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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョン出張

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68/2218

第61掘:ダンジョン制作開始

ダンジョン制作開始






side:トーリ



ロシュール国からの移住者がきて7日程経ちました。

人が多い分、トラブルはありましたが、今の所、私達に対する非難はありませんでした。

トラブルといえば、訓練所での物資の奪い合いですね。

本人達の主張は、どっちも自分の物だといって、色付きのペンを取り合っていました。

結果は、第三者の物。

馬鹿ですか、とりあえず二人とも反省室へ移動。

罰として、当分トイレ掃除です。


細々としたところは、色々ありましたが、洗濯所が狭いので、分担して誰かがまとめて洗濯したり、トイレが朝並ぶので、注意を促したり。

妖精族のみなさんと同じように、渡したお金をさっさと使い尽くして、要求する馬鹿な人もいました。

あ、脅してお金を奪い取るという行為は、奴隷の首輪でできないように命令してあります。

こういう便利な使い方もできるんですねー。


まあ、そんな感じで総勢355名。

その内の30名が私の警察に配属されました。

お試し期間ですが、ちゃんと説明を受けてこの場所を選んだんですから、頑張ってくれると嬉しいです。

前任者の妖精族の方もいるので、実務や指導に関しては、慣れないところはあれど問題なくやれています。

リエルの訓練所警備にも人数を割かなくてはいけませんが、なんとかやれる人数です。

私は一応、警察の代表なので、夜勤とのローテーション表を作っていたり、給与の計算を部下にお願いしたり、必要な備品の確認とか、色々事務仕事が大変です。

その分、リエルには、訓練所警備以外にも手伝ってもらっていますが、カヤについては農地のお仕事が忙しいので、まだこっちに来てもらうわけにもいきません。


「人が増えて一気にやることが増えましたね。警備箇所も、本格的に街が稼働してきたと想定して、住人が移動する地区はもう置いていますし、今の所はしっかり報告書をまとめないといけないですね」


今後の事を考えつつも、今日も書類仕事をかたづけていくと、気が付けばお昼を回っていました。


「おーい、トーリ。今日は皆でお昼を食べようって言ってたから一緒に行こうよ」


リエルが部屋にとびこんできました。

そういえば、リエルの言う通り今日は代表メンバーでお昼を食べて、そのまま会議でしたっけ?


「ちょっと、まってね。あとこれだけだから」


私はそう言って、本日最後の書類をかたずけます。


「じゃ、今日は代表の皆と食事のあと、そのまま会議なんで、皆は仕事が終わり次第ちゃんと帰ってくださいね。夜勤の人との入れ替わりはしっかり確認を。何か問題があれば……」


他に机で仕事を続けている、警察の皆に声をかけて出ていく。


「いやー、警察署長もたいへんだねー」

「なに言ってるのよ。リエルだって副署長なんだから、ちゃんと書類仕事やってるでしょ?」

「僕はトーリやユキさんが用意した書類に書き込むだけだからなー。トーリ程じゃないよ」


そんな雑談をリエルとしながら、旅館に到着します。


「おお、二人とも来ましたね」

「こっちですよ」

「はぁ~、キナにこの場所ばれたら私糾弾されるわ」

「ふぅ、いいお湯だった。あ、トーリにリエル来たのね」


そうやって代表の皆と話をしながら席につく。

今まで過ごしてきて、何というか自分達の位置が各々で決まっている。


「はーい、皆さんお待たせしましたー!!」

「アスリンゆっくりね」

「兄様、兄様!!」

「はいはい、俺はちゃんとついてきてるぞ」

「…ユキ、私にもなにか言って?」

「何を言えと?」

「…愛してるとか?」

「それぐらいは言いなさいな。私の夫として、女性の扱いぐらい慣れて貰わないと」

「…セラリアの言う通り」

「なんだ、所構わず女引っかけろって話か?」


ユキさんはそう言ったあと、セラリア様とラビリスに頬をつねられたり、足をけられたりしてました。

だけど、傍から見ていると、子供を連れている親子のように見えます。


「さて、今日は昼からちょっと重いが、ステーキだ、霜降りのな」


ユキさんがそう言って皆の前に、ステーキを並べます。

今までなんどか、ステーキを食べましたが、これはこの大陸のステーキとはわけが違います。

ふんだんに香辛料を使って下味をつけて、ソースも抜群。

堪りません!! そんな素晴らしい美味しさです!!

しかも霜降りです!! 固くないんです!! 柔らかいんです、溶けるんです!!

分かりますか? そんなお肉が存在するんですよ!!


そして、一緒につく白いご飯。どんな食べ物にもあう、万能食品!!

炒めてもよし、ソースに絡めてもよし、こんな風に、味の濃いもの口直しにもよし!!

このダンジョンには食の極みが揃っているんです!!


