第3614話 ヴィクターとジーナは服を作る事。(アスセナとヤリスは催し物の経験を積む事。)
研究所の3階 所長室。
武雄はアリスとエリカをエルヴィス侯爵邸に送った後、研究所に戻ってきていた。
「失礼します。
お呼びでしょうか。」
ヴィクターとジーナが入ってくる。
「うん、今日ラルフさんの仕立て屋に行って来たのですけどね。
魔王国から持ってきたカーテンをドレスに転用して、エイミー殿下とアン殿下のドレスの素材に出来ないかという話の流れでアリスとエリカにもドレスを作る事になっていました。
その生地の確認にね。」
「はい、伺っています。」
ヴィクターが頷く。
「うん、でね。
ヴィクターとジーナにも魔王国の生地を使って服を作って良いです。
というか作りなさい。
キタミザト家として命令します。」
武雄が2人が拒否をする前に命令する。
「・・・使う事がないと思うのですが。」
ヴィクターが言う。
「今はないですが、これからはあるかもしれないでしょう?
念のために作っておきなさい。
ジーナも。」
「私こそ使う場がないと思いますが。」
「今はね。
これから先、エイミー殿下とアン殿下が来たら使うかもしれないでしょう?
その時に慌てて作るより1着くらいは持っていなさい。」
武雄が言う。
「・・・主、公の場へなら私は魔王国の生地を使わなくて良いかと。
礼服を普通に作っておきます。」
ヴィクターが言う。
「なら、礼服と魔王国の生地を使った私服を作る事。
ジーナは魔王国の生地でドレスを作る事。
これ命令。」
武雄が言う。
「はぁ・・・わかりました。」
「・・・わかりました。」
ヴィクターとジーナが渋々頷く。
「うん、良い生地を選びなさい。
とはいえ、中古のカーテン等ですけどね。
ま、気軽に考えて、エイミー殿下とアン殿下のドレスを作る前の試しに作って貰うという事で。」
武雄が言う。
「アスセナとヤリスは、如何しましょうか?」
ジーナが聞いてくる。
「酷な話ですが、あの2人が今の段階では貴族間の催し物で立ち振る舞えるとは考えられません。
それにエルヴィス家もキタミザト家も、そういった貴族間の催しはしませんので経験は積めないでしょう。
私の周りにはアリスとエリカが居るので客先対応は出来るでしょうけど、私は何も手助け出来ないでしょうからね。
自分で対処して貰う事になるでしょう。
なので、経験上しているであろうヴィクターとジーナはお客さんに紛れて仕事をして貰う事になります。
その準備も兼ねて2人への現品支給とします。」
「「了解しました。」」
ヴィクターとジーナが頷く。
「ちなみにアスセナさんとヤリスさんは、まだ時間がありますので参加も可能ですが、場に慣れなければいけません。
先ほども言いましたが、経験を積む場を作っていきましょう。
まずはご近所さん達の会合で楽しんで経験を積んで貰いましょうか。
ベルテ一家と元持ち主のご夫婦やご近所さん方とね。
まずはそこから慣れていきましょう。
次にベルテ一家と試験小隊、キタミザト家と研究所でしてみて、その次に協力会社を呼んで・・・
あ、貴族間よりこっちの方が重要だ。」
武雄が言う。
「ご主人様、貴族家の繋がりより協力工房の繋がりですか?」
「ええ、とても重要です。
今度集めて、食事会でもしますかね。
ついでにキタミザト家の総務部も慰労を兼ねて一緒に。」
武雄が言う。
「それは沈黙と気苦労が混ざり合う、混沌とした食事会になりそうですね。
総務部は総務部で、協力工房は協力工房で食事会をしましょう。」
ヴィクターが言う。
「うん、そうですね。
まぁ、とりあえず、ヴィクターとジーナは服を作りなさい。
アスセナさんとヤリスさんは、そういう催し物をした時に貴族相手でも話が出来るように話題を常に出せるように訓練が必要です。
まずはご近所さんと一緒にすれば良いでしょう。
ヴィクター、やっといて。」
「はぁ・・・わかりました。
あの2人も、いつかそういう場に出るかもしれませんので、そういった訓練をしておきます。
ちなみに子供達はどうしますか?」
「子供達はメイドの仕事を熟せるようにしておいてください。
エイミー殿下とアン殿下が来るときはゴドウィンさんとジェシーさんが来るでしょう。
その時に、向こうに居るラウレッタと比較するはずです。
私の評判が下がる程度ならいくらでも好きにさせますが、流石にエルヴィス家の評判に影響が出そうです。」
「畏まりました。
子供達の教育をしていきます。」
ヴィクターが言う。
「ご主人様、質問なのですが。
エイミー殿下とアン殿下が来る際にゴドウィン伯爵家、テンプル伯爵家から来るのでしょうか?」
「第3皇子一家も来そうですね。
まぁ、皆、スミス坊ちゃんにもエイミー殿下とアン殿下にも会っている面々だからね。
来ない方が問題になると思ってくるでしょう。
準備が大変そうです。」
武雄が言うのだった。
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