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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョン外交

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73/2218

第66掘:おかねちょうだい?

昨日の「落とし穴1掘:寿司くぃね!!」にて数多のコメントがありました。

それに一つ一つコメントを返すのは、めんどい…というか好きなネタの宣言だったので割愛させていただきます。

しっかり感想書いてくれた人はごめんよ。

今回のお話で書いてくれ、そしたらきっと返信できるから。

おかねちょうだい?






side:ユキ  本名:カズヤ・トリノ



「では、そうね週に400人~500人の受け入れ態勢ということでいいかしら?」

「はい、そのようにお願いいたします。選別の方は先ほどの通り……」

「はい、私とデストが仲介役をこなしましょう」


まあ、こんな感じでお昼休み後、今後の予定を詰めている。

あ、リテアが攻めてくるんじゃないかって?

ぬふふ、その心配は無用。

リテアからこのダンジョンへ直接繋がっているわけじゃない。

リテアに馬車で移動している間、野宿の隙を狙って、適当に中継地点のダンジョンを形成。

このダンジョンはその場所から入れない仕様になっている。

ゲートを通じて、俺のダンジョンとリテアの大聖堂ダンジョンと繋がっている。

尚、ダンジョンからリテアは無条件ですが、逆は俺か代表、それかあるアイテムを持たないとゲートが開かない。

なので、リテアがとち狂って攻めてきても、中継地点ダンジョンでサヨナラってわけ。

けど、ダンジョンのフィールド効果で魔力・スキルの放出封じがかかってるから、ほとんど問題ナッシング。

ブラッドミノタウロスっていう、旧ダンジョンでは、お掃除屋さんしててくれた魔物をリーダーに、オークアーミーがその中継地点で警備している。

まあ、彼等も暇なんで普段は畑仕事をそのダンジョンでしているらしい。

いや、トマトとかあげたら喜んでさ、種あげたら育て始めたのよ。

オークはきゅうりが気に入ったらしい、頭の上に皿とかできないだろうな。


こんな感じの穏やかな四方4kmと小さな農園とゲートがあるダンジョン。

いつか、このダンジョンを美味い野菜で埋め尽くすんだ!! って配下たちは息巻いている。

なんとも素晴らしい農業魂か、お前等基本肉食だよな? 野菜もいけるのか、雑食か!!

あ、畑を耕すようにダンゴムシ改も行ってる。ここでもダンゴムシ改は大活躍!!

そういえば、ブラッドミノタウロスの名を「ミノちゃん」オークアーミーリーダーを「ジョン」という。

魔物の命名はすべてアスリン。

名前が付くからって強くなるわけでもないのだが、アスリンが名前がないと寂しいよというので、アスリンに任せたらそうなった。

因みに、今の配下の魔物は全員アスリンから名前をもらっている。

俺は覚えとらん。なにせ1000匹以上だからな。

よく覚えているよな。アスリンってモンスターテイマーの才能あるんじゃねーか?


名前で思い出したが「ネームドモンスター」っていう名前付きの魔物は強いって話をモーブ達に聞いたが、アスリンを見て逆だと思った。

つまり「名前があるから強い」のではなく「強いから名前が付いた」のだ。

だってブラッドミノタウロスの奴は俺が呼んだ時にすでにレベル96で名前をもっていてもおかしくない強さだったのになかった。

そして、アスリンが「ミノちゃん」って言った瞬間に名前がステータスに加わったので、魔物本人が承諾した時点でつくんじゃねーかと思う。


……しかし、暇だ。


「……では、今度は資金の援助についてですが、1万人もの受け入れを行うのです。生半可な額ではすみません。セラリア様が来られた時でさえ400枚の白金貨を運営資金にいただきました。355人でです。しかもこの額では、全員分の居住区を整えることもできません。ですので、最低2万枚の白金貨をいただきたい」

「ちょっと待ってください!? そんな額は用意できません!! 年間の国家予算の10分の1はあります。そんな額を……」

「あら、アルシュテール。反対派なんて、無視してしまいなさいな。ロシュールとガルツ同時に相手をしたいのかしら?」

「セラリア様…流石にその額は、戦争してでもやるべきではないと主張するものが絶対に出てきます。それはセラリア様の望む所ではないでしょう?」

「はぁ、別にどうなろうと構わないわよ。こっちは民を飢えさせない最低案を模索してるのに、できません、無理です。なんて言われれば、もうこのダンジョンから一気にリテアつぶしてもいいのよ? 丁度大聖堂の真下にあるらしいし、一気に制圧してあげましょうか? アルシュテール、貴女勘違いしてるわね。ここで貴女ができるのは、どうやってリテアを納得させるかを考えるだけよ」

