第3608話 エルヴィス爺さんとビエラ達に食べさせましょう。(屋敷では3種類の味噌汁を作ります。)
エルヴィス侯爵邸の食堂。
エルヴィス爺さんとアリス、エリカ、ビエラ達が料理を待ちながら話をしている。
「ふむ・・・で、タケオが今厨房で調理をの。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「味噌ってそんなに美味しくないの?」
ビエラが聞いてくる。
「きゅ?」
「ぎゅ?」
クゥとリーザも首を傾げる。
「いえ、美味しいのは美味しいのですけど。
・・・うーん・・・これと言って衝撃が少ないというのでしょうか。」
「新しい味ではありますが、衝撃ではウスターソースの方があった気がしますね。」
アリスとエリカが言う。
「ふむ・・・ベルテ一家の所での話で『毎日、食べても飽きない』という言葉は重要じゃの。
刺激が多い物は最初は美味しいが、徐々に美味しく感じなくなる事があるという。
それを普通は、飽きるというのじゃがの。
まぁ、具材候補が豊富であるという事で食べている下地が同じでも新たな気持ちで食べられるという事じゃろう。」
エルヴィス爺さんが言う。
「なら、私達も毎日、具材を変えて食べてみよう!」
ビエラが言う。
「ふむ・・・アリス、エリカ、毎日出来そうかの?」
ビエラの言葉にエルヴィス爺さんがアリスとエリカを見ながら言う。
「・・・量がありません。」
「2、3日なら大丈夫だと思いますが・・・」
アリスとエリカが言う。
「ビエラ殿、今は毎日は難しいようじゃの。」
「みたいだねー。
それは大量に出来たらすれば良いね。」
エルヴィス爺さんの言葉にビエラが返事をする。
「うむ、それに毎日食べても飽きないとは言うものの。
現状で食べているスープも出して色んな種類のスープを毎日楽しめば良いと思うの。
せっかく色々な料理があるのじゃからの。」
「たしかにねー。
今日は味噌汁、翌日は卵スープ、2日後はトマトスープ、3日後に味噌汁とした感じが良いかもね。」
ビエラが頷く。
「きゅ。」
「ぎゅ。」
クゥとリーザが頷く。
「アリス、タケオの方は終わってこっちに持ってくるって。」
チビコノハがアリスの肩に現れて言う。
「ふむ、コノハ殿、調味料の味噌はスープで食するのかの?」
「うん、少な目で3種類作っていたよ。
まぁ、同じ味噌を使って、具材による味の違いを感じて貰えれば良いかな?」
チビコノハが言う
「ふむ・・・楽しみじゃの。
ちなみにメインはなんじゃ?」
「料理長が作っていたのはソーセージ入りの野菜炒めだったかな?
ベルテ一家が作ったラー油はお好みでかけてね。」
「ふむ、そちらも楽しみじゃの。」
エルヴィス爺さんが頷くのだった。
・・
・
皆の前にはソーセージとキャベツ多めの炒め物、味噌汁(具なし)、味噌汁(溶き卵でふんわりした卵とネギの輪切り)、味噌汁(キャベツざく切り)、パン、塩揉みしたキュウリの輪切り、シーザーサラダが用意されていた。
「何というか・・・スープが3つもあるのを不思議と思うより、タケオなら仕方ないと思ってしまっているわしがおる。」
エルヴィス爺さんが配膳された物を見ながら言う。
「はは、私もそう思いました。
タケオ様、始めましょう。」
アリスが苦笑してから武雄に言う。
「はい、今回は新調味料の味噌を体感する事にあります。
基本的には堅魚節から出汁を取って、味噌を溶いて作りました。
1つ目は具はなく、出汁と味噌で作った物。
2つ目は溶き卵を入れた物。
3つ目はキャベツをざく切りにして入れた物
この3種類で食べて貰います。」
武雄が説明する。
「ふむ・・・タケオに食べる前に3つの違いを聞こうと思ってしまったが、聞かずに食べて素直に感想を言った方がよさそうじゃの。
ビエラ殿、リーザ殿、クゥ殿、ミア殿、よろしいかな?」
「「はい。」」
「ぎゅ!」
「きゅ!」
4人が返事をする。
「うむ、ではいただこうかの。」
エルヴィス爺さんがそう言うと皆が食事を開始する。
「ふむ・・なるほどの。
・・・うん・・・うん・・・」
エルヴィス爺さんが1つずつ味噌汁を飲みながら頷いている。
「卵の味噌汁美味しいねー♪」
「ぎゅー♪」
「きゅー♪」
ドラゴンの3人は卵入り味噌汁がお気に召したようだ。
「・・・なるほど、ロールキャベツという料理がありますが、あれもキャベツを煮込む形で食べますが、あれよりもキャベツの食感がわかりますね。
煮る時間が短いのでしょうかね?」
エリカが考えながら食べている。
「うーん、卵のとキャベツの・・・どちらも美味しいですが、若干卵の方が甘く感じますかね。
キャベツは味噌汁としての味は具なしと変わらないですが、キャベツを嚙んだ時に味が変わっているような気がします。」
アリスは食べ比べしながら食べている。
「・・・」
武雄は何も言わずに黙って、皆を見渡しながら食べるのだった。
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