第3590話 第3皇子一家からエリカ宛てに手紙です。(倉庫内での配置完了、次は値付けです。)
エルヴィス侯爵邸の客間。
「ただいまー。」
ビエラがルフィナと客間に入ってくる。
「「おかえりなさい。」」
アリスとエリカが出迎える。
「ビエラ殿、手紙です。」
ルフィナがビエラが降り立ってから預かっていた手紙をビエラに渡す。
「うん、ありがと。
エリカ、レイラから手紙。」
ビエラがそのままエリカに渡す。
「はい、ありがとうございます。」
エリカが受け取る。
「・・・」
エリカがジッと手紙を見てから、封を開け中を見る。
「・・・第3皇子一家は何と?」
アリスが聞く。
「・・・要約すると。
『住む場所はキタミザト家で構わない。
解雇はせず、退職もする必要はない。
引き続き相談役の任を続ける事』
です。」
「ふむ、となると・・・『この家に住みながら、第3皇子一家の相談役として、書類仕事をしてくれ』という訳ですね。」
アリスが考えながら言う。
「はい、そうなります。
給料は半額になるそうです。
・・・こちらの我儘が全部通って、給料が出るそうです。」
エリカが不思議そうな顔をさせながら言う。
「ふむ・・・お爺さまとタケオ様が戻られてから、その話を吟味するべきですが・・・
とりあえず、この家に滞在という事になるようですね。」
アリスが言う。
「はい、お世話になります。」
「ふふ、ここはエリカさんの家でもありますよ?
まぁ、2年後にはエイミー殿下とアン殿下も来ますが、エリカさんは面識もありますし、大丈夫ですよね?」
アリスが聞いてくる。
「はい、その辺は大丈夫です。」
エリカが頷く。
「ふむふむ・・・まぁ、相談役の仕事が毎日来るとは思えないので、普段はエリカさんの好きな事をして良いでしょうね。
エルヴィス家の文官達が喜びそうです。」
「はは、前に来た際に、そういった事を言われましたね。
まぁ、こっちの仕事も楽しそうですし、稀に来る報告書も新鮮味があって気分転換になるでしょうね。
ま、第3皇子一家からの相談内容は大変でしょうが。」
「そこは私達皆で話し合っていかないといけないでしょうね。
・・・ふむ、これで第3皇子一家、ゴドウィン家、エルヴィス家の関係が強固になりそうです。」
「いえ、レイラ殿下が居るので、元々強いと思いますが?」
「・・・・・・絆はね。
政策面ではエルヴィス家と第3皇子一家で連携が取れやすいでしょうね。
卸売市場も経済への影響が多いとは思いますが、もう少し深くまで手が出せそうですね。」
「そうですね・・・ただ、現地に居ないので、どの程度まで採用されるかはわかりませんね。
提案ではなく、回答という形で第3皇子一家の政策に関与する事になると思います。」
エリカが言う。
「十分だと思います。
まぁ、私としては姉達の領地が発展し、エルヴィス侯爵領も発展するのが望ましくはありますが、基本はエルヴィス侯爵領の発展が一番大事だと思っています。」
アリスが言う。
「はい、私もそれが一番と思います。
私の場合、その次が第3皇子一家領の事になります。」
「わかりました。
それで良いと思います。
さてと・・・コノハ、エリカさんの状態を教えてくれる?」
アリスが言うとチビコノハが現れる。
「状態も何も・・・妊娠したというだけだよ?
エリカにもアリスと同じで毎朝、体の調整はしているし、つわりはまだこれからだから様子見かな?」
チビコノハが現れ、言う。
「ふむ・・コノハ殿、気を付ける事はなんですか?」
「食事、睡眠、適度な運動。
これに限るよ。
アリスは屋敷内を歩くのと適度に素振りだね。」
「気分転換としてちょうど良かったのが、木剣の素振りですね。
エリカさんは、どうしますかね?
ご自身で決めても良いのですが?」
アリスがエリカに聞く。
「うーん・・・とりあえず、保健を見直します。」
エリカが言うのだった。
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庁舎街の倉庫。
「ふむ・・・とりあえず、企画書の内容通りに配置しなおしましたね。」
ヴィクターが言う。
「はい、では、予定通り、値付けをお願いします。
各商店および工房の皆さまの価格を参考にこちらで最終的に売価を決めさせて貰います。」
アスセナが各工房、各商店の者達に言う。
「「「わかりました。」」」
各商店および工房の者達が返事をすると、最初の棚の所へ移動するのだった。
「ふむ・・・さて、いくらの値が付くのか楽しみですね。」
ヴィクターが言う。
「はい、ちなみに、あのリスト以外で高額品がありましたが・・・」
「主が持ち込んだ宝石ですね。
街中にある宝石に比べて大きかったと思いますが・・・はたしていくらになるのか・・・」
「見どころの1つですね。」
ヴィクターとアスセナは雑談をしながら、各商店および工房の者達が査定を終えるのを待つのだった。
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