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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと新大陸 序章

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第184掘:ジルバ帝国の落日 計画の章

ジルバ帝国の落日 計画の章





side:ユキ



「さて、そろそろ寝ますかね」

「そうですね」


俺はリーアと案内された個室でのんびり過ごし、今日一日を終えようとしている。


「ちょっと、ベッドが固いけど仕方ないよな」

「そうですね。ウィードが特殊ですから」


2人してベッドを触って苦笑いする。

しかし、こういうところで不満がでるから、ウィードの基準ももう少し下げるべきなのか?

これではウィードから将来羽ばたくであろう子供たちは、外の世界に絶望してニートになってしまう可能性がある。

いや、ニートはいいすぎだが、ウィードから出たがらない可能性が高い。

これは一度、全体会議をしてウィードの問題点として考慮すべきだな。

住人の意見も是非聞きたいところだ。


「あの、ユキさん……」

「ん? どうした?」


俺が考え事をしていると、リーアが少し不安そうに声をかけてきた。


「この状態はいいのでしょうか? いかに私たちが強いと言っても、バラバラにされて襲撃されれば……」

「されれば?」

「いえ、鎮圧は容易でしょうけど。交渉は面倒なことになるのではないでしょうか? というか、アスリンちゃんたちだけで一部屋なんて心配です」


まあ、問題は交渉よりも、アスリンたちの安全だということだ。

しかし、こればっかりはどうにもならない。


「心配なのはわかるが、これも予定の1つだからなー。我慢してくれ」

「予定?」

「そうそう予定。最初から偵察や魔剣使いの女性たちの実力からして、俺たちを上回る敵はいないようだって結論がでてるだろう?」

「はい」

「つまり、王城を制圧して王様と交渉するのはわかってたよな?」

「いえ、ユキさんが王様になるのかと……」


いや、ないから。

そんな面倒をだれが進んでやるかい。


「ま、リーアの希望に添えなくて残念だが、そんなことをすればこの国の国民や今までの臣下の掌握に時間がかかりすぎる。だから、俺たちの行動を自由にしてもらえるように交渉をしたんだ。本来の目的は魔力枯渇の調査だからな、下手に国に縛られるわけにはいかない」

「それはわかりますが、なんでこんなに表だって、敵を作るような形でジルバの王様と交渉に臨んだのですか? これじゃ、別の部屋に泊まっているトーリたちやアスリンちゃんたちが危ないと思いますけど。普通に秘密裏に脅してもよかったのでは? というか、今までのユキさんのやり方と違って結構大胆な気がするんですけど?」


リーアが今回の俺の行動について疑問を抱く。

確かに、今回の俺の行動はウィードがある大陸とは異なり、かなり俺自身を前にだしている。

ウィードの方ではエルジュをたて、セラリアを領主に迎え、必死に自分の存在を隠そうとしてたからな。


「そうだな。確かにウィードではそうしてきた。だけど、こっちでの目的は違うから、取る手段も違ってくるってことだ」

「えーと、目的は最初から世界の魔力枯渇を防ぐためですよね?」

「あー、最終的な目的はそれで間違いじゃない。でも、ウィードでの目的、こちらでの目的と段階的に色々あるんだよ」

「段階的?」

「そう、段階。最終的な目標を達成するために、多くの手順を達成していくための分かりやすい基準と言うべきかな。そうだな、ウィードは俺が最初にこの世界に来た場所なのは知ってるよな?」

「はい。ユキさんがルナ……さまに連れられて、世界を救うために動きだしたのですよね?」


ルナって呼び捨てでいいと思うぞ。


「そう動き出した所だ。その時の俺は全くの一文無しの常識しらずだったわけだ。だから、俺はダンジョンを使って力を蓄えて、国などと交渉をして魔力枯渇の対策のために前準備を色々してたわけだ。ウィード、つまりダンジョンに人を住まわせて、DPを確保したり、ダンジョンの機能をつかって戦争をなるべく沈静化させたりと言った具合でな」

「えーと、結局魔力枯渇のためですよね?」

「そう、でもまだまだ先の話だ、だから俺はしっかり地盤を準備したんだ。俺自身も最初はドッペルなんて呼べなかったし、身の安全が最優先だった。だけど、この新大陸の目的は魔力枯渇をどうにかするための準備じゃない」

「ああ、準備が整ったから積極的に動き出したってことですか?」

「そうだな。これ以上の物資や技術を得ようとすると云十箇年計画になっちゃうしな。ルナが丁度いい魔力が枯渇している大陸に案内してくれたんだ。ちまちまこっそり交渉してこじれるより、こじれることはさっさと起こして、俺たちが自由に動けるようになるのが早い方がいいと思ったわけだ」

「そういうことですか。確かに今までのように裏でこっそりは時間がかかりますよね。そして、身の安全の確保は既にドッペルで出来てますし、ダンジョンもモーブさんたちや魔物部隊守っていますから憂いはないわけですね。あっ、こじれることはさっさと起こしてって……」


漸くリーアも察しがついたようだ。


「アスリンちゃんたちを別室に泊めさせたのは、問題を起こす為ですか」

「問題を起こすのはジルバ帝国側だけどな。俺たちは3日間のんびりさせてもらうだけだ」

「……3日なにも起こらなくても、次来た時確実に問題が起こるわけですか……」

「だな。3日で問題が起こればそれを出汁に色々交渉しやすくなるけど、3日無事に済んでも、後から集まった家臣にこの話をして納得させられるわけがない。だから、一週間じっくり話す期間を与えるより、時間を短くして相手を煽るわけだ。丁度いいことに、俺はリーアと、トーリたち、アスリンたちと、都合良く別れてるからな。なにか仕掛けるなら今と思う奴もいるだろうよ」


そう、3日で結論をだせと言っているようなものだ。

しかも実質、俺の言う事なんでもきけよおら。って感じの要求だ。

だから、現場にいなかった人が聞けば、大体反発する。

だっていきなり人の家にやってきて、ここの家を自由にする権利を寄越せ。と言ったようなものだからな。

そして、説得する時間もない。

なら、説得できなかった人物が俺たちに対して勝手に行動を起こす。


「ま、来てくれれば色々やりやすいんだがな」

「お金をせしめられるからですか?」

「いやいや、ちゃんと実力を示す機会が与えられて、また俺たちを正しく認識する人が増えるだろ? 人から聞いた話じゃ、大体怪しむものさ。だから、これから起こるであろう問題で俺たちをしっかりと認識させてやればいい。手出し無用ってな。あと、地方に出た時も横暴な領主とかいて、俺たちに迷惑かけるならバッサリやっちゃっていいって許可も欲しいな。一々王に連絡とるのめんどいし」

「……えーと、暴君に聞こえますよ? ユキさんが」

「これがこの新大陸での魔力枯渇を調べるという目的に対しての手段ってわけだ。他のどれよりも早いと思うぞ。情報もこれで集めやすいし、国にも阻害されないと来たもんだ」

「いえ、分かるのですが……。なんというか、ウィードあっての、といいますか、私たちがいてこそ可能な手法ですよね?」

「そりゃそうさ。その為にウィードで色々準備したんだからな」


さてさて、相手は3日我慢できるのかね。


相変わらずのどっちに転んでも地獄予定の計画でしたw

あと、感想での誤字報告の返事が遅れて申し訳ありません。

見ていますが、忙しくて気力がなかった。

なんとか頑張っていきます!!

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