第3624話 食後の歓談を始めましょう。(魔王国の方々の拠点候補を見て貰おう。)
昼食後のエルヴィス侯爵邸の客間。
エルヴィス爺さん、武雄、アリス、エリカ、ヴァレーリとブリアーニで会談をする事になり、ビエラ達は昼寝の為に部屋に戻って行っている。
「相変わらずカレーは良いな!」
ヴァレーリが言う。
「ははは、メイドたち従業員も含め、この屋敷の者達も同じことを言っておりますね。」
エルヴィス爺さんが笑いながら言う。
「だろうな。」
ヴァレーリ達が深く頷く。
「ただ、屋敷だけでも人数が多いので、なかなか米も出せません。
月一でヴァレーリ殿達が来てくれると我々も助かります。」
「ふむ、我達は良い事をしているようだ。」
ヴァレーリがブリアーニ達を見ながら言う。
「まぁ、本当にここだけでしか食べれない物を食べさせて貰っているから、そう言っていただけるとありがたいわね。」
ブリアーニが言う。
「それに毎回、魚を持って来てくれるのも助かります。
この地域では川魚はありますが、基本的に魚は干物を食しますので、同じ焼くにしても違った感じがして獲れたては違うのだと改めて思います。」
アリスが言う。
「うむ、キタミザト殿、内容はどうだった?」
「十分に美味しそうでした。
料理長と話し合って美味しくいただきます。」
武雄が言う。
「キタミザト殿が『美味しくいただく』というと『何を作るんだろう』と思ってしまうな。」
ヴァレーリが言う。
「今は何も考えていませんよ。
焼くかスープに入れるか、バターで焼く程度です。」
武雄が苦笑しながら言う。
「ふむ・・・これと言って目新しい物はなさそうだな。
・・・カールラ、今回はレシピ買取が無い様だぞ?」
「そのようね、キタミザト殿、本当にないの?」
「ありませんね」
「いつも唐突に来るから、身構えていました。
そっかぁ・・・うん?もしかしてレシピ買わないのは今回が初めてかも。」
ブリアーニが言う。
「確かにな!
いつも何か買って帰っていたな!」
ヴァレーリが言う。
「たまたまですよ。」
武雄が言う。
「ふむ、信じておこう。
で、持ってきた魚だが、今後も同じように適当に見繕って持ってくるか?
何か指定があれば、それを購入してくるんだが。」
ヴァレーリが言う。
「気持ちだけで・・・と言いたいですが、生きているタコと海苔、タラの卵巣の塩漬けが欲しいです。」
武雄が言う。
「ふむ、それは毎回入れているが・・生きているタコはなかったかもしれないな。
だが、生を何にするんだ?
食するのか?」
ヴァレーリが聞いてくる。
「いえ、アズパール王国の陛下から見てみたいという要望がありましてね。
3月に王都に行くので、持っていこうかと思いまして。」
「ふむ、次回、生のタコを持ってくれば良いんだな。
あとは海苔とタラの卵巣の塩漬け、他は適当に見繕うと。」
ヴァレーリがメモを取る。
「ダニエラは良いなぁ。
キタミザト殿、私にはありますか?」
「白き妖精、米等があるのでね。
それにコショウの栽培もしていただきますからね。
今の段階では指定はありません。」
武雄が言う。
「そっかぁ・・・何か欲しい物があったら言ってね。」
ブリアーニが言う。
「ええ、遠慮なく指定させてもらいます。」
武雄が頭を下げる。
「任せて。」
ブリアーニが言う。
「さて、あ、そうだ。
エルヴィス殿、キタミザト殿、陞爵して侯爵になった事、おめでとう。」
「「おめでとう。」」
ヴァレーリ達が武雄とエルヴィス爺さんに言う。
「ありがとうございます。
私の陞爵は空白地帯の件が評価されたみたいです。
お二人および実行する部下方に感謝します。」
エルヴィス爺さんが軽く頭を下げる。
「いやいや、元をただせば、エルヴィス殿から話を振ってきた事でもあるでしょう。
私達はそれに対処したのみです。」
「ええ、そうです。」
ヴァレーリとブリアーニが言う。
「感謝は示させていただきます。
さて、感謝をお互いにしていても話が進まないでしょう。
キタミザト殿。」
エルヴィス爺さんが武雄に話を振る。
「はい、我が国の王都に出張に行った際に第3皇子一家に話を振り、魔王国の方が駐在拠点とする商店の場所と簡易見取り図、各店舗の良し悪しを説明した冊子を頂きました。
こちらになります。」
「うむ・・・では、見させて貰おう。」
ヴァレーリが前に出された書類を手に取り中を見始める。
「ちなみに私の側室のエリカは第3皇子一家の相談役をしています。
第3皇子一家からの直接の売り込みはありませんでしたが、エリカは2番目が良いのではと言っています。」
武雄が言う。
「ふむ・・・これか・・・城門に近いか。」
「はい、城門に近いので、人通りも多く、売り上げが良さそうというのもあるのですが、何かあったら町に被害が出ないうちに退去して頂けるかと。
被害は1区画で済むと考えています。
また、キタミザト家、エルヴィス家からの輸出入品を扱うとなれば、ウスターソースとウォルトウィスキーが最大の商品になるでしょう。
城門に近ければ、何かあっても兵士がすぐに来れて対処しやすく。
人通りも多いようなので、街道を行く人達向けに、雑貨を置いたとしても、ある程度、売れると考えています。」
エリカが言うのだった。
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