第3290話 他領にある交通の要所について。(ラルフ、それは某有名な着せ替え人形の発想では?)
「そう言えば、主は地図の方を見ていたようですが?」
ヴィクターが聞いてくる。
「やましい事はしていますが、悪巧みはしていませんよ?」
「・・・どっちなのですか?」
「していません。」
「さようですか。
で、何を考えていたので?」
「いえ・・・第3皇子一家への街道ですけどね。
南町から進んで行くとゴドウィン伯爵領に一旦入って、そこから第3皇子一家領でしょう?
そこに3貴族領への街道の接点があります。」
武雄が地図を見ながら言う。
「エルヴィス伯爵領-ゴドウィン伯爵領街道とエルヴィス伯爵領-第3皇子一家領とゴドウィン伯爵領-第3皇子一家領の各街道が、交わる所ですね。
基本的にはゴドウィン伯爵領です。」
ヴィクターが言う。
「うん、エルヴィス伯爵領ではないから好き勝手は出来ないですね。
各街道には夕霧に依頼して、スライム達が監視をする事は決まっています。」
「監視ですか・・・そのような話に?」
「正確に言えば、第3皇子一家の屋敷まで、ゴドウィン伯爵邸までスライム専用通路が通じます。
現状では第3皇子一家の方は未整備ですが、エリカが居ますのでします。
その流れで街道の異変は察知が出来るでしょう。」
「なるほど。
で、何を問題視されているので?」
「3貴族領の街道が交わる交通の要衝に自分達の息がかかった商店や宿がありません。」
「他領でもありますし、現在の協力工房はこの街でする事が多い為、着手しておりませんね。
交通の要衝とはいえ、現状では、そこには村があるだけです。」
「だからこそ、今後の発展を考慮して、小さくても良いので宿等を入れておきたいのですが・・・」
「協力工房には宿をしている所はありませんので・・・何とも難しいですね。
現地の者で協力を仰ぐしかないのではないでしょうか?」
「たぶん、ジェシーさんがもう手を打っていると思うのですよね。
そこでこっちから声をかけるとジェシーさんに筒抜けになるような気がします。」
「ふむ・・・・やましい事はしないのですよね?」
「しませんよ。
ですが、顔見知りとはいえ、他領の者が声をかけて来たとなったら領主は面白くないでしょう。
それを防ぐのに出店という形でエルヴィス伯爵領の者を入れたいのですよね。
出店したからと何かをさせるつもりはないですが、私やエルヴィスさんが安心して泊まれる場所は必要だと思います、」
武雄が言う。
「・・・バーナード家やカーティス家のような、少々危ない所に声をかけますか?」
「うーん・・・向こうでイザコザがあっても他領であるならば私達は何も出来ませんからね。
目を付けられるような経歴を持つ者に出店させて良い物か・・・
それならイーリーさんの雑貨屋関係で向こうに出店する気が少しでもある者を紹介して貰いますかね。
少し大きな部屋を用意して貰えるようにすれば、エルヴィスさんを安心して泊められますかね?」
「現状では、それが一番ではないかと。
ついでにエルヴィス伯爵領からの輸送商隊の宿屋にもなって欲しいですね。」
「・・・第3皇子一家領に用意する魔王国の者がする事業と大して変わりない内容になりますかね。」
「あれは魔王国の者を引き受ける・・・まぁ規模や目的は別として、似ていると言えば似ていますか。
・・・とりあえず、その件は伯爵様と打ち合わせをして、決めなくてはならないかと思います。
その上で、私どもで動く必要があるのなら、動くとすれば良いかと。」
「わかりました。」
武雄が頷くのだった。
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ラルフの仕立て屋の奥の作業場。
ラルフと店員達が話をしていた。
「・・・今度はヌイグルミですか・・・デザインは私共がするとして、製作は雑貨系の職人さんですかね。
雑貨屋のイーリー様に協力者の紹介をお願いしないといけないでしょうね。」
「ペナントの製作は問題ないですが、ヌイグルミとなると・・・
勝手がわかりませんね。
工房は探すとして・・・仕入れ等々はこちらでさせて貰えれば、少しは安くなるでしょうか。」
店員達が言う。
「ふむ・・・ですが、もう契約を済ませてしまったので、するしかないのです。
とはいえ、皆さんからも言われているように工房を探し、依頼するという事になるでしょう。
私共がやらなければ、ヌイグルミの売れた際に材料の奪い合いが発生するかもしれません。
その調整が出来るような工房に依頼をしないといけないでしょう。」
ラルフが言う。
「で、店長、仕立て屋として何か良い事はあるのでしょうか?」
女性店員が聞いてくる。
「今の所、ないですね。
ですが・・・ミア様、精霊様方の服を作っているというのは、もしかしたらヌイグルミに反映出来るかもしれません。」
「えーっと・・・ミア様方の衣装をヌイグルミに反映させると?」
「現実はドラゴンや狼等は衣類を着る事はしなくても、そういう風に着替えさせられるヌイグルミにしても良いかもしれません。
着せ替え出来る商品は、私共が扱っている物を中心として出せば・・・子供の頃から私達の製品を認知させる事が出来、将来購入してくれるかもしれません。」
ラルフが言う。
「うーん・・・店長、もう少し話し合いましょう。
なんとなくですが、店長が言っている事は重要な気がします。
今回のヌイグルミとは別にそういった人形と玩具を作るのも良いかもしれません。」
店員が言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
皆様、本年もありがとうございました。
毎年の如く、年末の挨拶は日数の進み具合の反省の弁から書かせて頂きます。
去年の反省の結果は・・・うん、努力はしました(笑)
すみません、作者なりに頑張ったのです。
そして懲りもせずまた言います、努力しますと!
来年もよろしくお願いします。
さて、今年の総括といえば、日本も某大国も欧州も選挙が多かったですね。
結果うんぬんは個人の見解になりますので何も言いません。
政治、戦争、経済・・・情報という物をどう集めるか、どう見るかというのを考えさせられたように思います。
選挙結果を見ながら作者は、昔、某国の賞を取ったアフリカの飢餓の現状を訴える写真がとても論争になった事を思い出しました。
私がその写真を見て思ったのは、『確かに現状を伝えるのに凄くインパクトがある写真だ』と思ったのと同時に『写真は周囲から見たら一コマに過ぎない、10m下がった所から撮ったら、また違った意味合いになるのでは?』・・・そう思わされましたのを思い出しました。
情報の真贋をしっかりと見極めろと言う方が居ます。
それは正しいとは思います。
私は全てが正しく、全てが嘘である可能性があるという認識を持って見る事が、最初の触れ方として正しいのではないだろうかと思っています。
情報を発信する者は何かしらの意図がある事を認識し、あとは自身で蓄えた知識、論理観、世界観等々を鑑みて、自身の考えを信じるしかないのでしょう。
そう、自分が信じる物しか信じられないのです、難しいですね。
来年も国際情勢も国内情勢も動くのだろうと思いますが、色んな情報を見て、自分なりに考えて行こうと思います。
今年も誤字脱字が多い文章になってしまって申し訳ありませんでした。
来年も引き続き誤字脱字のご指摘や道具の使い方等の知識の偏りで迷惑をかけたりするかもしれませんが、当作品を楽しんで頂けたらと思っています。
皆様が来年もご健勝で過ごされるようお祈り申し上げます。
2024.12.31 ゼロ竹




