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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと新大陸 序章

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落とし穴30掘:くりすます

くりすます





side:アスリン



「ふぁーー、今日も雪だぁぁあ!!」


私は今日も朝目が覚めて、すぐに窓のカーテンを開けました。

最近は雪が積もっているか楽しみなのです。


「うにゅ、アスリンうるさい」

「フィーリアそんなこと言ってないで、ほら外また雪が積もっているよ!!」

「あ、ほんとだ。今日は雪合戦できるです!!」


雪を見たことがなかった私たちは、お兄ちゃんに教えてもらった雪合戦や、雪だるま、かまくらなどを作って遊んでいます。

お手てが冷たくなって、痒くなるけど、あんまり気にならない。

だって、それだけ楽しいんだもん。

あと、お兄ちゃんが手を握って暖めてくれるからお得なの。


「……2人とも朝から元気ね」

「ラビリスちゃんも外みて、雪がつもってるよ」

「あら、本当。今日もユキの中で暖まれるわね」


ラビリスちゃんは一緒に遊んでくれるけど、すぐにお兄ちゃんの袢纏の中に入って暖まるの。

少しうらやましいけど、雪で遊ぶのも楽しいからあまり気にしない。

お兄ちゃんに言えばすぐしてくれるし。


「おーい、3人とも起きてるか? って起きてるな」

「あ、お兄ちゃん」

「兄様」

「ユキ」


お兄ちゃんが私たちを起こしにきたので、皆すぐに駆け寄ります。

最近はお兄ちゃんと一緒に寝る回数は減っています。

けど、シェーラちゃんとかキルエさんとか、この3人で自分のお部屋でおしゃべりしながら夜更かしするのは楽しいので、あんまり気になりません。

お兄ちゃんはすぐ寝ちゃうので、あんまり夜更かしできないの。


「うーん、今日は何をして遊ぶのです?」

「そうだねー。かまくらじゃなくて、雪のお城を作ってみようよ」

「おお、お城ですか!! 私もやる気がでます!!」

「なにか本格的で、とても大変そうね」

「お兄ちゃんは今日はお休み?」


私はお兄ちゃんの腕で運ばれながら、今日の予定を聞いてみます。


「そうだな。特に午前中は用事がないから皆と一緒に雪のお城を作るのを手伝おう」

「やったー!!」

「兄様がいれば大城にできるです!!」

「よかったわね。でも、午前中ってことは午後は用事があるのかしら? 今日は休みのはずでしょ?」


ラビリスちゃんはお兄ちゃんのお仕事スケジュールを知っているの。

いつもお休みの日は一緒にいてくれるのに不思議。


「ねえ、お兄ちゃんなにするの?」

「んー。もうすぐクリスマスなんだよな。その準備だ」

「「「クリスマス?」」」


私たちは首を傾げる。

始めて聞く言葉、なんだろう?


「いつもの通り俺の故郷の行事ってやつだ。それの再現をしてみようと思ってな」

「そっかー、それなら仕方ないね」

「兄様がやりたいことをするべきです」

「そうね。クリスマス楽しみにしてるわ」

「おう。さて、とりあえずは顔を洗って、ご飯を食べて、雪で遊ぶか」


そんな感じで、いつもの通りに、顔を洗って、朝ごはんを食べて、雪遊びをしました。



「……うん。なんかすごいな」

「流石と言うべきね」


お兄ちゃんとラビリスちゃんはなにか微妙な顔をしています。

なんでだろう? フィーリアちゃんの指示の元、ちゃんとした雪のお城ができたのに。


「なんだ、雪ってここまで物を精巧に作れるんだな。雪まつりとかは画像でみたが、実際に出来るとはな」

「フィーリアの才能は凄いわね」

「本当に雪の城だしな……」


よくわからないです。

雪のお城を作るんだから、ちゃんとした雪のお城を作るに決まっています。


「兄様、どうですかー!!」

「おう、すごいぞー!! っと、そろそろ俺は準備にいくよ。今日は料理もクリスマスに合わせて作るから俺に任せてくれ」

「「「はーい」」」



その後、私たちはしばらく遊んでから、お風呂に入ってのんびりしたあと、宴会場に向かいました。

そしたら……。


「うわー、すごい!!」

「木が光っているです!!」

「へぇ、これがクリスマスかしら?」


宴会場の隅に木あって、それが色々な飾りをつけて光っていました。


「お、ラビリスたちも来たんですね。これはなんでしょうか?」


ラッツお姉ちゃんたちは先に来ていたようで、木を見て驚いたり、綺麗なのでじっと見ていたりします。


「ええ、これは……」

「クリスマスツリーだ」

「あ、お兄ちゃん?」


お兄ちゃんが入ってきたのですが、なぜか赤い服をきて、赤い帽子を被っています。


「なにかしらその恰好?」


セラリアお姉ちゃんも不思議そうに首をかしげています。


「こっちには似た風習はないか……。まあ、元は聖誕祭とかだから、宗教の意味合いがつよすぎるか。現在の形になったのは、紆余曲折があってだしな」

「えーと、なにやら悩んでいるようですが、これはクリスマスツリーというのですね? こうやって飾るのですから、なにかの祝い事ですか?」


ラッツお姉ちゃんが少し考えているお兄ちゃんに声をかけます。


「ああ、祝い事だ。本来はこちらでいう勇者か神様が地上に降りたった日みたいにいわれていてな。この日は家族で祝ったりするんだよ。ま、俺たちの方では、そういう宗教関連は薄くなって、只の祭りの日みたいだな。こうやってクリスマスツリーを飾って、クリスマスに合わせた料理を食べて、そして……」


そういうと、お兄ちゃんは白い大きい袋をアイテムボックスから取り出しました。


「クリスマスには大切な人へプレゼントを渡す風習もあるんだよ。ほれ」


そう言って、白い袋から、綺麗な紙に包まれてリボンがかけられた箱を皆に渡します。


「中は開けてのお楽しみだ」

「えーと、そう言われると開けたくなるのですがお兄さん」

「無論すぐにあけてくれていいぞ」


お兄ちゃんがそう言うと、皆はすかさず袋を破いて中身を確認します。


「これは…」

「マフラーです!!」


そう、中身は寒い最近にぴったりな、綺麗な模様が入ったマフラーが入っていました。


「本来なら、皆の好きな物を聞き出して、合わせてプレゼントするべきなんだがな、急に思いついたんで、俺の判断で似合いそうなマフラーを1人ずつ選んできた。センスは俺の判断だから、気に入らなかったらごめんな」


「「「そんなことありません!! 大事にします!!」」」


皆が一斉にそういいます。

当然です。お兄ちゃんが私たちのために選んだマフラーを気に入らないわけないです!!


「ま、大事にしてくれるのはいいけど使ってくれよ? 本来の使い方をしてくれる方が俺も嬉しいし、マフラーも本望だろう。さて、残るはクリスマスの料理を食うぞー!! ま、ピザとかケーキなんだが、チキンもあるが、まあとりあえず色々ってところだ」


そうやって、私たちは初めてのクリスマスを過ごしたのです。

外では、雪が降り、外を白く染め上げていました。



「マフラー、暖かい」

「兄様の匂いがします」

「ふふっ、大事にしないとね」



そして、今日作った雪のお城もお兄ちゃんが仕掛けをしてくれて、夜の中で色とりどりに光っていて綺麗でした。

これをやらないとね!!

メリークリスマス!!

俺は仕事が忙しくて投降が今日になったよごめんね!!


リア充しすべし!!

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