第3626話 ブリアーニ王国からの祝い品が。(国宝クラス持ってきました。)
「ふむ・・・とりあえず、干しブドウと4種のナッツについては、調査をしてから報告する事としよう。
出来るのならレバントおば様に内々にお願いしておくが・・・量的には10Kℊで良いか?」
ヴァレーリが言う。
「はい、それで。
報告があれば、すぐに注文します。」
武雄が言う。
「そそ、タケオ、紅甘が欲しいよ。」
チビコノハが言う。
「あ、そうでした。
前にレバントさんから紅甘を貰いましたが、追加で貰ってくれませんか?」
武雄がヴァレーリに言う。
「うん、ダメだったのか?」
「・・・今年もしたいので追加でください。
とレバントさんに言っておいてください。
交渉に使用したウォルトウィスキーの補填はしますとも伝えてください。」
「うむ、わかった。
伝えておこう。」
ヴァレーリが頷く。
「あとは・・・デムーロ国から魔王国を経由して帰国しましたが、その際に入手した諸々は今年の作付予定なので、成果は今年末に出来ると思います。」
「その時は新しい商品が出来ていそうだな。」
武雄の言葉にヴァレーリが言う。
「はは・・・その料理は・・収穫量が少なかったら発表しませんよ。」
「うーむ・・・上手く行って欲しいな。
そうしたらこちらでも作れるかもしれないからな。」
ヴァレーリが言う。
「その際はレシピを売りますね。」
「か・・・金は用意してこよう。」
ヴァレーリが苦渋の顔をさせる。
「タケオ様、売るレシピは事前にチェックしますからね。」
アリスが言う。
「ええ、それよりも食べさせないといけませんね。
それで決めましょう。」
武雄が言う。
「アリス殿!是非にお願いする!」
ヴァレーリが頭を下げる。
「はは、とはいえ、まだまだ先の話ですね。
その時期が来れば、またその話になるでしょう。」
エルヴィス爺さんが言う。
「うむ、そうですな。」
ヴァレーリが頷く。
「あ、その、色々な祝い品を今回頂いたのですが・・・」
アリスが恐る恐る聞いてくる。
「うん、エルヴィス殿に魔王国の刺繡が入った布を持ってきた。
自身の陞爵もあるだろうが、孫息子の挙式もあるようだからな。
こういった布は多いに越したことはないだろう。」
ヴァレーリが言う。
「ありがとうございます。」
エルヴィス爺さんが頭を下げる。
「はい、キタミザト家の方にはヴァレーリ殿、ブリアーニ殿、アンナローロ殿から魚を頂いています。
ヴァレーリ殿とアンナローロ殿からはお爺さま宛てには、そのように。
なのですが・・・ブリアーニ殿・・・お爺さま宛ての物なのですが・・・」
「え?ダメだった?」
ブリアーニが驚き顔をさせる。
「いえ・・・かなり貴重な物を持ってこられているのですが・・・
話には聞いた事があったのですが、実際見たのは初めてで・・・これ・・・蜘蛛の・・ですよね?」
「うん、量はそこまで多くないけどね。
うちの最高級にして最強度の糸よ。」
「はい・・・私が見た本には高強度、高耐熱性を有した国宝とあったと思うのですが。」
アリスが伏目がちに言う。
「うん、その国宝を持ってきたわ。」
ブリアーニが言う。
「おい!カールラ、そんなのを持ってくるんじゃない。
お前だけランクが上じゃないか!」
ヴァレーリがブリアーニに言う。
「他にないんだもん!
でも少量だから問題ないでしょう!?」
ブリアーニがヴァレーリに言う。
「だからと言って、国宝を持ち出すなよ!
相談しろよ!」
ヴァレーリが言う。
「そっちはキタミザト殿の時にしたでしょ。
エルヴィス殿の時も同じ事は出来ないよ。」
「いや、してくれよ。
はぁ・・・まぁ、もうしてしまったのなら致し方ないが・・・
次は事前に話し合おう。」
ヴァレーリが呆れながら言う。
「わかったわ。
で、その糸は高強度、高耐熱性を有しているわ。
エルヴィス殿の肩掛けにしてくれれば嬉しいわ。」
ブリアーニが言う。
「はい、ブリアーニ殿、我が領の職人にお願いして作らせていただきます。」
アリスが言う。
「ええ、お願いします。」
ブリアーニが言う。
「はぁ・・・国宝の糸か。」
ヴァレーリが疲れた顔をさせる。
「ちなみに魔王国には国宝クラスの生産物はあるのですか?」
武雄がヴァレーリに聞いてくる。
「うーん・・・ブリアーニ王国の国宝に並ぶ生産品はなぁ・・・
エルヴィス殿、貴国にはあるか?」
「あるにはあるのですが・・・そこまでの高性能なのは・・・いや、そもそも、そこまで性能が良い事自体が珍しいのですが。」
エルヴィス爺さんは考えはするが「SL液で同様な性能布があるのじゃが」と思っていたりする。
「だよな。
ブリアーニ王国の国宝は本当に希少な物だからな。
・・・それをポンと渡して・・・」
「他に渡せる物がなかったからね。
次は相談させて貰うわ。」
ブリアーニが言うのだった。
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