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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと新大陸 序章

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第180掘:ジルバ帝国の落日 殴り込みの章

ジルバ帝国の落日 殴り込みの章





side:カヤ



今日の気分は微妙だ。

ジルバ帝国の王都に、ユキとお嫁さんメンバーとおまけのスティーブで来たのだが、なにかとウィードと比べてしまう。

王都は確かに人が多くにぎわっている。

だが、それだけだ。

露店など多く立ち並んでいるが、あれでは通行の邪魔だし、ほら、窃盗も簡単に起きている。

加えて商品に至ってはウィードの品質にはまったくかなわない。

いや、ユキは常々『比べるのが間違いだ』と言っていたがその通りなのだろう。

路地裏に少しでもいけば、糞尿の嫌な臭いが漂ってくる。

ウィードとは本当に違いすぎる。

というか、ここトイレない……。

うわ、この王都にいるあいだ、そこら辺に垂れ流し? せめてトイレットペーパーでも使おう。


「ねえ、ユキよかったのかしら? あの2人がいれば王城の中の道案内はいらなかったのに」


私がそんなことを考えていると、ラビリスがあの姉妹と別れたことを指摘する。

そういえば、目的はジルバ帝国を治めてる人に会うんだっけ?

もう、ジルバ帝国の文明レベルが低すぎて、今日の生活どうしようかと頭が一杯だった。


「そうですね。道案内を別に雇うのは面倒だと思いますけど?」

「大丈夫だって。ユキさんのことだから考えがあるんだって」


リーアとリエルがそんな風に言う。

リーアの言う通り別の人の案内させるのは面倒だし、リエルの言う通りユキがそんなことを考えていないわけがないと思う。


「……で、どうするの?」


私はユキに聞いてみる。

運が良ければ早くことが終わって、美味しい食べ物とトイレがある生活に帰れる。


「どうするんっすか? というか、おいらやここじゃ毛嫌いされている亜人連れているから悪目立ちしてるっすよ?」


そうスティーブの言うように、私たちは半数が亜人。

そして私もその1人だ、奇異な目や侮蔑の目で見られていい気分ではない。

まあ、手を出してくるような馬鹿は今のところいないみたいだが。


「そうだな。スティーブはともかく嫁さんたちが変な目で見られるのはあれだな。丁度案内の兵士も来たことだし……」


ユキがそう言うと、人混みをかき分けて兵士がこちらにやってくる。


「どけ、ここらに亜人を首輪をつけず連れまわしている馬鹿がいると聞いた。どこだ!!」


あ?

ユキと私たちに対してなに言ってるんだこいつ?

燃やす?


「ま、あの姉妹が俺たちに協力しているとばれたらあれだしな。協力していることがばれるにしても、俺たちが全部掌握したあとがいいだろう?」

「ああ、それはそうですね」


と、ユキとトーリがそう言って思いとどまった。

ふう、危ない危ない。


「ふふふ……ユキってば面白いことを考えているのね」


ラビリスがそう言ってほほ笑んでいる。

やっぱり何か考えがあるみたい。


「じゃ、堂々と王城へいって王様への謁見を果たしますかね」

「貴様、話を聞いているのか!! 王都は亜人を首輪なしで連れ歩く事は禁止されている!!」


無視されている兵士は激怒して剣を抜いて近づいてくるが……。


「あ、そこの兵士さん今から俺たち王城に用事があるんだ。道案内お願いできないかな」

「貴様!! 亜人を連れていくなどもってのほか!! 王に対する無礼である!この場で斬り捨ててくれる!!」


こいつ最初から斬るのが目的だったみたい。

そうしてユキに剣を振り下ろすことはなかった。


「で、ユキさんこの兵士はどうするのですか?」


リーアが剣を弾いて、地面に叩き伏せていた。

無論素手で。強くなったねリーア。

あの勇者の剣なんか使ったら真っ二つだし仕方ない。


「このままにしておこう。王城の案内って言っても見えるあの城に行けばいいだけだからな。分かりやすい」


確かに、案内というのはすんなり入る為であって、王城がわからないということじゃない。


「ユキさん、どうやって王城に入るの? これじゃ兵士が沢山くるんじゃない?」


リエルが不思議そうに顔をかしげてる。


「それが狙いだ。どうせ身分もなにもないからな、真っ当に会えるわけない。だから、こちらの実力を示しつつ、王城に行けば会えるってことだ」

「ああ、なるほど」

「あとは、この王城突撃でダンジョンに攻撃を加えるなって脅しもできるしな。亜人関係もこれで少しは大人しくなるだろう」


なるほど、やっぱり色々考えている。


「で、主に皆に戦ってもらうと思うがいいか?」


ユキが私たち全員へ視線を巡らせる。

無論、異論などないから全員が頷く。


「よし、俺は極力戦わない方針でいく。皆のサポート役だな」

「大丈夫です。ユキさんは私が守りますから」


そう言ってリーアが勇者セットを出現させて盾を構える。


「あとは、そうだな……。間違っても楽しみすぎて1人になるようなことがないように。アスリン、フィーリア、いいか?」

「「はーい」」

「あら、私には言わないの?」

「あの、私にも……」


ラビリスとシェーラが不満げに言う。

いつも一緒の4人だから、仲間はずれにされた気分よね。


「2人はしっかりしてるからな。2人のお姉さん役だ、頑張れ」

「わかったわ」

「そう言われては仕方ありません」


うん、2人ともアスリンとフィーリアのいいお姉さん。

私たちは忙しいからあまり相手をしてやれないけど、あの2人はいつも一緒だから。


「さて、団体様が来たようだし、なぎ倒しつつ王城へ向かうとしますか」


ユキがそう言うと、多くの兵士が私たちを取り囲もうとしている。

だけど、力不足もいいところ、こんなんじゃ私たちは止められない。



「うわあぁぁあぁ!?」

「なんでだ!?」

「お、応援を呼んで来い!!」

「くそ、当たらない!?」

「こ、子供まで!?」



結局、王城の門はぶち壊して、玉座までなにも問題なく到着した。


「……だれもいないな」

「いませんね」

「……えーと、ユキさん。王も常に玉座に座っているわけではありませんので」


シェーラがそう言うと皆が納得する。


「「「ああ、そりゃそうだ」」」


それから少しして、高そうで動きにくそうな不便な服を着たおっさんと、魔剣らしきものをもった豪華な軍服の女性が入ってきた。

うーん、ちょい短めごめんよ。

スティーブ戦にしようかと思ったけど、殴り込みの経緯はいるかなーって思った。


そして、明日はガンダムブレイカー2なので執筆お休み。

これは仕方ない。

あと章をすこし弄ってみた。

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