第3622話 453日目 隣国から友人が来ました。(今回の立替費用は多いのです。)
試験小隊の訓練場。
ブラックドラゴンが着陸していた。
「あれ?なんかいつもより荷物多いですかね?」
「確かに。」
武雄とヴィクターがブラックドラゴンを見ている。
「・・・魔王国でブラックドラゴンで来る方って・・・」
横で何かを察したジーナが何とも言えない顔をしている。
「よいしょっと。
お♪キタミザト殿とヴィクターが居るな。
いつもありがとうな♪
うん?見知らぬ者が居るな。」
ヴァレーリがブラックドラゴンから降りて武雄達に近寄りながら言ってくる。
「はっ!ヴァレーリ陛下!
ヴィクターの娘、ジーナにございます!」
ジーナが跪き、言う。
「あー・・・えーっと・・・キタミザト殿、お宅の部下が客に跪いたんだが・・良いのか?」
ヴァレーリが困った顔をさせて言ってくる。
「まぁ、元魔王国の住民ですしね。
ヴィクターの教育の賜物でしょう。」
「寛大だな。
まぁ、なんだ・・我がダニエラ・セラオ・ヴァレーリだ。
こっちが。」
「ブリアーニ王国 カールラ・ブリアーニよ。
そして。」
「現魔王国 王軍 第1軍指揮官補佐と次期第7軍指揮官補佐内定のジャンナ・アンナローロです。
ダニエラ様は現魔王国国王で次期第7軍指揮官になります。」
「はっ!よろしくお願いします!」
ジーナが返事をする。
「ダニエラ様、カールラ様、呼び名どうしますか?」
アンナローロもやってくる。
「うーん・・・キタミザト殿とヴィクターは名前の方にして貰っているが、アリス殿は氏名の方だな。
・・・ま、アリス殿と同じで良いだろう。
ちなみに陛下はやめてくれ、これでもプライベートで来ているからな。
まぁ、メイドなのだろう?皆には『様』で良いだろう。」
ヴァレーリの言葉にブリアーニも頷く。
「ふむ、私の紹介もしてくれるかな?」
グローリアが人間形態でやってくる。
荷物は着陸した所に置きっぱなしで。
「ジーナ、こちらはグローリアさん、ビエラとリーザの親でドラゴンロードですよ。」
「よろしく。」
「はっ!よろしくお願いします!」
ジーナが返事をする。
「うん、あ、この3人の素性は子供達には秘密なので、あくまで友人としてエルヴィス邸に来てくれているという事で。」
「はぁ・・・両陛下とドラゴンロードがですか・・」
ジーナが生返事をする。
「高位の人達ばかりだと緊張するでしょう?」
武雄がジーナに言う。
「いえ、ご主人様もエルヴィス様も共に侯爵位ですので、アズパール王国でも高位なのですけど・・・」
ジーナはそう言うが心の中では「いや、そもそも貴族ですし!」と思っている。
「ま、友人宅に毎月食事に来ているんだよ。」
ヴァレーリが言う。
「お土産も多く買ってくれてね。
地域経済に貢献してくれています。」
武雄が言う。
「国内の地方産のも珍しがられるが、他国産のはもっと珍しいからな。
見せびらかすのに丁度良い♪」
「ダニエラ様、ほとんど自分で飲みますものね。」
アンナローロが言う。
「自分の為に買っているんだ、自分で飲むのが普通だろう?
アンナローロは違うのか?」
ヴァレーリがアンナローロに聞く。
「自分用半分と今、仕事を代わってくれている者達への土産が半分ですよ。
これで仕事がスムーズに行くのなら安い物です。」
アンナローロが言う。
「なるほどな。
ま、我もやる時はあるが・・・律儀な事だ。」
「世故に長けるとでも言ってください。
とはいえ、ロー殿は美味しいのを毎回売っていただいてありがたいですね。」
「うむ、うちの若い奴らも満足していたからな。」
アンナローロの言葉にグローリアが頷く。
「そうだ、グローリア殿、前に頼んだ10樽ずつの20銘柄を輸入するのは決まったのですか?」
ヴァレーリがグローリアに聞く。
「ええ、今回もキタミザト殿、換金をお願いしたい。」
「わかりました。」
武雄がにこやかに頷くが心の中で「グローリア殿の事を忘れてた。今回は倍だから金貨1600枚だよね?手持ちで金貨180枚、書斎に金貨240枚 銀貨500枚だから、金貨470枚分しかない」と思っていたりする。
「主、あとでキタミザト家の方から回します。
主からエルヴィス家への融資金貨6000枚の内、金貨1000枚分を後で融資とさせていただきます。
どちらにしても毛布の立替えで金貨1450枚が今回戻ってきて、金貨1000枚を融資に、残りを主に返還しますので、今、動かせる金額になります。
それに主の書斎のお金を足して、今回は対応しましょう。」
ヴィクターがボソッと武雄に言う。
「ありがとう。
もしくは金貨1000枚分はドラゴンの革で払ってしまうのも手ですよね。」
「それはエルヴィス家が困るでしょう。」
ヴィクターが言う。
「何とかなりそうですね。」
「ま、出す所が決まれば、研究所にある金貨を持ってくるだけです。
主、昼食と歓談されている間に用意しておきます。」
「はい、そのようにしてください。」
武雄が頷くのだった。
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