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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと新大陸 序章

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落とし穴31掘:年末&正月スペシャル 前半

年末&正月スペシャル




side:ユキ



「さあ、いよいよ年の瀬。年末だ!!」


カレンダーには12月31日に赤ペンで囲んである。

年末、それは地球に住む全ての人々にとっての大イベント。

しかし……。


「年末? ああ、年が変わるだけでしょ?」

「年末ですかー、毎年この時期は食料が少なくてひもじい思いをしてましたね」

「あー、ラッツの言う事わかるよ。僕も村にいた頃は年末って食料がどんどん少くなっていく時期だから、お腹すきっぱなしでさ、狩りをしようにも獲物も少ないし」

「うん、私の所もそうだった。物資を節約して春がくるまでじっとしてるんだよ」

「どこも同じね。寒いと作物は育たないし、家畜は数を減らさないといけない。そして、税も下げないといけないから国としても年末はつらいわね」


なんという事でしょう。

いや、言われれば納得なのだが、文明がさほど発達していないこの世界では年末という概念はあっても、それを祝う事はしないようだ。

まあ、普通に余裕のある秋とか春にやったほうがいいよな。

日本の正月も昔は元旦は外に出るなっていう風習があったぐらいだ。

というか、初詣とかは近代の風習というか、戦略であって、賑やかになったのはここ100年の間だ。

とまあ、近代化に近づいてきた時代の地球ですらそんなのだったのだから、この世界では、祝うどころか明日の食糧が大事だったというわけだ。


「で、年末がどうしたのかしら?」

「あ、いやな。俺の世界じゃ、年末は盛大に祝うんだよ。年末と年越しを合わせてな」

「合わせる?」

「あー、そうだよな。普通暗くなったら寝るもんな。俺の世界じゃ、ほれこの通り、電気があって一日中明るいんだよ。だから、年末年越しは24時まで起きていて、年越しそば食べたり、初詣とかいくんだよ。出店とかあってな。今年も無事乗り切れましたって感じと、ようこそ新年、がんばるぞーってな」

「なるほど、年が変わるのを住人、いえ国民皆で待つのね。時計がウィードみたいに普及しているならそう言う楽しみもあるのね」


セラリアはすぐに俺の意図を理解してくれた。

よくできた嫁さんだ。


「それなら、色々年越し専用の品物も売れそうですね。どんな物があったんですか?」


ラッツも商売方面に鋭く反応してきた。


「そうだな……食べ物は言った通り年越しそばとか、御雑煮とか、ウィードに合わせるなら高級食材を使った料理とかだな。品物って言ったら、そうだな……リリーシュと協力してみるのもいいかもな」

「リリーシュ様とですか?」

「初詣って言っただろう。それは俺の故郷では神社、つまりこっちでいう教会みたいなところにいって、軽いお布施をして、神に祈るんだ。今年も無事に過ごせますようにとか、恋人ができますようにとか、まあ色々な願い事だな。それで、おみくじとかを販売して、今年最初の運試しとかしたりな」

「ふむふむ。そこでお餅とか、出店を出して売るわけですね。で、おみくじって何でしょう? それで何で運勢がわかるのですか?」


おっと、おみくじは日本かその流れを組んだ場所だけだよな。


「なんていうかな、そうだな……」


宴会場に備え付けてあるコピー用紙を取って、おみくじサイズにちぎって、適当に書き込んで折りたたむ。


「大吉・吉・中吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・平・凶・小凶・半凶・末凶・大凶なんて種類があってな。まあ、上から順に運勢がいいって意味になる。凶ってのは凶事とかいって縁起が悪いって意味だな。これを神社で販売してるんだよ、一個そうだな1銅貨ぐらいで」

「ほほう、それは面白そうですね。中には色々書き込むんでしょう?」

「ああ、大まかな運勢を最初にだして、健康、恋愛、金銭、仕事とか細かく書いておく」

「でも、凶とかだったら嫌じゃありませんか?」

「それも対策がしてある。神社にはそのおみくじを結ぶ木があるんだ」

「木?」

「御神木とはまた違うんだが、そこにおみくじを結べば、おみくじの結果が結ばれる。つまり、本当になると信じられている。また、凶が出た人は結ぶことによって凶事を払えるって言われているな」

「ははぁ、また便利なものですね」

「いや、只の運試しって要素が大きいけどな。それが当たった話しなんて聞いたことねえよ」


つか、その結果を覚えているのは一週間ぐらいだろう。

いや、俺はその日に忘れたぞ。友人が凶を引いたのは笑ったが。

ある意味当たりだよな凶って。


「そういう事ですか。願掛けみたいなものですね」

「その類だな。神社でやってるから、適当な願掛けよりも確率は高そうに見えるんだろうよ」

「言われてみれば納得ですね。ふむふむ、これはいい商売ができそうですね」

「そうね。年末はお金の動きが少なくて経済活動が停滞しがちだからいいかもしれないわね。エリス予算の確保はできそうかしら?」

「はい。先の魔王征伐の際に随分資金は持っていかれましたが、それを使ったウィードの宣伝もできましたので、交易が盛んになってウィード製品もよく売れてます。まあ、知ってのとおり年末に入っていますので経済活動は消極的になってますので妙案かと」


お、なんかやる気になってくれた?


「最近は家でのんびりしてるから、こういうイベントはやってみるべし!よね?」

「そうですね。家でお腹を大事にするのはいいですけど、刺激がほしいですから」


ああ、妊娠してるから暇なのね。


「頼むから重労働はするなよ」

「無論、お腹の子供に負担をかけないようにはするわよ。でも、書類仕事とかはするわよ。さて、あなた詳しく年末と年越しのことを聞かせなさい。準備にはそこまで時間がないのだから、のんびりしている暇はないわよ」



さてさて、ウィードの年末年越しはどうなるのやら。

あ、大掃除しないと。

さてさて、俺には年末年始は仕事だよちくしょー!!

最近は更新遅くてごめんよ。

皆はのんびりできるならのんびりするべし。

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