「っ……」

「リテアを納得させられれば、問題なく今後も過ごせる。受け入れられないのであれば、もうその地位やリテアに意味はないわ」


こんな感じで、表だった代表はセラリアなので交渉は任せて、俺は話を聞いて船を漕いでいるのだが、セラリアガンガン攻めてるな。

アルシュテールは必死に抵抗してるけど、今のアルシュテールに立場など意味がない。

エルジュの件を盾にされれば諸外国が一斉に敵になる。

そして、セラリアの言う通り、このダンジョンからリテアをあっさり落とせるのだ。

まあ、実際要求としては無理があるけどな。

だって、今まで放っておいた難民をいまさら救済、そして他国に輸送。

そして、援助や支援の為に2万もの白金貨を輸出。

アルシュテールはこのダンジョンやら、エルジュの件の二重の意味で頷くしかないが、この場所を実際に見ていない、リテアの上層部は納得しないだろうな。

さて、落としどころを持ってくるか。


「…ふむふむ、セラリア。流石にいきなりはリテア上層部は納得しないだろう。だからこちらの要求を呑むのが妥当か、見極める時間をあげたらどうかな?」

「な、セラリア様を呼び捨て!? 無礼者!!」

「無礼者はそっちよアルシュテール。夫が妻を呼び捨てにしてなんの問題があるのかしら?」

「お、夫!?」


あ、そうか、キユはそっちでニヤニヤしてこっちみてるし、アルシュテールにとっては本物の俺は初めてなのか。

すっかり忘れてたぜ。


「これは失礼しました。私がセラリアの…婚約者を…」

「夫」

「…夫を努めています。ユキと言います」

「え、ユキさんと同じ名前?」

「いえ、彼の本名はキユと申しまして、私の腹違いの弟ですよ。今回は事が事でしたのでうちの最高戦力に出てもらいました。名前につきましては、安全の為ですね」


うん、すらすら嘘が出てくるのはいかがなもんか?

キユはステータスではそれなりに強いが、このダンジョンでは精々10本指に入ればいい方だ。

一々、こちらの手札を明かすわけにもいかないからな。


「と、私の説明がまだでしたね。時間というのは、リテア上層部を納得させる時間ではございません」

「……どういう事ですか?」

「そうですね。今まで放っておいたものを、いまさら救い上げる為に大金を使うなぞ、上層部は納得しないでしょう。そして、納得させようにも、証言はアルシュテール様からのセラリアから聞いた話のみ」

「その通りです」

「ですので納得できない反対派にこう言ってはどうでしょうか? 「私はセラリア様と交渉することにした。反対派は期日までにダンジョンを攻略すればよい」と」

「へぇ、いい案ね。私はついでにリテアの屑共を斬れるってわけね?」

「そ、それは…」

「こうすれば、納得できない反対派は全滅するか、生き残りがいてもこちらと事を構えることの無謀さに気が付くでしょう。これで晴れて援助は決まり、軍事費における人件費も削減でき、素晴らしいと思いませんか?」

「わ、私がリテアで拘束されるような事があれば、その話はなかった事に…」

「それは、キユを護衛につけますので何も問題ないかと。キユどうだったリテアの人材は?」

「んー、見た感じ僕程の人はいなかったよ。そこのデリーユさんなんて論外だしね。勿論兄さんも」

「ちょっ!? キユさんが最高戦力ではなかったのですか!?」

「いえ、最高戦力ですよ? でも最高クラスが一人しかいないとは言ってませんが?」

「ふふふ……アルシュテール。私の夫相手に駆け引きなんてやめなさいな。今の所リテアに不利な状況しかないけど、色々得もあるんでしょう?」

「ありゃ、ばれたか」

「どういうことですか?」

「それは、ルルアと一緒にいるコヴィルだな」

「ふえ、あたし?」

「いや、クッキーとコーラがぶ飲みしてるコヴィル本人じゃなくて種族な」

「妖精族!?」


アルシュテールは俺が言いたい事に気が付いたようだ。


「そういう事だ、ルルアを通じて妖精族との交流。つまり、このゲートがあれば簡単に妖精族の商品が手に入るというわけだ。無論、このダンジョンで見た品物も輸出してもいい」

「なるほど、人が悪いですね。最初にこちらを言っていただければ良かったものを……」

「勘違いしてもらっても困るからな。こっちが立場が上ということと、戦力的にもそちらを押しつぶしてもいいという所を見せたいんだよ」

「……なぜですか?」

「セラリアも言ったけどな、ここは住人が住人たちの為に生きてる場所だ。そこに変な思考を持った馬鹿がきて荒れるのを防がないといけない。無血で交渉が通ったら、こっちの実力をしらん馬鹿がこちらへ見学にきて問題を起こす確率が非常に高い」

「……それは、血を流せばおさまると?」

「無血より確実に減るだろうな。こちらの法を守らないとこうなるという見せしめがあるからな。ま、先行投資と思え。無血でやれば不満を持ってリテアでまた政争になったり、こちらと交流断絶になる可能性が高い。だから、アルシュテールの判断が間違っていなかったと知らしめる為にも、今後の流れる血を減らすためにも必要な事だ」

「そのために、兵士に死ねと」

「それをなるべく減らすのがそっちの仕事だ。こちらに挑んでくる馬鹿が減るように上手く説得することだな」

「……わかりました」


アルシュテールは悔しそうにつぶやく。

世の中、身に沁みないと分からない事って多いのよ?


この後はもうほとんどアルシュテールがどのように、上層部と話していくかが議論された。

まあ、上手く犠牲が減るといいね。

こっちとしては見せしめが減るから多少は不満なんだけどね。

さあて、落とし穴でも準備しますかねー。


あ、あのダンジョン畑があったな…踏み荒らされないことを祈ろう…。

というわけで、次回は久々にダンジョンで戦闘が行われます。

さあ、カーニバルの始まりだ!!

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