第3633話 追加でもう1軒寄るようです。(報復は納豆で。)
「・・・キタミザト殿、その場に行きたいと言ったら?」
ブリアーニが聞いてくる。
「今すぐは無理ですね。
せめて物を隠すのに3日くらい欲しいです。」
武雄が言う。
「隠すと正直に言うのだな。」
「キタミザト家の今後100年の収入源の研究ですよ?
見れる物と見れない物があって当然ですよ。
ちなみに勝手に覗かれて類似品が出来たら報復に行くかもしれません。」
武雄が言う。
「・・・キタミザト殿の事だ、本当にしかねないな。」
ヴァレーリが顔を若干、引き攣らせながら言う。
「私は極秘な物まで見たいとは言いません。
農業している所を見せてくれるだけで良いです。」
ブリアーニが言う。
「まぁ、そのぐらいなら・・・良いですけど、事前予約が必要と言っておきましょうかね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・まぁ、キタミザト殿が本気で見せる気がない物を見たとして、経済的な利益はあるだろうが、外交的には最悪になるだろうな。」
「ウォルトウィスキーやウスターソースの供給も無くなるだろうね。
米やコショウの輸出も無くなるし・・・困るわ。」
ヴァレーリとブリアーニが言う。
「とはいえ、家の中や畑を見るだけなら別に平気ですよ。
なので、本人達に会うのなら割とすぐに出来ます。」
「ふむ・・・会ってみたいわ。
確か、ご一家でしたね。」
「ええ、1名程、王都の学院に放り込んでいますが、皆さん、元気に農業していますよ。」
武雄が言う。
「・・・確か、ウィリプ連合国から引き取ってきた混血児も居るのだったか?」
ヴァレーリが聞く。
「はい、ダンディ茶を作っています。」
「うん?聞いたことないな?
それはなんだ?」
ヴァレーリが聞いてくる。
「妊婦用のお茶ですよ。
ガミジンさん、後でお裾分けするので情報を封鎖してください。」
「多めに包んでくれるのなら徹底させましょう。」
チビガミジンがアンナローロの肩に現れて頷く。
「良いでしょう。
ついでに前に買った茶葉も付けます。」
「ありがたく!
では、失礼します。」
ガミジンが消える。
「あ!また、キタミザト殿と密約を!」
アンナローロが慌てる。
「ふむ・・・その混血児に会ってみたいな。」
ヴァレーリが言う。
「では、ここでの買い物が終わったら行きましょうか。
ヴィクター。」
「はい、金貨は置いて行きますので、グローリア様の支払いでお使いください。
私はベルテ一家の所に行き、掃除を指示してきます。」
ヴィクターが言うのだった。
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エルヴィス侯爵邸の客間。
エルヴィス爺さん、アリス、エリカ、ジーナ、ビエラ、リーザが居た。
「行ってきます!」
「行ってくるねー。」
ジーナとビエラがアリス達に挨拶していた。
「うん、危なそうな物は、どこかの部屋に押し込んじゃって。」
アリスが言う。
「蔵の方は鍵がかかっているかの確認を入念に。」
エリカが言う。
「うーちゃんとだーちゃんもパナちゃんからの精霊通信での報告を聞いているから動いているだろうけど、念には念をね。
タケオの言う通り、畑と屋敷内は見られても平気だろうからそれ以外を厳重にね。」
チビコノハが言う。
「鍵は入念にチェックと、畑と屋敷内は自由だから見られてはいけない物は部屋にしまう事。
ダンディ茶のタンポポについては、タケオがガミジンを買収したから大丈夫だけど、タローマティの動きは注意する事・・・このぐらい?」
チビパラスがチビコノハに言う。
「そうそう、タロちゃんは動きそうだからね。
名を明かしているのは私だけ、パナちゃんは通称のみだから能力はわかっていないだろうけど、タロちゃんの牽制はするだろうけど、能力的にあれだからパラスも援護してね。」
「わかったよ。
マリに棒術っての習ったんだ。
2人で牽制しておくね。」
チビパラスが言う。
「うん、お願いね。
ま、知られたら知られたでやりようはあるだろうから、大丈夫よ。」
チビコノハが言う。
「うん?報復の件?
何をするの?」
「ははは、西洋人ではわからないけどね。
菌類でもかなり強いのが居るのよ。
それを向こうのワイナリーに送っておけば良いだけね。」
チビコノハが言う。
「菌?」
「そ、日本人が割と好きな豆の加工品・・『納豆菌』よ。
あれはワイナリーや日本酒の酒蔵を壊滅させかねないのよ。
だから、日本酒作りをする人は納豆を食べないし、出している定食屋に行かないという程に恐れられている菌ね。」
チビコノハが言う。
「へぇ、強い菌が居るんだね。
すぐに手に入るの?」
「うん、米の稲に居るのよ。
だから、大豆を煮て、米の藁でくるんで発酵させれば出来るの。
ま、藁で作ると少しアンモニア臭があるからからしを入れて食べるんだけどね。
からしが手に入ったら、作って、食べようかな。」
チビコノハが言うのだった。
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