第3305話 お客様が到着しました。(ラー油のレシピいりませんか?)
エルヴィス伯爵邸の玄関。
「「「「いらっしゃいませ、お客様。」」」」
子供達が横に並んでヴァレーリ達を出迎える。
「うむ、大きくなったな!」
ヴァレーリが子供達の礼を見ながら言う。
「はぁ・・・前も言いましたけど、1か月しか経ってないのに大きくなっていませんよ。」
武雄が呆れながら言う。
「新人は何でもそうだが、成長がわかるから楽しいな。
この子達も会う度に大きくなっているように見える。
良い事だ。」
ヴァレーリが言う。
「それはありがとうございます。
この子達にとってもお客様に褒めて頂けるのは嬉しいでしょう。」
武雄が言うと子供達が礼をする。
「ふふふ、良いんだよ。
我も嬉しいのさ。
な?カールラ?」
「はい、嬉しいですね。」
ヴァレーリとブリアーニが頷く。
「ヴァレーリ殿、ブリアーニ殿、グローリア殿、アンナローロ殿、お久しぶりでございます。」
アリスがヴァレーリ達に綺麗な礼をする。
「アリス殿、久しぶりだ。
今日もよろしく頼む。
それにしてもお腹が大きくなっているな。」
「はい、体調も問題がないようです。
来年の2月にはお出迎えの人数が増える予定です。」
「うむ、楽しみだな。
来年2月か、産まれたら連絡をくれ、友人として何か贈ろう。」
「あ、私も贈りますよ。」
「ありがとうございます。
ヴァレーリ殿、前回同様、昼食からと考えておりますが、よろしいでしょうか。」
「うむ、よろしく頼む。」
アリスの問いにヴァレーリが頷く。
「はい、では、まずは昼食をお願いします。
その後、我が祖父と夫と会談をお願いします。」
アリスが言い、食堂に向け歩き出すのだった。
・・
・
食堂に到着すると。
「ぎゅー。」
「きゅ。」
リーザ、クゥがちゃんと席に着いて、料理を待っている。
「おや?ビエラは居ないのか?
カレーには煩そうだが。」
ヴァレーリが聞いてくる。
「ビエラはエルヴィス家の次期当主の国内西方への旅の付き添いで不在中です。
私が王都に行った際に一緒に戻って来る予定です。」
「ほぉ、仕事をしに行っているのか。」
ヴァレーリが頷く。
「ビエラやリーザ、クゥはいるだけで安全度が高まりますから。
依頼されたんです。」
「まぁ、ドラゴンなら余程でない限り、魔物は襲ってはこないだろう。
ま、今は今日の昼食を楽しませて貰おう。」
ヴァレーリ達が席に着くのだった。
・・
・
今日の昼食は、ミニカレーにミニ3色丼、堅魚節の出汁のすまし汁に豆腐を小さくカットして入れた物にサラダが用意されていた。
「くぅーーー!美味いっ!」
ヴァレーリがモリモリ食べている。
「はぁ、カレー美味しいわぁ・・・」
ブリアーニが堪能しながら食べ。
「・・・仕事頑張ったご褒美ですよ、美味いなぁ。」
アンナローロが噛みしめながら食べている。
「うん、やはり、この味は素晴らしい。」
グローリアが頷く。
「ぎゅ♪」
「きゅ♪」
リーザとクゥも問題なくモリモリ食べている。
「ふむ・・・キタミザト殿、このオレンジ色の液体はなんだ?」
ヴァレーリがカレーで満足してから聞いてくる。
「それはラー油です。
といってもオリーブオイルからなので、風味的には少し足らないかと思いますけど。
私達としてはラー油としています。
トウガラシを使っているので、辛味を足すように用意しました。
一応、カレーとは別の3色丼のお肉にお好みでおかけください。」
武雄が言う。
「ふむふむ、辛味を足す・・・か。
まずはこのまま食べてみて・・・ふむ、この味か。
で、このラー油とやらを・・・お好みだが・・・少しかけてみるか。」
ヴァレーリがラー油を少し肉にかけて食べる。
「うん!?・・・なるほど、辛味か。」
ヴァレーリが驚いている。
「どう?ダニエラ。」
カールラが聞いてくる。
「なんというか・・・美味い!」
「それはここにある料理は美味しいけど・・・どんなふうに?
油なんでしょう?」
「そう、辛い油だ。
なんだが・・・ふーむ・・・これは、不思議だ。」
ヴァレーリが考えながら3色丼を見る。
「?・・・まぁ、私達も食べましょうか。」
「そうですね。」
ブリアーニとグローリアが食べ始める。
「美味し!・・・けど、なんでこんなに味が変わるの??」
「確かに美味しいが、味が変わったように感じるが・・・
キタミザト殿、このラー油というのは、オリーブオイルとトウガラシだけなのか?」
「はい、塩も砂糖も入っていません。
辛さを足す為に作りだしました。
今、試験販売に向けて料理のレシピを考えている最中です。
はい、では。」
武雄がヴァレーリとブリアーニの前に紙を伏せた状態で置く。
「「・・・」」
ヴァレーリとブリアーニが置かれた紙をジッと見ている。
顔からは表情が抜けている。
「ラー油の製造レシピです。」
「「・・・」」
「これが無くても作れるでしょうが、私共が作った製造方法としては一例です。
また、寒さが厳しくなりますから、トウガラシ関係は体温を上げるのに役立ちます。
それに獣人である子供達にも食べて貰いましたが、『少しなら食べられるので、後から足せるこのラー油は良いです』という感想でした。」
「「・・・買います・・・」」
ヴァレーリとブリアーニが顔を伏せながら紙に手を伸ばし、手で押さえながら呟くのだった。
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