第3641話 帰り道に酒屋に寄ろう。(挙式の際の祝い酒は1週間前なら手配できます。)
武雄達はベルテ一家の所を出て、ローの店に来ていた。
「ローさん、今日もありがとうございました。」
武雄が言う。
「ほほほ、大丈夫ですよ。
お客様は帰られて、今度はアリス様もエリカ様も来られましたか。
そういえば・・・ラルフが言っていましたが、エリカ様の挙式をいつするのですか?」
ローが言う。
「あー・・・いつにするべきか検討中でして。
アリスの出産も加味して考えないといけないですから。」
「ほほほ、そうですね。
挙式の最中に産気付いたら慌ただしくなりますからね。
キタミザト様もですが、我々もです。」
「協力工房の皆さんは知られていますか?」
アリスがローに聞く。
「ええ、皆さん知っておりますよ。
祝い事が続いていて、祝品候補すら思い付かないと愚痴を言う者もいますが、何とかするでしょう。
ほほほ、これは余談ですね。」
ローが笑いながら言う。
「うーん・・・」
アリスが考える。
「モニカさんかな?」
武雄が言う。
「あ、私が口にしなかった方を言いましたね。
エリカさん、何か欲しい物があったら今言うと揃うかもしれませんよ?」
アリスが言う。
「えー・・・特に欲しい物はないんですよね。
なんだかんだと買い物もしていますし、家具とかを煌びやかにする趣味はないですし。
こっちに居ても仕事は舞い込んできそうですから暇にはならなそうですし。」
「あー、わかります。
私も屋敷でのんびりとはしていますが、なんだかんだと仕事というかタケオ様関係で外交の案件がちょいちょい入って来て暇ではないんですよね。
エリカさんだと、ちゃんとした仕事が毎日入って来るでしょうね。」
アリスが言う。
「それもそれで困りますが・・・まぁ、適度な仕事はありがたいですね。」
エリカが言う。
「ほほほ、アリス様もエリカ様も暇で暇で苦痛だと言わないのは結構な事ですね。」
ローが言う。
「適度な仕事と美味しい夕食があれば頑張れます!」
「エルヴィス家の食事は美味しいですよね。」
アリスとエリカが言う。
「ほぉ、ピザを街中に公表しておりましたが、それ以上に?」
ローが聞く。
「ええ、公表はタケオ様ではなく、お爺さまの権限でしています。
今、公表できる物を準備しているのですけど、懸念事項もありまして。」
アリスが「次回のレシピ公表はお好み焼きとお好み焼きソースの基本レシピ」とは言えずに苦笑しながら言う。
「あー、ピザの時はチーズでしたね。
あれの再来は困りますか。」
「はい、それに・・・ベッドフォードさんにも負担になるかもしれませんので。」
アリスが言う、
「ふむ・・・ソースもですか。
うーん・・・キタミザト様、酒は売れますかね?」
ローが武雄に聞く。
「ウォルトウィスキーがもっと需要が高くなると思いますね。
もしくは白き妖精ですかね?」
武雄が考えながら言う。
「ふむ・・・どちらも本数が少ないですね・・・
食が変われば求められる酒や飲み物も変わる物です。
・・・うーん・・・キタミザト様、酒ではない飲み物で欲しがりそうなのはなんでしょうか?」
「・・・酸味があるオレンジジュースとかは公表する料理に合うかもしれませんね。」
武雄が言う。
「そうですか・・・ベッドフォードの所で飲み物も売れるか・・・」
ローが考えながらブツブツ言う。
「タケオさん、アリスさん、どんな料理なんですか?」
エリカが聞いてくる。
「あ、エリカさんに食べさせてなかったですかね?
なら、改めて皆で食べてみましょうか。」
「うーん・・・なら近々、作りましょうか。
今回、貰った具材もありますし。
この間とは違った具材の物を。」
「お、やった。
エリカさんの為にと思ったら新しいのが食べられそうです。」
アリスが喜ぶ。
「エリカにも前に出したのと一緒に新しいのも食べて貰いますからね。」
武雄が言う。
「そこはありがたいですが、量が多くなりそうなので、近日の夕食に出てくると思って待っています。」
エリカが言う。
「ほほほ、エルヴィス家の食卓も楽しそうですね。
で、キタミザト様、そのレシピの公表は近々というのは、何となくわかるのですが・・・
前回のピザのような状態になるのでしょうかね?」
ローが聞いてくる。
「うーん・・・そこまでにはならないかと思いますね。
むしろ、派生する料理になるでしょうね。
具材を使って各店で違いが出せると思います。」
武雄が言う。
「ほぉ・・・とりあえず、私達は待っていようかと思いますが・・・今までの話を聞くとあっさりとした味の飲み物が合いそうだという事でしたね。
ふむ・・・これは事前に動いておいた方が良いでしょうかね。
あ、そうだ、キタミザト様、エリカ様の挙式ですが、最低1週間前にはお伝え願います。
色々と酒の手配がありますので。」
ローが言う。
「わかりました。」
武雄が頷くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




