第3584話 武雄とジーナは、ちょっと寄り道。(デリンジャーはどうなった?)
武雄はジーナと街中を歩いていた。
「・・・ご主人様、シモーナ叔母様に指示していますよね?」
ジーナが武雄に聞いてくる。
「んー?どうしてそう思います?」
「ご主人様はシモーナ叔母様に金貨2000枚をポンと渡しています。
これまでも今後の取引もありますから、売り上げが良い商品を乗せると考えます。
ですが、私の物は他の物と比べると一般的な価値は低いです。
なので、売り上げ以外の意思があると考えます。
それに私とお父さまの私物が異様に安くされています。
これはお父さまも知っていたという事ではないでしょうか。
そして、お父さまとシモーナ叔母様は、やり取りをしています。
ご主人様の指示の下、お父さまとシモーナ叔母様が画策していると考えます。」
ジーナが言う。
「ふむ・・・まぁ・・・大きくは間違ってはいませんね。
ちなみにヴィクターは送られてくる物のリストを見て気が付きました。
品物の選定はシモーナさんがしてくれています。
支払いは魔王国に出張に行ってデムーロ国との戦争の観戦で得た報奨金から出しています。
ちなみにダニエラさんからヴィクターとジーナが私と魔王国を結び付けた報奨金も含まれています。
なので、その分を使ったまでです。
ジーナ達の物がどのくらい入るかはシモーナさん頼みでした。
それに領主関係の品々なら良い物があるかもしれないので、ジーナ達の物以外も狙っていたのは確かですよ。」
武雄が言う。
「ヴァレーリ陛下が・・・そうですか。
私とお父さまの物があったのはわかりました。
シモーナ叔母様の軍資金を担っていただき、ついでに私達の物が入っていたという事ですね。」
ジーナが考えながら頷く。
「・・・まぁ、そうですね。」
武雄が言う。
「まぁ、思い出の品が手に戻ってきたというのは嬉しいです。」
ジーナが言う。
「ええ、それで良いですよ。
思い出は大事ですからね。
それを糧に仕事をしていきましょう。」
「はい、ご主人様。
で・・・この道はステノ技研ですか?」
ジーナが返事をして
「ええ、他の協力工房は倉庫に呼ばれているでしょうからね。
ちょっと寄り道です。」
「わかりました。」
武雄とジーナはステノ技研を目指すのだった。
・・
・
ステノ技研にて。
「ははは、タケオ、侯爵とは目出度いな!」
チビニオが羽織袴姿で言ってくる。
「正式になりましたよ。
ついでにエルヴィスさんもね。」
「ふむ、巻き込んだな。
さっき、ジーナが来たが、今は何か用か?
精霊通信はなかったと思うが。」
チビニオが聞いてくる。
「いえ、今日、ブリアーニ王国から中古の家具や小物が届いたので、その受け取りと私がデムーロ国で買って来た品々を倉庫に置いてきました。
うちのアスセナさんが企画して、展示即売会を実施するんです。
ラルフさんやハワース商会も参画しているようですよ。」
「ほぉ、展示即売会か。
上手く行けば、定期的なイベントになりそうだな。」
チビニオが言う。
「いつもの贔屓以外に商品を見て貰えるというのとブリアーニ王国からの中古とはいえ、輸入品が並びますからね。
この地の人達は初めて他国製と見比べて、選択肢が増えるというものですね。
ゆくゆくはブリアーニ王国や魔王国から輸入があるかもしれませんね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・大きく見れば、国家間での品評会のような物か。」
「ブリアーニ王国からはヴィクター達が使っていた物やある程度高級品が来ています。
デムーロ国、魔王国は私が買い上げただけなので、そこまで高級品はないかもしれません。
むしろ、デムーロ国での物は一般向けの商品ですので、目新しさぐらいしか目立った物がありません。」
武雄が言う。
「ふむ、ある意味、身近に感じる競合商品という事だな。」
「何かしら刺激になれば良いと思います。
と、今日はですね。
デリンジャーがどうなっているのかの確認ですね。」
「ふむ・・・テイラー。」
「はいはい、キタミザト様。
ご依頼の10丁が出来あがっています。
・・・こちらですね。
専用のホルスターも出来てます。」
テイラーが後ろの棚から浅い木箱を持ってきて武雄の前に置き、蓋を開ける。
「ふむ・・・」
武雄が1丁を手に取って見る。
「ご主人様、それは?
小銃改4 拳銃に似ていますが・・・」
ジーナが聞いてくる。
「こちらは『小銃改5 デリンジャー』と言います。
全長140mm 、重量300g、有効射程5m、最大射程30mで小銃の弾丸を1発だけ発射出来ます。」
テイラーが言う。
「小銃の弾丸を?・・・1発?」
ジーナが首を傾げる。
「ジーナ達獣人の護身用としてね。
射程は短いですが、相手の顔にでも向けて撃って、相手が怯んだ隙に逃げれるでしょう。
射程は短くても飛び道具ですよ。」
「ふむ・・・逃げる為にですか・・・ふむふむ。」
ジーナが頷くのだった。
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