第3638話 武雄達が話している時に他は何を。(散歩中のタローマティ発見される。)
武雄とヴァレーリ、アンナローロ、ブリアーニが話しているのを見ているベルテ一家はというと。
「・・・ジーナ殿、これって・・・かなりの重要事項ですよね?」
エンマが聞いてくる。
「はい、重要事項です。
とはいえ、ここで話すような内容ではないと思われますが・・・まぁ、ベルテ一家には関係がないとは言いませんが、関係が薄い話ではありますね。」
ジーナが言う。
「なら、私達は話に入らないようにしないとね。
それに私達に出張の話はないだろうし。」
エンマが言う。
「そうねぇ・・・キタミザト様が決めれば、ブリアーニ王国ぐらいには行けそうだけど。
当面はないわね。
それに前は遠かったけど、割と近くなってしまって、知らない土地になったからブリアーニ王国に戻る意義がないように思えるのよね。」
ボーナが言う。
「このまま行くと将来はブリアーニ王国からの商隊もこの街に来そうだから、エルフ種に会えない状況ではなくなるだろうね。」
フローラが言う。
「むしろ、キタミザト様が8月にウィリプ連合国に出張と言っているが、仲間が増えそうだと思うのだがな。」
ドナートが言う。
「「「あー、確かに。」」」
ボーナ、エンマ、フローラが頷くのだった。
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ベルテ一家の屋敷横の味噌蔵と醤油蔵前では。
黒胡、白胡、そしてパラスが人間大になって、警戒をしていた。
そこにメイド姿の者が近寄ってきている。
「・・・貴女がタローマティ?
契約主から離れて、散歩かな?
申し訳ないけど、今日はこの蔵の中は見せられないの。
それ以上、近づくなら他の精霊を応援に呼ばないといけないわ。」
パラスが両手に小太刀と同じくらいの長さの棒を持ちながら言う。
「・・・双剣の英雄で狐を2体使役していて、貴女みたいに幼さが残る者は居ないと思うのですが・・・」
タローマティが考えながら言う。
「うーん・・・残念だけど私の出自はまだ言えないかな?
もう少し、私の契約者と仲良くなって貰わないとね。」
パラスが言う。
「ふむ・・・確かに散歩中です。
警備されている蔵に興味が湧きましたが、注意されてしまうとは。
近づきすぎましたね。
その気もありませんが、強引に分け入る訳にもいけませんし、退散しますかね。」
タローマティが言う。
「そうね。
いくらタケオと仲が良くても、まだ見せれない物があるのも確かよ。」
パラスが言う。
「わかりました。
あっちの畑の方には行っても構いませんか?」
「うん、そっちは大丈夫よ。」
パラスが頷くのだった。
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エルヴィス侯爵邸の客間。
アリスとエリカがチビコノハ、チビペイトーから現状の報告を受けていた。
「という訳で、パラスとうーちゃんの白胡、だーちゃんの黒胡が警備している蔵に近寄って来たようね。」
チビコノハが言う。
「予想通りではありますが・・・姿を見せて近寄って来たのですか?
姿を見せない方法もあったと思いますけど。」
アリスが聞いてくる。
「姿を見せなくても気配はわかるわ。
蔵の中で発見されれば言い逃れが出来ないからね。
タロちゃんもそこは懸念して、姿を現したんだろうね。」
チビコノハが言う。
「なるほど。
でも・・・見に来たのですね。」
アリスが言う。
「タケオが調味料の研究をしていると言っているしね。
あわよくば・・って感じなんだろうけど。
まぁ、散歩していたのならしょうがないよね。」
チビコノハが言う。
「大事にはならなそうですね。」
「うん、散歩ならしょうがない。
それにダハちゃんでないだけ穏便だよ。
ダハちゃんなら確実に突破してくるだろうしね。」
チビコノハが苦笑する。
「前に現れていた威圧感が凄い精霊殿ですね。」
アリスが言う。
「うん、エリカは見ていないけど、前にダハちゃんことダニエラの精霊のダハーカが来てね。
皆で食事したんだ。」
チビコノハが言う。
「よく、あのダハーカと食事をしたいと思いますね。」
チビペイトーが呆れながら言う。
「えー、ダハちゃんって銀幕の悪役スターじゃん!
会える時に会わないと一生会えないでしょ!」
「いや・・・あのダハーカなんですけど?」
「うん!記憶に残る名精霊だよ!」
チビコノハがチビペイトーに言う。
「・・・はぁ・・・そういう見方をするのは日本人だけでしょうね。」
「良いも悪いも有名精霊は人気だしね。
ダハちゃんは子供達に恐れられる最強の名精霊だし。
醤油とからしと昆布が手に入ったら、タロちゃん、ダハちゃん、ガミジンを誘って、皆でおでんつつこうと思っているんだ。」
チビコノハが言う。
「・・・」
チビコノハの言葉にチビペイトーが微妙な顔をさせるのだった。
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