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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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2122/2218

第1818堀:皇帝と大皇望にもご連絡

皇帝と大皇望にもご連絡



Side:アスリン



「は~い、シーフードスープカレーだよ~」

「持ってきたのです」


そう言って私とフィーリアちゃんがビュッフェスタイルで手に入れてきた食事を持ってテーブルに戻ると……。


「うむ、よくやったわが友よ」

「いつもありがとうございます」


ユーピアちゃんとショーウお姉ちゃんが待っている。

なんで、私とフィーリアちゃんが相手をしているかっていうと……。


「まったく、ワシも取りに行きたかったのに」

「食べきれない量を持ってくるからでしょう。おかげで私が押さえる役になっているのですから」


そうショーウお姉ちゃんの言う通り、ユーピアちゃんは現在ショーウお姉ちゃんの膝上で抱えられているというか、拘束されている。

まあ、食べきれない量を取るのはマナー違反だもんね。

特に今日は……。


「グラスの美味しい海産物をたべてね~」

「フィーリアはお刺身と天ぷらがおすすめなのです。カレーもいいのですが、今日はスープカレーで少し我慢なのです」


うん、港町に来たんだからお魚を食べないとね。


「ぬぐぐぐ、友たちがそういうのであれば仕方なかろう。おい、ショーウいい加減離せ。そこまで理解のない子供ではない」

「はっ、こういう時に大人の特権を使って食い倒れた人が良く言います。とはいえ、アスリン様、フィーリア様の手前、ちゃんとしてくださいね」


そういうと、ユーピアちゃんを解放するショーウお姉ちゃん。


「まあよい。さ、せっかくアスリンとフィーリアが用意してくれたのじゃ。いただくとしよう」

「はい」

「うん、いただきまーす」

「いただきますなのです」


そう言って、4人で食べ始める。

シーフードスープカレーは意外と味がしっかりしていて美味しい。

スープというと薄味だからスープになっていると思いがちだけど、実は違う。

香辛料はもちろん、素材の味が出ていてすごくおいしいんだ。


「うまっ!? スープカレーもやはり美味いな!」

「ですね。ここまで水に近いのに味はしっかりついていてるのは驚きですね」

「あれか、カレーは飲み物だという格言の通りだというわけじゃな」


いや~、それは違うと思うな~。

と、そこはいいとして。


「ユーピアもショーウお姉もお刺身を食べるのです。こっちがメインなのです」

「そうだよ。新鮮でおいしいよ~。ヤユイお姉ちゃんとヒイロから説明あったやつだよ~」

「うむ。そうじゃった。こっちの魚も食べてみぬとな。確かオーレリア以来か」

「いえ、別にゲートで新鮮な魚は届けられて、食べていますよ?」


うん、ショーウお姉ちゃんの言う通り、ウィードの預けられたオーレリア港から捕れたお魚は色々な国に卸している。

もちろんシーサイフォほど漁獲量はないけど、それでも偉い人っていうとあれだけど、お魚はおいしいよって感じで届けられているんだ。

でもね……。


「それは分かっておるが、それでも……うむ。やはり鮮度が良いのは港の方じゃな」


そう、ユーピアちゃんの言う通り、いくらゲートで素早く届けても味は落ちるんだよね。

本当に新鮮っていうのは文字通りとれたてが一番だけど、それでも漁港の側にあるホテルでも相応の鮮度が保たれているんだ。


「ふむ。本当にその通りですね。とはいえ、不思議です。陛下に届けているのは、凍らせてもおらず海水に入れた魚もあるというのに」

「あ~、兄様や漁港の人から聞いたことがあるのです。一番美味しいのは自然の中を泳いでいる時だと。いくら生かしていても、限られた水槽だと味が落ちるお魚もいるらしいのです」

