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第3639話 さ、帰宅しよう。(8月に皆でウィリプ連合国に行きましょう。)

ベルテ一家の視察を終えた武雄達はローの店に寄って荷物を受け取り、帰宅の為に試験小隊の訓練場で支度をしていた。


「あ、そうだ。

 8月のウィリプ連合国に出張する時に魔王国からウィリプ連合国に入れる人達も連れて行きますね。

 イルダさんの所に冒険者で入れるんですよね?」

武雄が思い出したようにヴァレーリに言う。

「うん?・・・あ!そうだな!

 キタミザト殿と一緒に行けば、問題もないだろうな!

 な!アンナローロ。」

「派遣部隊に紛れ込もうとしていませんか?」

アンナローロが訝しがりながらヴァレーリに言う。

「ないない!」

「はぁ・・8月ですね。 

 手配をさせて頂きます。」

アンナローロが言う。

アズパール王国(我が国)に入るのには魔王国もしくはブリアーニ王国が発行する通行許可書ないし越境許可書があれば良いですが、ウィリプ連合国に入るのに魔王国の許可書は『狙ってください』と言っているようなものです。

 アズパール王国(我が国)の物を用意しておきますね。」

武雄が言う。

「ご配慮、ありがとうございます。」

アンナローロが言う。

「ええ、近くなったら来られる人員を教えてください。」

「わかりました。」

アンナローロが頭を下げる。

「・・・なぁ、人事どうなっていた?」

ヴァレーリがアンナローロに聞く。

「もう辞令は決まっていますが?

 変更は出来ませんよ?」

アンナローロが言う。

「ふーん・・・8月かぁ・・・」

「行かせませんからね?」

アンナローロが言う。

「まぁ、帰ってから話そう。」

「はい、すぐ終わらせましょう。」

ヴァレーリとアンナローロが頷く。

「じゃ、帰るか。

 キタミザト殿、次回の食事会は2月19日でよろしく。」

ヴァレーリがダウンコートを着込む。

「はい、帰りましょう。」

アンナローロが言う。

「あ、ガミジンさん、ダンディ茶と前に買った茶葉です。」

「ありがたく!では!」

武雄が言うとガミジンがサッと現れ、受け取り、サッと消える。

「・・・あ、ガミジン・・・まったく。」

アンナローロが呆れる。

「もうあれだな、キタミザト殿と各精霊は仲良しだな・・・ん?」

とヴァレーリが首を傾げると。

「ええ、ダハーカさんのも用意してありますよ。」

武雄の前にダハーカが現れ、ガミジンのように茶葉を受け取ってサッと消える。

「え?・・・ダハーカ、茶葉欲しかったのか?」

ヴァレーリが驚いている。

「ダニエラ様、お互い精霊に苦労しますね。」

「全くだな。

 キタミザト殿、ダハーカに茶葉ありがとう。

 では、またな。」

「ガミジンにお土産ありがとうございます。」

ヴァレーリとブリアーニがグローリアに乗る。

「はい、お気をつけて。」

「うん、グローリア殿、王都に戻ろう。」

「グルゥ!」

ヴァレーリ達を乗せたブラックドラゴンが飛び立つ。

そして試験小隊の訓練場の上空を一周して魔王国方面に戻って行くのだった。


「・・・主、お疲れでしたね。」

ヴィクターが言う。

「まぁ、毎月の恒例行事ですよ。

 はぁ・・・ジーナ、感想は?」

「ヴァレーリ陛下は想像よりも人柄が柔らかかったかと。」

ジーナが言う。

「ふむ、ダニエラ様は仕事中・・・いや、会議以外はあんな感じですね。」

「行軍中もあんな感じでしたね。」

ヴィクターと武雄が言う。

「・・・ふむ、公私共に裏表がない方と言う事ですね。」

ジーナが考えながら言う。

「裏表・・・は魔王国の方々はあまり感じませんかね?

 次期国王陛下のカスト殿も裏表ないですよね。

 それに熟慮するというよりも考慮を良くされる方・・・かな?

 ヴィクターが、そんな感じですね。」

「高評価、ありがとうございます。

 まぁ、実際には裏表というのは個々に大小はある物ですが、ダニエラ様がああいう方なので、裏で何かをしていると不機嫌になって、問いただす方ですから。」

「それを掻い潜って、裏で何かやるのは、ある意味優秀ですね。」

「そこだけが優秀でも困りますけどね。」

ヴィクターが言う。

「まぁ、確かに。

 今まで会った魔王国の領主方はバランス感覚が良いですよね。

 ダニエラさんの影響でしょうか。

 気持ちの良い方々でした。」

「まぁ、多少癖はありますが、基本的には実直な方々ですね。」

ヴィクターが頷く。

「私は何気に色々と縁がありますから、ジーナもヴィクターも会う機会があるでしょうから覚悟だけはしておいてください。」

「「はい。」」

ヴィクターとジーナが頷く。

「もう行ったっスか?」

時雨が小屋から出てくる。

「はい、お騒がせしました。」

ジーナが軽く頭を下げる。

「別に平気っスよ。

 お客様が来る度にフウガとサスケが忙しく動き回っている程度っス。」

時雨が言う。

「後で労っておきます。」

武雄が言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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