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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョン外交

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77/2218

落とし穴4掘:夜食の定番

俺は悪くねぇ!!


飯テロなので、ご注意を。

近場にあるといいね。

夜食の定番





side:カヤ



「……小腹が空いた」


現在の時刻22時。

晩御飯は19時に食べて、もうすぐ寝ようかという微妙な時間。

でも、少しお腹が空いているそんな状態。


「…お菓子っていう気分じゃない」


自分の部屋には多少のお菓子のストックが置いてある。

ポテチとかチョコとか飴とか…まあ、仕事中にも食べるけどね。

書類仕事やってると甘いものが無性に食べたくなる。

あれだ、仕事中食べてるから、多分飽きてるんだと思う。

しかし、私も贅沢になったものだ。

甘いモノに飽きたなんて。


「……しかし、欲求には勝てない」


私はふらふらと自室からでて、旅館の台所へ向かう。

この代表住宅の旅館となっているが、もう私達にとっては自分の家だ。

まだ空き部屋とかはあるが、もう大体間取りは把握している。


今向かっている台所だが、基本はアスリンとフィーリア、ラビリス、ユキが主に料理を作っている。

私達も料理は出来ない事はないが、正直、アスリンやユキのご飯の方が美味しい。

世の中適材適所という奴だ。

というわけだ、自分で作れないこともない。

そして大抵、お味噌汁とご飯はある。

適当におにぎりと海苔とかでいいかな?


「お?」

「ん?」

「ほぇ?」


台所への曲がり角で、デリーユ、リエルと出くわす。

なんとなく、二人も小腹が空いたのだろうと思うのだが……。


「……」

「……」

「……」


なぜか沈黙する。

うん、なにか自分から言い出しずらい空気ってやつ。


「おや、三人とも何をやってるんですか?」

「私達と同じじゃない?」

「ああ、良い匂いですもんね」


別の方向からラッツ、エリス、トーリがやってくる。


「…そうそう。妾も小腹が空いての」

「…僕も」

「…私も」

「なに、牽制しあってるんですか?」


仕方ない、そう言う空気になったのよ。


「と言ってもこの人数ですからね。いっそしっかり作っちゃいますか?」

「そうじゃのー、これで各自で作っても時間かかるしのう」

「皆は何食べるつもりだったの?」

「…冷蔵庫見てから」

「私もです」

「いい匂いをたどってきたんじゃないんですか?」


トーリだけがなにか違うようだ。


「…いい匂いって? 私はよくわからない」

「私も分かりませんね」

「妾もじゃ」

「まあ、トーリは狼人族ですから嗅覚が鋭いんじゃないんですか?」

「じゃ、台所で誰かが何か作ってるかもね。それを僕は分けてもらおうっと」


そうわいわい喋りながら、台所へ入ると……。


「あら? 貴方達も呼ばれたの?」

「どうも皆さん」


中には、セラリア様とエルジュ様がいた。

あと、護衛のオリエルとクアルも。


「呼ばれた? どういう事でしょうか? 私達は…」


ラッツがセラリア様の質問に答ええようとすると……。


「あー、みんなこっちです!!」

「兄様もお待ちですよー!!」

「…準備できたわ。って全員いるじゃない」


そこに、台所の変な扉からちびっこ三人組が出て来た。


「…まあいいわ。ユキも喜ぶでしょう。こっちにきて」


ラビリスがその変な扉の奥に消えていく。

私達もそれに続くと、中には酒屋みたいなカウンターとテーブルが数個置かれている部屋があった。

……あと、なんか獣臭い。

けど、食欲をそそられる?


「おお、来たかセラリア…ってみんな勢ぞろいだな。台所って事は、小腹でも空いたか?」


ユキがあっさり、私達の心情を言い当てる。


「大当たりです。で、何ですかこの香りは?」

「まあ、それはカウンターに座ってからだな」

「美味しいんですよー!!」

「兄様がまた頑張ってました!!」

「…変に凝るのよねユキって」


とりあえず、言われた通りそのカウンターにみんな座る。


「まあ、多いがこの前と同じ失敗はしない!! ラーメンてのはスープを入れて麺を湯がくだけだからな!!」


ユキはそんな事をいって素早い動きで、なんか色々やっている。


「ほい、お待ち。豚骨ラーメンだ。トッピングはネギとチャーシューだけな」

「え、コレってラーメンですか?」

「えーと、カップラーメンってやつ?」

「ああ、お湯入れて作る?」

「なんで、わざわざ手間かけて作るの?」


皆いう通り、ユキがわざわざラーメンを手作りする理由が分からない。

簡単に美味しいカップラーメンがあるのに……。


「えーい黙らっしゃい!! カップとは違うのカップとは!! 生の味を喰らうがよい!!」


なにが違うのだろう?

