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第3634話 ローの所で時間調整。(ベルテ一家では出迎え準備中。)

ローの酒屋にて。


「ほほほ、では、来年の納入をお楽しみに。」

「ええ、店主殿、よろしくお願いする。」

ローとグローリアが大量購入の契約文書を互いに持ちながら言う。

「はい、ローさん、金貨1600枚。

 確かめてください。」

武雄が机の上に並べた金貨を見ながら言う。

「ほほほ、一括で金貨1600枚を支払いとは・・・これほど積まれているのを見る日が来るとは思いもしませんでしたね。」

ローが言う。

「ローさんならこのぐらいのやり取りはしていそうですけど?」

「ほほほ、品々を仕入れる際に似たような金額になる事もありますが、分割がほとんどです。

 それに一個人が容易に支払える金額ではありませんよ。」

ローが笑いながら言うが、武雄は「もっていないとはいわないわな」と思っている。

「キタミザト殿も立て替えてくれてありがとう。」

グローリアが近づいて小声で言う。

「いえいえ、地域活性をしていただいて何よりです。」

武雄がにこやかに言う。

「さて、お嬢さん方、今日はこれでお帰りで?」

ローがヴァレーリ達に聞く。

「このあとはキタミザト殿の所の農業部門の一家に会いに行ってからだな。

 店主殿、荷物を置いて行って良いですか?」

ヴァレーリが言う。

「構いませんよ。

 今日買われたのをいつものように箱詰めにしておきましょう。」

「ありがとう!店主殿。」

ヴァレーリが言う。

「キタミザト様の所の農業部門というとベルテさんの所ですね。

 ボーナさんから頼まれていたワインが入ったので、持って行ってください。」

ローが言う。

「はーい、わかりました。

 代金は来た時に払うように言っておけば良いですか?」

武雄が返事をするがヴァレーリ達が「あれ?侯爵を配達に使うのか?」と思っている。

「ええ、また来られた際に支払いをお願いすると・・・一応、伝票も渡しますのでボーナさんにお渡しください。

 ま、ベルテさん達は今までの支払いに問題はないので、数日すれば払いに来てくれるでしょう。」

ローが言う。

「うちの家の者の支払いが滞っていないのは安心する情報ですね。

 協力工房の方は?」

「皆さん、ちゃんと遅延なく払ってくれていますよ。

 それに大半は夕食後に会いますからね。

 毎日顔を会わせていれば、支払いは遅くなりません、ほほほ。」

「ローさんは酒屋なのに毎日飲み歩いているのですね。」

「ほほほ、酒だけを売っても意味はありませんよ。

 街中でどんな料理があるのかを知り、それに合わせて商品を並べないと先細りでしょうな。

 あ、ウォルトウィスキーのおかげで、割とどんな料理にも合う酒が提供出来ているので、今はそこまで神経を使っていませんがね。

 でも、街中の味を知らないといけないですから、ま、調査の一環ですね、ほほほ。」

ローが言う。

「店主殿はそこまで徹底されて酒選びをされているのか。

 次代の跡取りは平気なのか?」

グローリアが聞いてくる。

「ほほほ、息子達も各々で入り浸って・・・懇意にしている酒場がありますからね。

 それで調査しておりますよ、ほほほ。」

ローが言う。

「ローさん、体大事にね?

 協力工房が仲が良いのは皆が揃っているからなんですから。

 1人でも欠けたら嫌ですよ?」

武雄が心配する。

「ほほほ、侯爵様に心配されるとは果報者ですね。

 大丈夫ですよ、量を飲むのは若手のする事です。

 酒と料理を味わいに行っているだけですよ。」

ローが言う。

「うむ、店主殿の体調は我らも心配だな。

 毎回、美味しいのを勧めてくれる。

 次回もその次も頼みたいからな。」

ヴァレーリが言う。

「ほほほ、お嬢様方にも心配されるとは、嬉しいですね。

 仕事を頑張れそうです。」

ローが笑う。

「じゃあ、ローさん、また後で寄ります。」

武雄が言う。

「はい、今、ベルテ一さんに頼まれた酒を持ってきますので、少々お待ちくださいね。」

ローが店の奥に行くのだった。


-----------------------

ベルテ一家の屋敷内。


「エンマ!ニルデ!椅子と机は拭いた!?」

ボーナがエンマとニルデに聞く。

「2回拭いたよ。」

「その後、乾いたので1回拭きました。」

エンマとニルデが言う。

「うん!良い仕事ね!

 フローラ!ジルダ!道から玄関までの掃き掃除終わった!?」

ボーナがフローラとジルダに言う。

「終わったよ。

 一応、道端の雑草も取り除いておいた。」

「抜いて肥料の所に捨てたよ?」

フローラとジルダが言う。

「失礼します。

 お茶菓子と茶葉を買ってきました。」

ジーナが玄関から入って来る。

「ジーナ殿!ありがとうございます!」

「いえ、唐突に決まったので、私も手伝わなければと思ってきています。

 表でドナート殿とビエラ、ウカ殿とダキニ殿が蔵の所で話しておいででしたが。」

「ええ、そっちは見せない事にしていますが、見たがった際にどうしようかという話と警備関係の事でしょうかね。」

ジーナの言葉にボーナが言う。

「・・・まぁ、各精霊が周囲を固めるので大丈夫だと思います。」

ジーナが言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
> 「あれ?侯爵を配達に使うのか?」   本当にね。 こう言う、領主一家だと、領民の暮らしが楽だわな ブリアーニ女王陛下は、覚悟が決まったのですね。   ベルテ一家に対して、「帰ってこないか?」 …
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