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第3596話 エルヴィス爺さん、輸送時間を短縮したい。(速度は経済を活性化させる。)

エルヴィス侯爵邸の客間。

武雄達の歓談は続いている。


「ふむ・・・今の所、タケオが去年、提案した事の実施をしていけそうじゃの。」

「そうですね。

 問題は人工湖関係でしょうか。」

「川を使っての輸送の。

 確かにあれは遅れておるが・・・まぁ、新しい輸送方法じゃからの。

 これはじっくりとしていくしかないものじゃろう。

 人工湖の紅魚の養殖も順調に遅れておる。」

エルヴィス爺さんが笑いながら言う。

「そうですね。

 安易に始めるよりも確実に実施していけたらと思います。

 経費はかかるでしょうが・・・代わりに東町のキノコ類が出荷まで行けたら良いですね。

 1つでも追加で生産品目が出来るのが望ましいですね。」

「ふむ、人工湖の経費がキノコで相殺できるとは思わんがの。

 税収が増えるのは良い事じゃの。

 ・・・それと今後は馬車の改良じゃの。

 輸送日数が縮まれば領内の食糧の移動が楽になり、今よりももっと地域を分けての食糧生産が可能になるじゃろうの。」

武雄の言葉にエルヴィス爺さんが言う。

「輸送網の整備ですか・・・領内の経済を活性化させるのですね。」

「うむ、やはり領内の発展には物の生産と輸送が要だからの。」

「・・・あ、そうだ。

 王都でエイミー殿下と話したのですけど、今、私達はスミス坊ちゃんの時代に今の人口の1.5倍になるように経済の発展を目指していますよね?」

「うむ、問題事も色々あるが、全体を見ると順調だとは思っておるよ?」

「はい、で、エイミー殿下から町作りの基本は町1つと村5個という単位で考えると言っていました。」

「ふむ・・・各町の管轄する村の数は、そんなものじゃろう。」

エルヴィス爺さんが頷く。

「タケオさんの考えだと既存の町の外壁の外側を拡張させて、旧街区と新街区という形で作った方が便利と言っていましたね。

 確か・・・領主邸のある街は50000から60000人にして、各町を2000から5000ずつ、新規の村350の規模で10個追加でしたか?」

エリカが言う。

「ふむ・・・町と管轄の村5つを1つとして考えるのは、ある意味、そこで1つの方針を徹底する為じゃの。

 この街から各町に方針を出す、各町は方針にしたがって管轄の村々と調整をする。

 これが一般的な領地経営じゃの。

 町の規模が多くなると指示する内容が多くなる。

 タケオの考えだと既存の4町に複数の指示を出さないといけない。

 ・・・各町に配置している文官は多いわけではないからの。

 あまり複数の指示を出して混乱させるかもしれないの。

 今のままの組織でやろうと考えるのなら、領都の規模はタケオの言う通りで良いが、各町の方はエイミーの言う町と管轄の村5つを1つとして新規で作る方が良いじゃろう。」

エルヴィス爺さんが言う。

「ふむ・・・軍組織の再編だけでなく、文官も再編しますか?

 私としては、領都と町の外縁壁を広げるだけなので、新規で作るより費用は掛からないと考えておりますし、今の人員に新人を補充する形にすれば、ベテラン文官が地元の人を指揮をするので、問題は対処しやすいかと考えます。」

「ふむ、要は既存の拡大方法は費用はかかるが、中央からの指示がしやすいやり方。

 タケオの拡大方法は費用は抑えられるが、領都からの指示が複雑になりかねないやり方。

 わしらから見た感じでの評価は、そんな感じじゃの。

 全体を見れば、タケオのやり方が良いのはわかるが・・・ここで文官内も再編となると・・・・・・やりたくもあるが、流石に両方を一気にするのは領内政策がガタガタになるじゃろう。

 まずは軍再編に着手し、定着させないといけないだろうの。

 その後については、タケオに相談させて貰うかもしれぬの。」

エルヴィス爺さんが武雄に言う。

「わかりました。

 領内政策の方はエルヴィス家にお任せなので、なにかご相談事があれば言ってください。

 私の方でとなると・・・輸送網の輸送速度の向上ですね?」

武雄がエルヴィス爺さんに言う。

「うむ、前にも言ったがの。

 この街から各町へは通常、幌馬車で2日かかるのを1日で出来るようにしたいと思っておる。

 もちろん、タケオがその時に言っておったが、現状の棒ベアリングは積載量を増やす為の機構で、速度を出す為の機構ではないというのはわかっておるよ?

 じゃが、南町から東町まで今までは4日かかるのに2日で良いとなると各町で作る作物ももっと特色が出せ、農地拡大すると思うのじゃよ。」

エルヴィス爺さんが言う。

「それは否定できませんね。

 同種の作物を大量に作る方が、違う作物をいくつも作るより生産性は上がると思いますし、農家への負担が和らぐと思います。」

武雄が言う。

「じゃろ?

 タケオ、今の標準的な幌馬車で速度が倍の物を作れぬかの?」

「・・・前にも言ったかもしれませんが、足回りをどんなに強化しても道が良い状態でないと速度は出せません。

 街道整備が必要です。

 エルヴィスさんの考えだとこの街から各町までの間のみでとりあえず良いかと思います。」

「うぅむ・・・整備局の検討結果は、まだ先じゃろうしの・・・」

エルヴィス爺さんが考えるのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
SL液製だと、スライムが過労死しちゃうかな、ローマンコンクリートも材料が。
明治時代の日本に存在した馬車木道を敷設したら、低コストで移動速度を上げられると思いますよ。
蒸気機関車が実用化される前段階として馬車鉄道という物もありましたが、鉄道だと鉄がとんでもなく大量に必要なので現在のエルヴィス家の財政では不可能でしょうね。 …どこかで石畳に馬車の車輪幅の溝を規格化した…
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