも言えないけど。」
コノハが言う。
「魔眼も種類が多いですからね。
どれに対応するのかは成長してからでないとわからないでしょうね。」
パナが言う。
「うん、アリス達には言った方が良いよね。」
チビパラスが言う。
「ええ、後でタケオ達が来たら言いましょう。」
パナが言う。
「うん、そうだね。
今、アリスの処置中だからもう少ししたら呼べるよ。
ジーナはそれまで我慢していてね。」
コノハが言うのだった。
「はぁ・・私の番は終わりましたから、次はエリカさんですね。」
アリスが寝ながら言う。
「本当、自分の番になって怖気づいてしまいますね。」
エリカが苦笑する。
「ええ、私もそうでしたが、なんとか乗り越えましたよ。」
アリスが言う。
「アリスさんがこうで、次はエリカさんですか。
私は出来るとは思えませんよ。」
鈴音が言う。
「ふふ、それが出来てしまうんですよ。
その時になればスズネさんもしなくてはいけないでしょうね。
今から覚悟だけはしておいた方が良いですよ。」
「うーん、想像が出来ません。
まぁ、その時になったら、その時に相談に来ます。」
アリスの言葉に鈴音が答える。
「ええ、そうしてください。
その時は私もエリカさんも経験者です。
色々と相談に乗れると思いますよ。」
アリスが言う。
「現在は未経験ですからね。
その時になったら今の気分を思い出して、スズネさんに言えるでしょうが。
今は不安しかありませんよ。」
エリカが苦笑しながら言う。
「その気持ち、わかりますよ。
今になって思えば・・・凄く不安です。
でも日常をちゃんと過ごす事で緩和しますよ。
なので、エリカさんも、いつもと変わらない日常を過ごしてください。」
アリスが言う。
「経験者の言葉はありがたいです。
まぁ、それはこの後の名前決め後にまた話しましょう。」
「そうですね。
明日までの猶予がありますからね。
どれになりますかね?」
「どれも相応しい名前に思えますよ。
あとは決断のみです。」
エリカが言うのだった。
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