第3613話 帰宅途中の雑談。(ジーンズのオーバーオールは妊婦用としても可。)
ラルフの仕立て屋からの帰り道。
「コノハ、すぐに了承しましたね。」
アリスが肩に乗るチビコノハに言う。
「ん~?制服の事?
特に思う事ないよ。
もともとパナちゃんの懲罰向けだったし。」
「・・・そんな事もありましたね。」
チビパナが現れ言う。
「アリスとしては、渋りたかったのですか?」
武雄が聞く。
「いえ、そうではないです。
ちょっとしたデザイン料は頂けるという事ですし、ラルフさんの所ならその辺は安心なので、疑いもしませんが・・・もっと何か言うと思いました。」
アリスが言う。
「何も言わないわよ。
まぁ、どんな制服になるのか2着程欲しいかな。」
チビコノハが言う。
「確かにどういう結果になったかは知りたいですよね。
それにラルフさんの所でダッフルコートが毎年生産と納入出来るようになるのは良いですよね。」
アリスが言う。
「大まかに5つのサイズを用意して、事前に王都に送っておき、各仕立て屋で一緒に販売すると言っていましたね。
同じデザインが毎年だから出来るやり方ですね。」
エリカが言う。
「そういえば、コノハ、ジーンズがそろそろ出来るようですよ?」
武雄が言う。
「おー、デニムかな?」
チビコノハが武雄に聞く。
「さて、そこはわかりませんね。
ですが、鈴音とも話し合いながら決めているそうですよ?」
「なるほど、なら、近い物は出来そうだね。
ジーンズならまた違ったファッションが流行るだろうね。」
「どんなのが出来るのか楽しみですね。」
武雄とコノハが話している。
「タケオ様、ジーンズって・・・うーん・・・前に聞いたような・・聞いていないような・・・」
アリスが考えながら
「作業用の少し頑丈なズボンですよ。
随分前にラルフさんの所で話したらずっと考えてくれていたようです。」
「作業用で頑丈なズボン・・・うーん・・・硬いのですか?」
アリスが聞いてくる。
「硬い・・・コノハ、表現は合っていますか?」
「破れにくい事を硬いというのなら、合ってると思う。」
チビコノハが首を傾げて言う。
「確かに針とか刺すのは大変かもしれませんが・・・うーん・・・まぁ、作業用なので、厚手に作ってあるという事は確かでしょうかね?」
武雄が言う。
「そうだね。
テトちゃんに言って、どういう方向になっているか確認しておくか。
細いのを作っても売れないだろうから、まずはストレートジーンズから派生させないとね。」
チビコノハが言う。
「いや、コノハ、まずは鈴音とラルフさんを信じましょう。
発表時にその辺の話をすれば良いでしょう。
それに今回はラルフさんのデザイナーが計画しています。
今、茶々を入れては不興を買いますよ。」
武雄が言う。
「なるほど、確かに。
なら、発表まで我慢だね。
売れるかな?」
「大丈夫じゃないですか?
作業用というので農業や工房に勤めている方々の購買意欲が高まれば良いですね。」
武雄が言う。
「そうだねー。
そうすれば街中で見かける事も多くなるだろうし、一般に普及すれば良いね。
あ、そうだ、ラルフの所で発表した際に、公式な場では着用しないように仕向けておかないとね。
もしかしたら何かあるかもしれないし。」
チビコノハが言う。
「作業用と一般向けですからね。
その辺は注意した方が良いでしょうかね。」
武雄が頷く。
「・・・タケオさん、それは男性向けなのですか?スズネさんが参画していると女性向けのようにも思いますが?」
「少々形は違うでしょうが、男性用と女性用で作るのではないですかね?
それにチャックがあるから女性用も可能かな?
ダメなら横ボタンでオーバーオールという手もあるか。」
武雄が言う。
「「オーバーオール?」」
アリスとエリカが首を傾げる。
「上半身は胸当てのみが付けられていて、肩紐で吊って着用するズボンですね。
職人さんとかが使う事が多いでしょうね。
要はエプロンの機能を持ったズボンという事です。」
「「はぁ・・・」」
アリスとエリカが首を傾げながら生返事をする。
「まぁ、ラルフさんの所で出来てから、この話を進めていきましょう。」
武雄が言う。
「・・・少なくとも新しいズボンが出来るという事ですね。」
「どんなのになるのか楽しみですね。」
アリスとエリカが話している。
「あ、そか、オーバーオールは妊婦用にもなるか。」
チビコノハが言う。
「?・・どういう事?」
アリスが聞いてくる。
「オーバーオールはお腹周りをベルトや紐で締め付けないようになっているのよ。
なので、妊婦でも気軽に着れるズボンなの。」
「へぇ。
確かに妊婦用はスカートが多いですからね。
これにズボンが加わると良いかもしれません。」
アリスが言う。
「これは私も購入に動かないといけませんね。」
エリカが頷くのだった。
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