第3595話 武雄にエリカの妊娠を報告しよう。(当主に相応しいかは親が決めます。)
エルヴィス侯爵邸の客間。
夕食を終えた、エルヴィス爺さん、武雄、アリス、エリカが談笑していた。
「・・・事前準備が出来過ぎですが・・・アリス、エリカ、ご苦労様でした。」
「「いえいえ。」」
武雄の言葉にアリスとエリカがにこやかに言う。
「ふむ・・・タケオに言わずに自分達で第3皇子一家の方に報告と相談というのは・・・まぁ、エリカならしかたないの。」
エルヴィス爺さんが呆れながら言う。
「申し訳ありません。」
「うん?別に責めてはおらぬよ?
タケオに言う前に勤め先の意思を確認し、タケオに相談しようとしたら、エルヴィス侯爵邸に居て良いという判断が来てしまったというのじゃろう?
わしとしては、まず最初にタケオに言ってから動いても良かったと思うがの?
まぁ、キタミザト家の事じゃ、わしが、どうのこうのとは言えぬの。
タケオ、第3子じゃの。
おめでとう。」
エルヴィス爺さんが武雄に言う。
「はい、ありがとうございます。
まさか・・・というか、早いですかね?
まぁ、子供は多くても構いません。
収入が低いと子沢山は考えなくてはいけないのですが、現在の所そこまで逼迫していませんので、子を持つ事は問題ないかと。」
武雄が言う。
「ふむ・・・男子の兄弟が多いと成人後に色々と面倒な事になるものじゃが・・・」
エルヴィス爺さんが考えながら言う。
「継ぎたければ継げば良いとは思っていますが、基本は本人のやりたいことをすれば良いと思います。」
武雄が言う。
「私もタケオ様と同意見です。」
「私の場合はアリス様との約束事がありますから、貴族を継がせようとは思いません。
そういう教育になると思います。」
アリスとエリカが言う。
「ふむ・・・貴族の跡取りの教育は、それなりに大変なのじゃがの・・・
まぁ、地方領主でも貴族会議でもない貴族は初めてだからの。
やりようは手探りという事なのじゃろうの。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「まぁ、王立学院には入れますからね。
そこまでの教育はスミス坊ちゃんを手本にしていきます。
アリスが大まかな流れはわかるでしょうからね。」
武雄が言う。
「王立学院卒業までは貴族としての教育で良いかと思います。
もちろん、継ぐ継がないは本人の意思に任せる旨は言っておきますし、私達、キタミザト家の当主と正室、側室の大人達は貴族になる事を強制はしない旨も言いましょうか。
そうすれば、エリカさんの子供もキタミザト家でちゃんと教育出来ますしね。」
アリスが言う。
「ありがとうございます。
と・・・コノハ殿、私の子の性別はなんですか?」
「・・・まだ確定じゃないかな?
来週辺りに確定しそう。」
エリカが言うと、チビコノハが現れ言う。
「わかりました。
うーん・・・性別は来週ですか・・・」
エリカが考える。
「大丈夫ですよ!エリカさん!
男の子でも女の子でも!
私が男子を最初に産まないといけないという訳ではありません!」
アリスが言う。
「とはいえ、アリスさんより先に男子だった場合、アリスさんの気持ちが大丈夫なのか・・・」
「??・・・うーん・・・子供の性別は、エリカさんに言って変わるものではありませんよ?
なってしまったらなってしまったですよ。
私が男子が生れるまで頑張らないといけないだけです。」
「その分、私も頑張るという事ですね。
まぁ、そっちは良いのですけど・・・男子が生れるまでというのもねぇ・・・」
アリスの言い分に武雄が苦笑する。
「ふむ、タケオは性別に拘りはなかったかの?」
エルヴィス爺さんが武雄に聞く。
「ええ、男子なら貴族を引き継げますが、貴族に拘りはないのでね。
エリカの子供が男子なら長男ですが、嫡子はアリスの子供となりますね。」
「子供達には最初から言い聞かせないといけませんし。
それで驕るようなら貴族を継がせないようにすれば良いだけですよね?
私達、夫婦は貴族に拘っていないので、貴族として子供が合わないとわかれば、させる必要はありませんし。」
武雄とアリスが言う。
「ふむ・・・キタミザト家に生まれる男子は大変そうじゃの。
親達が貴族に相応しいか子供達を見ているのじゃからの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「増長する人は他人に迷惑をかけますからね。
それにキタミザト家の従業員は異種族が多いのです。
家族間ですら偏見を持つのなら異種族に対して対等に話せられないでしょうからね。
そんな子供が当主として研究や他国との外交交渉、商談交渉等出来るとは思えません。」
アリスが言う。
「まぁ、そうですね。
対魔王国では、ただでさえ難しい交渉をしなくてはいけないでしょう。
そこに自分本位な考えを持ち込まれると交渉が上手く行くものも行かないでしょうね。」
エリカも言う。
「ふむ・・・アリスとエリカが同じ意見なら大丈夫じゃろう。」
エルヴィス爺さんが頷くのだった。
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