第3517話 醤油と味噌の情報を開示しましょうか。(ウスターソースより売れると思います。)
「クリナに教えなきゃ。」
エイミーが枝豆のレシピメモを見ながら言う。
「・・・うーん・・・」
アンが腕を組んで考える。
「おや?アン殿下、どうしましたか?」
エリカが聞いてくる。
「いえ・・・・・・・・・なんでもないです。」
アンが、エイミーを見ながら口籠もる。
「・・・うん、よし。
タケオ様、エイミーが本当に聞きたい事と、アンが遠慮して聞けずにいる事を、聞いても良いですか?」
スミスが武雄に聞く。
「はい、スミス坊ちゃんも聞きたいのでしょう?
何が聞きたいのですか?」
武雄が、にこやかにスミスを促す。
「はい、エイミーは枝豆の事で頭がいっぱいになって混乱していますが、大豆と小豆から作る商品について、2人には話しても良いと思うのですが、どうでしょうか?」
スミスが言う。
エイミーが「あ!」という顔をしている。
「うーん、まぁ、身内だしね?」
武雄が、わざとらしく悩んだ振りをする。
「はい、僕の妻達ですので、ある程度の情報を開示して良いかと思いますが。
とはいえ、僕もそこまで知っていませんけども。」
スミスが言う。
「スミス坊ちゃんとしては、教えたいのですね?」
「はい。」
武雄の問いにスミスが頷く。
「まぁ、良いでしょう。
スミス坊ちゃんが、教えて欲しいと言うのならね。
大豆に対してはキタミザト家で『味噌』と『醤油』という調味料の開発をしています。
小豆に対しては『餡子』というスイーツの素材を作っています。」
「「調味料!?」」
エイミーとアンが聞いてくる。
「タケオさん、その調味料に大量の大豆が必要なのですか?」
エリカが聞いてくる。
「自分達で楽しむだけなら、今のままで十分に足りますよ。
ですが、キタミザト家は産業として生産し、販売に漕ぎつけたいと考えています。
それに、これからの開発で味の向上が必要ですし、標準的な製造方法の確立や、協力工房との共同開発の体制を構築していく必要もあるのでね。
これから先、大量に大豆が必要と考えています。」
武雄が言う。
「ふむ・・・タケオさん、その調味料は、どういう物なのですか?」
アンが聞いてくる。
「どういう?・・・簡単に言えば、ウスターソースのような調味料の1つです。」
「「!?」」
エイミーとアンが衝撃を受ける。
「タケオさん、『ウスターソースと同じような』という事は、流行ると考えているのですね?」
エリカが聞いてくる。
「ええ。
私個人としては、ウスターソースより売れると思いますよ?」
「「!?」」
エイミーとアンが更に衝撃を受ける。
「そ、それは・・・例えば他の領に生産を委託する事は出来ますか?
ウスターソースも、国内で2か所に生産地を分けましたよね。」
エリカが聞いてくる。
「将来的な可能性で言うのなら、可能です。
ですが、今現在の状況では、実現出来ません。」
武雄が言う。
「『今は』出来ないのですか?」
「製造方法が特殊ですし、今は試行錯誤している段階でしかありません。
なので、製造方法が確立し、製造に必要な原材料が安定的に確保出来るようになれば・・・可能でしょうね。」
「タケオさん!その調味料を第2皇子一家で作らせてもらえませんか!?」
エイミーが言ってくる。
「・・・うーん・・・エイミーさん、まだ先の話ですよ。
その時にまた話し合いましょう。」
武雄が考えてから、にこやかに言う。
「タケオ様、お爺さまは何と?」
スミスが聞いてくる。
「喜んでくれていますよ。
まずは自分達の分で、次は領内への普及を考えていますからね。
領民の食生活を向上させる手段が増え、新しい産業として工房が増えれば仕事も増えるというものです。」
「そうですね。
元々ウスターソースが、そういう括りでしたね。
領外には、どの程度、卸すのですか?」
スミスが聞いてくる。
「うーん・・・正直な話、ウスターソースよりも製造期間が長く、原材料も他領産ですからね。
製造原価としては、ウスターソースより少々高くなってしまうでしょう。
なので、様子を見ながらではありますが・・・領内に6割、領外に4割かなぁ?
流行り方によっては、領内に9割、領外に1割でも良いですけどね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・領民に気に入られるか・・・なんですね。
でもタケオ様はウスターソースより売れると考えている・・・ふむ、タケオ様、その調味料は凄いのですね?」
スミスが聞いてくる。
「ええ、肉にも魚にも野菜にも使える、基礎となる調味料なのでね。」
「肉にも?」
「魚にも?」
「野菜にも?」
エイミーとアン、エリカが驚きながら言う。
「・・・タケオ様、それって・・・凄い事ですよね?」
スミスが冷や汗をかきながら聞いてくる。
「ええ、ウスターソースより売れると言ったでしょう?
大丈夫ですよ。
ちゃんと売れるように仕向けますから。」
武雄が良い笑顔で言うのだった。
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