表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3613/3662

第3594話 ヴィクター、再婚しないの?(ジーナ的には大丈夫。)

夕方、仕事を終えたヴィクターとジーナ、狭霧が自宅に戻ってきていた。


「私が言うのもなんだが・・・荷物が少ないな。」

ヴィクターがジーナが持っている寄宿舎から引っ越しの際に送った木箱を見ながら言う。

帰り際、エルヴィス家の庁舎に届いていた物を引き取って帰って来ていた。

「いや、お父さま、1年しか行っていませんし、元々何も持って行かないから、この量ですよ?」

ジーナが木箱を軽々と持ちながら言う。

「そう言われると多いのか?

 ・・・いや、ジーナも女の子だ、衣服が少ないのではないか?」

「メイド服で事足りましたし、何かある時は作業服一式でしたし・・・この程度でしょう。」

ジーナ言う。

「ふむ・・・そうだな。

 そういわれると私も仕事の服しかないし、これと同じ物をいつも着ているな。」

「・・・お父さまこそ、服をもっと持った方が良いのでは?

 お母様がなくなって1年です。

 仕事服ばかりというのも女性が近寄らないですよ?」

ジーナが言う。

「・・・まだ1年だよ。」

ヴィクターが前にシモーナが武雄に渡して、手元に来た家族の絵を見ながら言う。

「?・・・あ!この絵!?

 なぜここに?」

ジーナがヴィクターの目線を追って、絵画を見つける。

「主に依頼して、シモーナから譲り受けた。」

ヴィクターが言う。

「・・・お父さま、やはり側室を持たれては?」

ジーナが考えながら言う。

「ふむ・・・もう貴族ではないのだがな。」

「私も仕事をしていますし、ある意味、独立したようなものです。

 それに家に人が居てくれた方がお父さまも休まるのではないですか?

 仕事ばかりしていると息が詰まると思いますし。」

ジーナが心配そうに言う。

「・・・その言葉、そのままジーナに向かって言いたいな。

 まだ適齢期ではないにしても・・・婚期を逃す事の無いようにな。」

「私はまだまだ先です。

 それよりもお父さまは、どうするのですか?

 後妻との関係なら大丈夫です。

 いざとなれば、私から距離も置きます。

 お父さまとなら仕事場で会えますし。」

ジーナが言う。

「うぅむ・・・はぁ・・・まったく、皆が皆、私を再婚させたいのか。」

ヴィクターが悩む。

「皆様?・・・誰ですか?」

ジーナが聞いてくる。

「今の上司と前の上司だよ。」

「ご主人様とヴァレーリ陛下ですか。

 再婚の許可は、もう出ているのですね。

 あとは相手次第ですか。

 シモーナ叔母様に頼んでも良いのですよね?」

ジーナが考える。

「はぁ・・・まぁ・・・夕食にしよう。

 ジーナ、部屋はサギリ殿のスライム達が居るので、綺麗だと思うが確認しなさい。

 それと着替えて、夕食の支度を頼む。

 買って来た物ではあるが、皿とかを用意しておいてくれ。

 私は湯浴み場でお湯を張っておくよ。」

ヴィクターが言う。

「・・・わかりました。

 すぐに着替えてきます。」

ジーナが自室に向かう。

「はぁ・・・嫁取りの苦労は1回で十分なんだがな・・・」

ヴィクターは呟きながら買って来た夕食を置きに行くのだった。

ちなみに狭霧はスライム形態になり、部屋の隅に移動するのだった。

・・

ヴィクターとジーナが軽く湯浴みを終えて、夕食を取っていた。

狭霧はスライム形態で桶に入った野菜の大盛りを吸収している。

「・・・湯浴みが便利になっていました。

 私達でもお湯が作り出せる魔法具があるのですね。」

ジーナが感心しながら呟く。

「最近出来てな。

 テイラー様の魔法具商店で試作した物を譲り受けたんだよ。

 ステノ技研はノット様が魔法刻印の教師に出向いていてな、その研究成果の1つとして作られてね。

 売るわけにもいかないからと私が使わせて貰っている。」

「・・・どういう仕組みなのでしょうか?」

「詳しくはわからないが、魔法適性がある者が対象で、触れていると熱めのお湯が毎分2L出るそうだ。」

「・・・湯浴みにしては少ないでしょうか?」

ジーナが首を傾げる。

「試験なんだからそのぐらいで良いだろう。

 まぁ、この研究はノット様がしている銭湯の湯をどうやってかけ流すか・・という事の1つの方法として考えられた。

 それも種族問わずに魔法適性があるのなら、発動するような物をな。

 懐中時計を机に置くタイプで置時計というのがあるが、それに使われている機能を使い、お湯の維持が出来ないかという事との試験と言っていた。」

「そういえば、資料にご主人様がノット様に銭湯なる大規模な湯浴み場を作るように指示しているのでしたね。

 お父さまが戻るまで、過去の資料を読んでいましたが、そこにありました。」

ジーナが言う。

「うむ、お湯の供給を何通りか用意していくという話で進んでいる。

 もう少し待てば、トレーシー様から主とマイヤー様に報告が行くだろう。」

ヴィクターが言う。

「銭湯ですか・・・実物を見てみたいですね。」

ジーナが言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
銭湯と言えばフルーツ牛乳! いつも楽しい更新ありがとうございます
リツが来る予定だから熱いお湯は大量に用意できそう
たらいにお湯がいれられるのは病院等で便利そうでいいですね 清拭とか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