第3312話 昼食後の歓談。7(一先ず、休憩です。)
「はぁ・・・納得するしかないか・・・」
ヴァレーリが諦める。
「初期投資が大変だからというのはわかるわね。
うちが頭になるけど、坑内整備や採掘は魔王国に頼る事になるし。」
ブリアーニも頷く。
「はぁ・・・エルヴィス殿、キタミザト殿、とりあえず、魔王国とブリアーニ王国で話し合ってくる。」
「「お願いします。」」
武雄とエルヴィス爺さんが頭を下げる。
「はぁ・・・食事をしに来て、新しい議題を貰ってしまったな。
あー・・・カストとも話さないとな。」
ヴァレーリが面倒そうな顔をさせる。
「実質的に鉱山1個分の採掘が出来るのは魔王国の利にもなりますね。
各王軍も賛同するでしょうし、第3軍辺りは訓練として坑道内での居住地区建設をさせても良いかもしれません。」
アンナローロが言う。
「ふむ・・・まぁ、そうだな。
ボナの方の鉱山を休められるのは良い事ではあるし、今は全く兆しがないが、将来に向けて、坑道内での戦闘に関わる訓練をするのも王軍にとっては必要だな。」
ヴァレーリが言う。
と、客間の扉がノックされ、エルヴィス爺さんが許可を出すと。
キタミザト家の子供メイド達がお菓子とお茶を持って入って来る。
「お話の最中、失礼します。
お茶とお菓子の交換に参りました。
お菓子はおはぎと揚げ煎餅になります。」
ルフィナが言う。
「うむ、ご苦労。」
「はい、ありがとう。」
エルヴィス爺さんと武雄が子供達に軽く会釈すると子供達が皆に配膳をし始める。
「うん?」
「うーん・・・」
「・・・」
「あー・・・」
ヴァレーリ、ブリアーニは出て来た物を見て不思議がり、グローリアは何事もなく、アンナローロが何かを察している。
「失礼しました。」
ルフィナ達が退出する。
「この黒いのは前に食べたが・・・横にあるのはビスケットではないようだし・・・」
「揚げたと言っていたけど、見た目は固そうね。」
「頂こう。」
「まずはおはぎからですね。」
ヴァレーリとブリアーニは興味深く見ているが、グローリアとアンナローロは食べ始める。
「・・・食べられない物は出しませんよ?」
武雄が苦笑しながら言う。
「そ、そうだな。
まずは食べないとな。」
「そうね。」
「固そうなのは米から作ったお菓子なんです。」
武雄の言葉にヴァレーリとブリアーニの動きが止まる。
「こ、米から菓子を?」
ブリアーニが武雄に顔をゆっくり向けながら聞く。
「はい、小麦からビスケット等のお菓子が出来るのですから米から出来ない訳はありませんからね。」
武雄はそう言いながらヴァレーリとブリアーニの前に紙を裏返しにして置く。
「「・・・」」
2人がジッと紙を見つめるのだった。
一方の精霊達の会談では。
「・・・どう?揚げ煎餅?」
「塩は今回は少なめに振りかけているので、お好みで追加をしてください。」
スーツ姿のコノハとパナがダハーカ、タローマティ 、ガミジンとお茶をしている。
ダハーカがバクバク食べている。
「ふむ・・・ダハーカ、美味しいですか?」
ガミジンがダハーカに聞くとダハーカの3つの顔がうんうんと連続で頷く。
「ほぉ、ダハーカが納得するなら体に悪そうですね。」
ガミジンが言う。
「それはそうだよ、塩と油と米粉だよ?
肥満まっしぐらのお菓子だよ!
でも、そういうのが美味しいんだよね~。」
コノハが言う。
「・・・美味しいです・・・」
タローマティがちょっと口にして感想を言う。
「うん?タロちゃん、どした?」
コノハが聞く。
「いえ・・・あの・・・こう言っては何ですが・・・私達、どちらかというと悪神でして。」
「知ってるよ?
タロちゃん、ダハちゃんはゾロアスター教でしょ?
ガミジンはソロモンの書籍だっけ?」
「そうですね。
私は知識欲の悪魔です。」
ガミジンが頷く。
「うん、で、タロちゃん何かあるの?」
「いえ・・・私達悪神は人々に畏怖されたり、嫌われたりしているのですが。
なぜ、こうもフレンドリーなので?」
「え?悪神、善神って欧州系だけでしょ?
日本神話には、そんな感じの敵対はないもん。
まぁ、貧乏やら不幸やらあるけど・・・皆、ご近所さん的な関係?
それに日本人は悪神、善神関係なく、気に入ったらグッズ化するし、木の枝1本でもお賽銭箱を置いてみると、すぐに神格化させちゃうし、他宗教から引っ張って来て日本仏教に取り込んじゃうよ?
七福神なんて海外勢ユニット組よ?
本国より定着してるんじゃない?ってくらい日本の中では知名度誇るし。」
コノハが言う。
「・・・日本神話と日本仏教は寛容過ぎなんですよ。」
タローマティが俯きながら言う。
「まぁまぁまぁ、タロちゃん、別に争ってもしょうがないって。
契約者達が楽しそうにしているのが一番だよ。
ほら、おはぎ食べて美味しいよ~。」
コノハがおはぎを勧める。
「うぅ、頂きます。」
タローマティが出されたお菓子をちょっとずつ食べるのだった。
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