第3333話 鉱山を巡って戦争なんてするとは思えませんね。(ヴァレーリ達は戦争よりも武雄参戦の方が怖い。)
「うーん・・・王都近郊の高炉か。
確か、中規模と説明は受けたが・・・ちなみにボナの所と同じ品質になるのか?
空白地帯からの輸入鉱石は質が悪いと聞いているが。」
「なります。
あの地から産出し、精製した物は見ていますが、あれは鉱石の品質ではなく、精製技術の問題です。」
「ふむ・・・ちなみに空白地帯での精製をする気はないか?」
「・・・技術の導入費用や隣接するドワーフ王国からの間諜を考えるとしたくないですね。
あくまで採掘のみをするとしたいです。
あ、既存の設置されている物は撤去して我が国に持ち帰って・・・王都に移設しますか。
王都の高炉を大きくしましょう。」
ボナが言う。
「ボナ子爵殿、間諜とは?」
第3軍指揮官が聞く。
「鉱石を精製し、鉄等を作りますが、溶かして固めただけではないのです。
鉱石を溶かす際に出る不純物を取り除く方法、鉄等の材料を狙い通りの硬さや粘りを出す為の添加材の種類と量、タイミング。
これは秘匿技術です。
私とボニート殿、それぞれに大規模高炉は持っていますが、精製技術はお互いに知らないままです。
ボニート殿の所の焼き物は、どうやっても真似が出来ないですからね。
ま、私達がしている鉄鋼の技術はボニート殿達は知っていて、見逃してくれているのかもしれませんが。」
ボナが言う。
「はは、ボナ殿、ご冗談を。
ボナ殿達が作る最高級鉄鋼は真似が出来ませんよ。
あの技術こそ、我が国の宝でしょう。」
ボニートが苦笑しながら言う。
「ふむ・・・向こうから頂くのは良いが、向こうに見せる気はないという事だな。
壁を挟んで向こうにはドワーフ王国が居るのだからいつでもこっそりと覗きにこれる訳だ。」
ヴァレーリが言う。
「そうなります。
ま、逆もありますが。」
「そこは上手くやれ。
少なくともブリアーニ王国に迷惑がかからないようにな。」
「はっ!」
ヴァレーリの言葉にボナが頷く。
「私達としたらお任せになっちゃうけど、ドワーフ王国との事を荒立てるつもりはないわよ。
そもそも所有宣言をする時点で、たぶん文句を言ってくるだろうけど・・・あの地の件は言った者勝ちでしょう?
あ、でも宣言をしてからドワーフ王国が空白地帯を占拠するかしら?」
ブリアーニが言う。
「通告後に占拠したのなら、少なくとも我々には不法占拠になるな。
ま・・・それならそれで、空白地帯+ドワーフ王国の一部を貰い受ける事になるだろうがな。
それに所有権はアズパール王国だぞ?
所有権のあるアズパール王国に無断で入って来たら、アズパール王国とも戦争だ。
それは避けると思うがな。
かと言って、ドワーフ王国がアズパール王国に苦情を言ったとして、アズパール王国は坑内の事はブリアーニ王国の事として動かんだろうし、ブリアーニ王国に苦情を言っても採掘権を持っているのは確かだが、所有権はアズパール王国の物だからアズパール王国が決める事と言ってしまえば良い。」
ヴァレーリが言う。
「アズパール王国に聞けば、我が国に聞け。
我が国に聞いたらアズパール王国に聞けと行き来させるのね。」
ブリアーニが言う。
「ま、そうだな。
そして、事が起きれば、ブリアーニ王国とアズパール王国がドワーフ王国とやり合う・・・しないだろうな。」
ヴァレーリが言う。
「鉱山を仕事場とし、街中は加工工房が多い。
それがドワーフの種族的な街並みですからね。
穀物や野菜、衣服なんかはある程度賄いますが、少なくない量を輸入しているでしょう。」
ボナが言う。
「ドワーフ王国と隣接しているのは、カトランダ帝国、アズパール王国、ブリアーニ王国だ。
その内、他国に輸出出来るほどの穀物を持っているのは、アズパール王国。
鉱石の売り先であり、物資の買い先でもある。
ここと戦争はしないだろうよ。」
ヴァレーリが言う。
「最悪を考えれば戦争よね?
アズパール王国はどう出るかしら?」
「たぶん侵攻はせず、守るんじゃないか?
エルヴィス殿とキタミザト殿の言葉を信じるのなら、採掘技術は持っていないんだろう?
採掘できない土地はいらんだろう。
なので、守りに徹する。
ま、所有権が侵されているから、空白地帯への攻撃はしなくてはならないが・・・エルヴィス殿は来ないだろうが、キタミザト殿の第二研究所が来るだろう。
そして、そもそも坑内以外の外にある街道を潰す気でいるのだから嬉々としてビエラとリーザ、もしかしたらグローリア殿に頼んで多数のドラゴンを投入して、森をいくぶん滑らかにするんだろうな。」
ヴァレーリが言う。
「はぁ・・・グローリア殿にも困った物ですね。
ま、そっちは魔王国は関与していないと見て見ぬふりをしましょう。」
ボナが呆れながら言う。
「まぁ、そうだな。
それにキタミザト殿とエルヴィス殿は鉱山に未練はない。
お構いなしに壊しにかかるだろうな。
こっちの利益を考えると坑道を壊されるのは困るから、何としても坑道内にキタミザト殿達を入れさせないようにさっさと終わらせないといけない。」
ヴァレーリが言う。
「はぁ・・・・鉱山に興味がない貴族が隣接しているという稀な例ですね。
普通は鉱山を巡って、戦争をすると思うのですけど。」
ボナが言う。
「それを言うなよ・・・それは皆で話したが、結局分からず終いだったろう?
だからこそ、今回の根こそぎ鉱山を頂こう事業があるのだし。
そこはキタミザト殿だからと諦めよう。」
ヴァレーリも呆れながら言うのだった。
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