というわけで、出されたものをガツガツと食べてしまいました。

ああ、幸せ。

そして、脂っこいものや、しつこいものの後には緑茶という渋いお茶を飲んで一息。

贅沢ですね~。


「いや~、しかしいつもながら美味しいですね。ここのご飯は。外で暮らしていく自信がありませんよ。と、でお兄さん。なんでこんな晩御飯に振る舞うようなものをお昼に?」


ラッツが呆けている私の代わりに、大事な所を質問してくれました。


「そりゃ、今日は晩御飯抜きになる人が多いだろうから、多めの昼ご飯にしたんだよ」

「どういうことですか? なにか仕事でも?」

「おう、ミリーの冒険者区画が、今回の人員分けで本格的に動き始めた。だが、一番大事なものが抜けている。なあミリー?」

「はい、冒険者を引き寄せる為のダンジョンがありません。なので、皆さんには申し訳ないですが、いつかの会議で言っていたように、ダンジョンを作って貰いたいのです。無論、今日明日の話ではありませんが、早目にできればそれに越したことはないのです。エリスとラッツには悪いけど、私はギルドのメンバーと一緒に訓練用ダンジョンを作ることになったの。そっちは二人でお願いね?」

「なるほど、そういうことですか。このダンジョンの目玉を作るわけですね。ミリーの話は分かりました。私達は二人で問題ないですよ」

「ええ、ミリーは頑張って仕事お願い」

「ありがとう」


なるほど、私達もDPを扱って色々するのに慣れてきましたし、それを使ってダンジョンも作ってしまおうという話ですね。

これは、結構弄り出すと楽しいですから、ご飯を食べることも忘れそうです。


「ま、そういうことだ。コールを通じて一応、晩御飯の連絡はするが、忙しいなら断ってくれて構わない。だけど22時までにはここに戻って来いよ。そうしないと俺が自ら強制連行だ。明日の仕事に支障をきたしても困るからな」

「…強制…ね」

「…お姫様抱っこかしら?」

「…お兄さんの強制ですか…むしろご褒美なのですが、私にとっては…」


なにやら、ぶつぶつとセラリア様、ラビリス、ラッツは言っていますが、ほっといておきましょう。

それよりも聞かないといけない事があります。


「ユキさんいいですか? 私達がお互い適当に作ると広さとかぶつかってしまうんですが…」

「「「あ」」」


皆気がついてなかったのか、私が言った発言で目を丸くしています。


「それももちろん考えてある。そこはミリーから、説明してもらう」

「はい、今回ダンジョンを多数作ることに対しまして、トーリの言ったように場所の問題がでてきます。それはギルドと協議した結果、一個あたり、中ダンジョン規模でお願いします。具体的な距離は四方2kmですね。ダンジョンを作るのはチームで、前と同じですね。一応この紙に注意事項やメンバーを書いていますので目を通してください」


そういって、全員にダンジョン作成についての注意事項が配られます。


「あ、今回のダンジョン制作にあたって、冒険者区から壁をさらに四方20km拡大した。そこの足元に各々作ってくれ。場所は一応モーブやセラリアと追加を入れて8か所だ。どの場所を取るかは、皆で話し合ってくれ。場所が決まれば転移陣は用意してるからそこで作業を開始な」

「ん? ああ、冒険者にもその転移陣を使わせるのですね。いくらなんでも20kmの範囲歩けとか、きつすぎますよね」

「ラッツの言う通りですが、それは、そのダンジョンを見つけた人に限ります。最初は、自分の足で探してもらうようにしようと、ギルドではなっています」

「んー、選別ってやつですか?」

「はい、最初からこちらが案内してると、舐めてかかって死人が多くなると考えました。無論、その…ダンジョン区とでも言いましょうか、そこの魔物には私達指定保護以外の、人を迎撃するように指示してあります。無論、死にます」

「たどり着けないのなら、元よりダンジョンに挑む資格無しって感じですかね?」

「はい」


なるほど、流石ミリー。そこまで深く考えてなかった。案内すれば問題ないかとおもっていました。

でも、実力のない人に高レベルのダンジョンに潜って貰っても困る。

そういうことを考えると、いい案だと思います。


「と、すいません。私達ギルドが作るダンジョンの場所ですが、訓練用なので近場のこの位置をいただきたいです。よろしいですか?」

「それはかまいませんよ。訓練用のダンジョンなのに最奥とか馬鹿ですからね」


他の皆も問題ないようだ。


「じゃ、皆話し合って、まずは何処に作るか決めてくれ。あと、言っての通り。ここの収入DPは自由に使っていい。そこで得るDPはダンジョンごとで保存されるようにしてるから、妙な計算もいらない。だけど、ダンジョンのマップやトラップ、魔物の変更をした場合は連絡してくれ。それに応じて冒険者に伝える難易度も変わってくるから。がんばれよー、最初から魔物が強くても、トラップが多くても、宝物が多くても、冒険者が長くいられなくなるからな。バランスが大変だぞ」


むむ、ユキさんの言う通りです。

魔物が強ければ、奥に進もうとも思いませんし、トラップが多くても、メンドクサイと思います。

宝物が序盤から多ければ、奥に進む必要性も少なくなります。

冒険者は生きる為の職業なのですから、お金が安全に稼げるなら、無理をして奥に行く必要がない。


「ねえねえ、トーリ、カヤ、頑張ってDP稼ごうよ!! 私「村正」が欲しいんだ!!」

「…リエル。その刀確か10万DPした気がする」

「なんに使うの?」

「えー、二人とも興味ないの? 10万DPの刀なんだよ? きっと物凄いって!!」

「まあ、額が額だから、それはおいおいね」

「…今はまず場所を決めないと」


そうやって私達はダンジョンを作りに没頭していくのでした。

はい、これから各チームのダンジョン作りが始まります。


チームラビリス

チームエリス

チームトーリ

チームエルジュ

チームモーブ

チームセラリア


皆「チームラビリス  ○○ダンジョン 内容○○」

みたいに書いてくれてOKよ?

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