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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョン外交

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落とし穴3掘:仕事の後の一杯

今後「落とし穴」シリーズは一度、一番下に投稿して、次の更新に閑話に移動します。

そうすれば、読み飛ばしないよね?

仕事の後の一杯






side:ミリー



「ぷはぁ~!!」


いやー、仕事の後の、お風呂の後のビールは堪らない!!

今日もよく働きました!!

これは頑張った私へのご褒美です!!

恵比○ビール!!


「しかし、本当に美味しそうに飲みますね~」


ラッツは、のんびりビールを飲みながらそう言ってくる。

お互い風呂上りでバスタオルで体を隠しただけの恰好だったりする。


「僕はどうも、そのシュワシュワな感触が苦手なんだよね」

「私も、日本酒の方がいいわ」


リエルとカヤはすでに浴衣に着替えているが、お互い日本酒を飲んでのんびりしている。


「私はワインがいいと思うわ。特に白」

「私もワイン派ですね。じゃ赤で」


エリスがワインと宣言すると、トーリもワイン派を宣言。


「いや、皆の言ってる事はわかるわよ? どんなお酒も美味しいから。でも、お風呂上りはビールよビール!!」


こればかりは譲れない。


「それも趣味の範囲ですかね。流石のミリーもウィスキーは飲まないですよね」

「そりゃ、前にウィスキー飲んですぐに潰れちゃったからね」


そう、ウィスキーとか度の高いのもいいんだけど、体が暖まってると、酔いが回りやすいみたいで、少し飲んだだけで爆睡してしまったのだ。

悔しいことにその時、ユキさんに抱いて布団まで運んでもらったらしい、覚えてない……。


「そういえば、ユキさんは?」

「いや、女湯に顔出すほど、常識知らずじゃないですよ?」


エリスが素早くツッコむ。


「そりゃ、分かりますが、基本ここのメンバーで裸見られて嫌な人います?」


ラッツがそう言うと誰も返事をしない。

そりゃ、むしろ見て欲しいし?

そのまま性欲に負けて欲しいぐらい。


「と、そんな話じゃなくて、今何してるのかなーって」

「ああ、それなら。晩御飯が終わったあと、アスリン達と片付けをして、もうこの時間ですからね……」


そういって、エリスが時計を見る。

現在11時。


「もう、お休みの時間か」

「ですね。ラビリスはともかく、アスリンとフィーリアはもう起きてるのは限界でしょう」

「お兄さんはあの二人を大事にしてますからね。まあ、私達もですが」


その通り、この忙しくなったダンジョンの日々であの二人の笑顔が色々と嬉しいものだ。

そして、これから私達のような不幸な目に合ってほしくない、これからもどうか幸せに。

いや、違うか。

ユキさんは、私達に代表という重荷を背負わせた。

アスリンとフィーリアもきっと近いか遠いかわからないけど、代表として色々あるのだろう。

ユキさん的には、罪滅ぼしかな?

そんなこと、ユキさんの為なら二人とも喜んでやるのにね。


少し、沈黙が続く。

ちびちびとグラスにあるお酒を飲むだけの時間。

これはこれで、いい時間。


「しかし、あれですね。お酒は美味しいですが、つまみでもあればまた違うのでしょうが」


ラッツが不意にそう口を開く。


「そうねー。こういう時、美味しいお酒に合う食べ物があればなおさらよね」

「でも、晩御飯食べましたよ?」

「それは別腹ってやつだよエリス」


私が同意すると、エリスが反論して、リエルが問題無しという。

まあ、私もお酒のお供は別腹だわ。


「おーい。皆風呂から上がってるか?」


女湯の脱衣所の外からユキさんの声が聞こえる。


「はーい。上がってますよお兄さん。なんですか? 一緒に入りたいのなら、ご一緒しますよ?」

「いやいや、上がって中々出てこないから、ちょっと様子を見にな」

「あ、ごめんなさい。ここで一杯やってます」

「なるほど、予想通りか。皆、裸じゃないよな?」

「はい、皆大丈夫です」

「なら、お邪魔するぞ」


そう言って、ユキさんが入ってくる。


香ばしい匂いと共に。

くっ!?

なに、このいい匂いは!?


お酒のお供に合いそうないい香りは!!!


「ふふふ、俺の故郷、日本では酒のお供には定番がある。それが、コレだ!!」


脱衣所に設けられている小さ目のテーブルに、四角い焼き物の皿が数個置かれる。

その上には、なんだろう?

いい香りがする、串に刺さった肉が並べられている。

でも大きくはない。一口でいけそうな形。


「この名を『焼き鳥』という!! 代表は鳥皮!! そしてモモ!!」


ずずいっと二つの皿を押し出してくる。

どちらも何か変なソースが半分かかっている。


「これは、タレだ。まあ酒の基本は塩なんだが、こっちも味見してみろ」


全員、疑いもなくその焼き鳥に手を伸ばす。


「「「っつ!!?」」」


お、美味しい!?

いや、普通なら味が濃ゆい。

だが、お酒があるからこその味の濃ゆさ!!

お酒が進む。

喉を鳴らしながら、お酒を飲む。

全員あっという間に4本を平らげる。


「次は砂ずり。コリコリしてていけるぞ。これは塩だけだが、まあ許せ」


これも、美味い!!


「ささみ、レバー、つくね、ねぎま、烏賊焼き、ししゃも!!」


鳥以外も混ざってる気がしますが、美味しいから別にいいです。

皆の疑問を口に出す前に、焼き鳥を口に運んでいきます。


ガツガツ、ゴクゴク、パクパク、ングング!!


美味い、焼き鳥もお酒も!!



「ぷはー、美味しかったです」

「本当にいいものですね」


皆そんな感じで、空になった皿を見つめて、さらにお酒を流し込んでいく。


「なっはっは。お酒には焼き鳥が合うだろう」

「ええ」

「素晴らしい、食文化ですね。お兄さんの故郷は」

「ま、俺は片付けして寝るけどな。みんな飲みすぎてお腹ポッコリになるなよ」


ユキさんがその言葉を吐いて、去っていきます。


「「「……」」」


全員がお互いのお腹を見ます。

そういえば、ここに来てから食べる物に困るどころか、毎日腹一杯食べて、酒飲んで寝てます。


「…大丈夫。僕運動してるし」


リエルがそう言って、お酒をまた飲みます。


「それなら、私もいいかな」

「…私も」


トーリとカヤ、ロードワーク派はそのまま飲み続けます。


「……私、食べても太らないですし」

「こぉら!? 裏切りもの!!」


エリスが言ってはイケナイ事を言ったので制裁を喰らわす為に飛びかかる。


「ま、私は今後、ベットの上で運動を沢山する予定なので問題無しです」


ラッツはそう言って飲む。



そうやって、結局全員飲み続けるのでした。

さて、二度目のメシテロだ!!

どうだ!!

焼き鳥食いたくなっただろう!!


いいか、好きな焼き鳥の種類とかいうなよ!!


そして、俺は悪くねぇ!!

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