第3629話 クロスボウ等の経過を伝えよう。(ジーナとの摸擬戦準備中。)
「ふむ、まぁ、先の事はわからないが、少なくともウィリプ連合国から文書が来たらキタミザト殿に報告して、今後の事を考えていかないとな。」
「はい、その際は交渉をさせてください。」
武雄が頭を下げる。
「あぁ、さて、他にあるか?」
ヴァレーリが皆を見る。
「ブリアーニ王国からいただいたクロスボウは王都の軍務局等で確認中です。
採用、不採用どちらにしても連絡があるでしょう。
ご連絡は入れさせてもらいます。」
武雄が言う。
「うーん・・・キタミザト殿の感触としてはどうでしたか?」
ブリアーニが武雄に聞く。
「矢が消耗品ですし、クロスボウ本体も経年劣化はあるでしょうからね。
ずっと使い続けられる訳ではありません。
ですが、使い勝手が良い事もわかるでしょうから・・・個数はわかりませんが、購入には動いてくれると思います。」
武雄が言う。
「うーん・・・一応、100個くらいの下準備だけでもさせておこうかな。」
ブリアーニが考える。
「残り490個の製造をお願いします。」
「お任せください。
とは言え、50個か100個毎に送った方が良いでしょうか?
490個全て出来てから送る事も可能ですが。」
「そうですね・・・毎月の輸送に乗せれるのなら50個単位で送ってくれて構いません。」
武雄が言う。
「わかりました。
シモーナさんに依頼して、輸送させて貰います。」
ブリアーニが言う。
「キタミザト殿、正直な話、クロスボウはあとどのくらい売れると思う?」
ヴァレーリが聞く。
「隣領への売り込みはこれからですが、あと200はいけるかなと。」
武雄が言う。
「・・・下地は200個にしておこうっと。」
ブリアーニがボソッと呟く。
「王都と隣領で採用が決まれば、ブリアーニの方で対処出来るな。」
「はい、お願いします。」
武雄が頷く。
「魔王国からの輸出品については、後日だな。
アンナローロの精霊のガミジンが何やらしているようだからな。
手伝いが必要なら手伝って良い報告が出来るようにする。」
「はい、お願いします。」
ヴァレーリの言葉に武雄が頷く。
「うむ、とりあえず今回はこの程度でしょうか。」
エルヴィス爺さんが言ってくる。
「そうだな。
何かあれば次回か随時会って話をする事にするか。」
「そうね。」
ヴァレーリの言葉にブリアーニが頷く。
「さてと、アリス殿の近況とエリカ殿の話をしていくか。」
ヴァレーリが言う。
「はい、まずは私からですね。
とはいえ、来月が産み月なので、何かあるという訳ではありませんが。」
アリスが話し始めるのだった。
・・
・
アリスとエリカの話を終え、今はジーナの話になっていた。
「ほぉ、武官以外の者がする御前仕合で優勝をしたのか。」
ヴァレーリが感心しながら言う。
「ええ、頑張ったようです。
戦ってみますか?」
「ふむ、魅力的ではあるな。」
「ダニエラ様、摸擬戦するのなら、この後のローさんの酒屋では試飲してはいけませんよ?
ヴィクター殿のご息女に怪我をさせる訳にはいかないんですから。」
アンナローロが言う。
「・・・試飲は大事だから摸擬戦は・・・いや!ローさんの店に行く前にすれば良いんだ!」
ヴァレーリが言う。
「まぁ、そうですね。」
アンナローロが頷く。
「キタミザト殿!手配をしてくれ。」
ヴァレーリが言う。
「わかりました。
用意をさせます。」
武雄が頷く。
「ふむ、庭で良いだろう。
ルフィナを呼んでジーナに伝えようか。」
エルヴィス爺さんが言い、ベルを鳴らすのだった。
・・
・
ジーナ達が準備が出来るのをスイーツを食べながら待っている。
ちなみにヴィクターもジーナと一緒に屋敷に来て、客間で武雄達の後ろに控えている。
「あ、そうだった。
持って来た中に最新の魔王国の地図を入れてあるからな。
あとで確認してくれ。」
ヴァレーリが思い出して言う。
「・・・私の方も現状での最新の地図を王都で入手してきました。
引き取ってください。」
武雄も言う。
「はぁ・・・ヴィクター、すみませんが・・・タケオ様、地図はどちらに?」
「書斎に置いてあります。
60cm四方のが5枚置いてありますが、エルヴィス家用に1枚、キタミザト家用に2枚、魔王国に2枚となっています。」
「あぁ、こちらからも5枚持って来ている。
貴国の王城用とエルヴィス殿、キタミザト殿用にな。」
武雄とヴァレーリが言う。
「・・・ふむ、ヴィクター、タケオ様の書斎から3枚持って来てください。
うち2枚をお渡しして。
それと頂いた土産の中から魔王国の地図を1枚持って来てください。」
アリスが言う。
「畏まりました。
すぐに用意します。」
ヴィクターが退出する。
「ここですり合わせだな。」
「我が国と魔王国の地図の精度で見比べるのは、ちょっと怖いですね。」
武雄が言うのだった。
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