第3477話 438日目 夕食を取りながら皆と話そう。(ブルックの嗅覚は鋭いね。)
第八兵舎内の食堂。
武雄とエリカ、試験小隊の面々は夕食を取っていた。
「なんだかんだで、もう数日経ってしまいました。」
マイヤーが言う。
「毎日会議でしたが、もう3日目も終わりますね。
明日は、いよいよ授与式と。」
武雄が言う。
「子爵位は今日までですね。
明日から侯爵位です。」
「・・・ね?
何がどうなって侯爵なんだか・・・」
「まぁ、功績でしょう。
それに、あれだけの功績をあげた所長を、子爵のままにしておくのは、他の貴族達の為にもなりません。
大きな功績を上げたら陞爵する。
この仕組みが機能しているのを、貴族達に見せる必要があるでしょう。
それにより、自身に与えられた役割と仕事に取り組んで成果を出す事に励むでしょうし、領地発展の為に開発に勤しむでしょう。」
マイヤーが言う。
「・・・そういう方々が多くなれば、国内は安泰でしょうね。」
武雄が料理を口に運ぶ。
「所長、念の為、知り合いの部署にも確認しましたが、今の所不穏な動きは無いそうです。」
アンダーセンが報告してくる。
「今はなくとも、明日はあるかもしれませんね。
で、情報源は第1か第2情報分隊でしょう?
他には?」
武雄がアンダーセンに聞く。
「ついでに第1騎士団も入れておいてください。
・・・料理の方はメイド達と料理人達が目を光らせているそうです。
少なくとも部屋に持ち込まれるまでは安全性が確保されています。」
「ふーん・・・メイド方は今日、お会いしてきましたが、終始にこやかに歓談出来たので、大丈夫でしょう。
部屋の中で仕掛けて来るか?・・・ゴドウィンさんとテンプルさんとスミス坊ちゃんとで、東側貴族の交流を楽しんでおきますか。
ジーナはお付きの控室ですが、マイヤーさん達は?」
「王都守備隊より応援要請があるので、手伝いを。
総長から所長に伝言で『手間賃は払う』だそうです。
事後承諾になってしまい、申し訳ありません。」
「うん、その辺はマイヤーさんの判断に任せます。
手間賃の方は、総長殿に『期待する』と言っておいてください。
実際はいくらでも良いです。
ま、今後ともエルヴィス伯爵領から色々と買ってくれるでしょうからね。
無理は言いませんよ。」
武雄が言う。
「はい、伝えます。」
マイヤーが応える。
「マイヤー殿、所長の了解も得られたので試験小隊は正式に動きます。」
「うん、頼む。
明日は、私は初雪殿やビエラ殿と、大人しく部屋で待機している事にする。」
「はい。
所長、少々お側を離れますが、出来れば相手の命だけは取らないでくださいね?」
アンダーセンが武雄に言う。
「私を何だと思っているんですか?
私からイザコザを起こすわけないでしょう?
トラブルが、向こうから勝手に寄って来るだけです。」
武雄が呆れながら言う。
「相手の無知が怖いんです。
そして、所長の本気の戦闘は、相手の首を取りに行く事を我々は知っています。
なので、何かあっても、まずは腕か足を切り落とす程度にしておいてください。」
アンダーセンが言う。
「・・・・・・・・・あ、そうですね。
確かに、オーガ相手は全部一撃で屠ってきましたね。」
武雄が思い出したかのように言う。
「そうそれです。」
「オーガ等にしただけですよ。
人間相手には・・・には・・・未だ、してないよなぁ?・・・してたっけ?・・・あれ~??」
武雄が自信なく言う。
「とりあえず、留意してください。」
「はーい、気にはしておきます。」
武雄が笑顔で言う。
「はぁ・・・ジーナ殿が居たなら何とかなるだろうと思うのですが、エリカ殿だと所長を止められるのか・・・」
「無理でーす。」
エリカもにこやかに言う。
「ですよね。
所長を物理的に諫められるのは、アリス殿やジーナ殿くらいですよ。
明日は、私達は控室にすら入れないので、何かあった際の所長の過剰防衛にどうしたらいいのか・・・」
アンダーセンが考える。
「あの、アンダーセン殿、タケオさんの身を案じているのですよね?」
エリカが首を傾げながら聞く。
「所長は、誰かに切り付けられた程度で怪我をする方ではないですし、やり返すでしょう。
むしろ、これ幸いにと戦闘を拡大しそうで怖いのですが。」
アンダーセンが言う。
「やられたらやり返すのは基本ですよ?」
「過剰にやり返すのが所長です。」
武雄の言にアンダーセンが言う。
「・・・んー・・・私は過剰にやり返した事はない筈ですよ?
周りが勝手に被害を拡大させただけです。」
「はぁ・・・どうしようか・・・
まぁ、いつでも動けるようにしておくしかないか。」
アンダーセンが諦めたかをしながら言うのだった。
「・・・そういえば、所長、夕食前に戻ってきた際、甘い匂いが所長の部屋からしましたが?」
ブルックが聞いてくる。
「あれ?匂いしましたか?」
「はい、あまり嗅ぎなれない匂いでしたので。
気になりました。」
「ビエラが、エルヴィス家から新作のお菓子を持って来たので、身内だけで試食会をね。」
「新作ですか!?」
「エルヴィス伯爵領に帰ったら食べさせてあげますから、仕事頑張りなさいね。」
「頑張ります!」
ブルックがやる気を見せるのだった。
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