どれも同じラーメンじゃ……。


ずずっ。


そんな音が響く。


「っつ!?」

「なんと」

「わぁ」

「…美味しいわ」

「へえ、こういう食べ物もあるのね」

「新鮮ですね。ちぃ姉さま」


美味しい。

けど、カップとは違う別のおいしさ。

何だろう、手作りだからか?

でも、手は止まらない。

私は箸を動かして食べる。


あ、フォークを使ってるのは半数以下。

ユキが使ってるのをみて皆便利そうに感じて練習して、使える様になってる。


「さて、スープは飲むな。ここから本番だ」

「へ?」


ユキの発言にみんながスープを飲むのを止める。

何でだろう、麺がなくなればもう終わりなのに。


「はいよ。替え玉、堅麺!!」


そういって、ゆでた麺を皆のスープだけの器に放り込んでいく。


「これはっ…ラーメンの御代わり!?」


ラッツが驚いたように目を丸くする。

ああ、そうか、これでまた食べられるのか。


「ふふふ…どうだ凄いだろう?」

「流石お兄さん。しかし、甘い!! 新しくゆでた麺は水分を含んでいる!! それでスープが薄くなっては味が落ちる!! それでは本当の美味しさはでませんよ!!」


なるほど、ラッツの言う通りだ。

少し薄くなった気がする。


「甘いのはラッツだ!! そこのラーメン醤油ってのがあるだろう。それを自分の思う量いれてみな」


ユキが言った通り、カウンターの奥に均等間隔で何か置いてある。

これかな、ラーメン醤油って?

自分が思うまま入れて、そして食べてみる。


「あ、味が濃ゆくなってる」

「ぬぐっ、しかし、これではお兄さんが出したラーメンの味とは違うのでは?」

「そこが甘い。いいか、替え玉というのは、替え玉してからが本番だ。どの程度味が薄くなるか、そして食べている側がどのような調整をするか、それがこのラーメンの醍醐味だ!!」

「なんと!? 相手に味付けを任せると!?」

「ああ、まあスープの基本は決まってるから、そこから変な逸脱はしないけどな。目の前に胡麻とか胡椒とかもあるだろう? それで色々自分でトッピングするのも醍醐味なんだよ」


ラッツとユキは話し込んでるけど、そんな事はどうでもいい。

美味しい。


「替え玉」

「はいよ」

「こっちも」

「へいへい」


そんな感じで私達は替え玉をして……。



「お腹いっぱい……」

「小腹満たすだけのはずが……」


そんな感じで、みんなカウンターで突っ伏していた。


「そう言えばミリーは? お兄さん知りませんか? 彼女がこんな食のイベントに出ないなんて……」


そういえばミリーがいない。どうしたんだろう?


「あ、気を付けろ。替え玉ってなお腹壊しやすいんだ。ミリーも食べ過ぎて、トイレと仲良くやってるだろうよ」


ああ、もう来てたのね。


ギュルルル……。



お腹…いたい。

とりあえず。本場九州は博多の替え玉発祥の元祖長浜のお話をば。

あそこは、特に美味しくありません。

けど、時間帯によってスープの味が変わります。

そして、替え玉ですが、他県では「ハリガネ」って言い方をしますが長浜では聞きませんね。


福岡の替え玉は基本

生>バリ堅>堅>普通 です。

多分バリ堅がハリガネじゃねーかなと思う。


とりあえず、ラーメン食ってきます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 福岡に3年住んでラーメン食いまくったけど、地元民でバリ堅注文する人めったに見なかったけどなぁ。 大体堅め。 待つのが嫌でラーメンと替え玉同時に頼んで、ある程度のびるの計算して替え玉をバリ堅で…
[一言] ゑ?ラーメンの硬さと言えばやわめんと粉落としじゃなかったのか?
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