「うん、聞いたことがあるよ。どうしても同じ水槽だと海水が汚れちゃったりして、魚の味にかかわるんだって」

「なるほどのう。確かに、汚れた場所と綺麗な場所での味は違って当然か」

「言われてみればその通りですね。部屋は清掃してこそ綺麗であるのは当然。水槽も同じですか。しかも食べてしまうというのにそこまで気を遣うかというと……」


うん、普通はそこまで気を遣わないよね。


「言い方は悪いなのですが、お魚も排泄をするのです。それを自然の中だと浄化する環境があるのですが、水槽だと限定的になるのです。その分鮮度が下がるのです」

「あ~、わかりやすいのう」

「確かにそう考えると味が落ちで当然ですね。そこらへんも要研究ですね」

「じゃな。まあ、採算は度外視になるじゃろうが。ふむ、そうなると時間が止まるアイテムボックスなどは大丈夫なはずじゃが、味が違うものもあるのう」

「アイテムボックスに入れるのは締めた、つまり殺したあとだからね~。どれだけ時間が経っているかわからないし、血抜きとかそういうのが上手く行っているかわからないし」

「なるほど。確かに漁港の人たちがアイテムボックスや袋に入れているというのは聞きませんね」

「いや、そんな貴重な能力や道具があれば他で使っているわ。文字通り使う価値が認められていないわけじゃな」


そうそう。

お兄ちゃんとかは、便利な道具はこうして美味しいお魚のために使えばいいとか思っているけど、他の人たちはもっと別のことに使おうとするんだよね~。

まあ、気持ちは分かる。

新鮮なお魚のために危険な海や川に出るよりも、他のモノを入れた方が安全だし、確実だよね。


「で、2人はワシたちの相手だけというわけでもないのじゃろう?」

「そうですね。ユキ様やセラリア様、そしてこのグラス港町の領主代行であるシスア殿とソーナ殿とは挨拶をしましたし、何があったのでしょうか? 行方不明事件のことで進展でも?」

「うん。そうだよ」

「そうなのです。流石ショーウお姉なのです」


隠す理由はないので素直に認める。


「ふむ。ユキ殿からわざわざ話す前にということは、結構面倒な話か? ウーサノやアーエを説得するのに協力してくれとは聞いておったが」

「それがね~、意外と面倒になっているんだよ~」

「本当に面倒なのです。詳しい書類とかは後で兄様が用意するですが、事前に説明しておかないと混乱から立ち直るのに時間がかかると思っているのです」

「それほどのことがあったのですね。今お聞きしても?」

「ご飯を食べた後の方が良いんだけど……どうかな?」


ユーピアちゃん、ショーウお姉ちゃんは一通り食べてはいるけど、いつもの量と比べると少ない気がする。


「大丈夫じゃ。今持ってきてもらった分で活動するのには何も問題はない」

「はい。ウィードに来ると食べ過ぎなので今日の量がちょうどよいです。何より、ユキ殿より大事な話があるのであれば、満腹は問題でしょう」

「そっか、なら口頭だけど説明するね~」

「説明するのです」


2人がいいよ~っていうから私とフィーリアちゃんは説明を始める。

行方不明事件が新大陸に繋がっていることと、それとは別にあの土地が国境ということでお互いに権利を得るために近隣の領主が動いているということ。

それで冒険者ギルド支部が巻き込まれている可能性が高いってこと。


「「……」」


大まかに説明すると二人はうつむいて黙ってしまう。

大丈夫かな~って思っていると、ユーピアちゃんが顔を上げて。


「本当に面倒なことになっておるな」


その言葉でショーウお姉ちゃんも顔を上げて頷く。


「思った以上の面倒さですね。とはいえ、ウーサノとアーエに関しては冒険者ギルドが主導ですね。手助けを申し出られない限りは私たちは手の出しようがない」

「うむ。そっちはそれでよいじゃろう。どうせ、ウィードも手を貸しておるじゃろう。問題は新大陸じゃな。まさか、行方不明事件が誘拐事件とはな。いや、元々そういう予想はあった。じゃが……」

「闇ギルドがかかわっておらず、国家存亡の事態だったとは予想外でしたね。しかも亜人を魔王に与したとか」

「怒涛の展開過ぎて意味がわからんのう」

「うん、お兄ちゃんたちも意味がわからないって状態」

「とりあえず、北部の人たちは押し返して、南部の調査を進めているのです」


本当に新大陸のことはいまだによくわかっていないもんね。

北部の国々が何で亜人たちを敵にしたのか、そのクリアストリーム教会が何を目的にしているのかとか。

いま、ようやくそこを調べるために動き出しているところだけど。


「それで、ユキ殿たちは南部の調査というか、押さえにワシらに手伝いを求めていると」

「そうだよ~。まあ、色々あるし、簡単じゃないけど、どうしてもウィードだけじゃ無理だし、実質切り取り自由って感じ」

「そうなのです。今の所、魔物の強さもそうでもないし、魔王の存在も確認できていないのです。だから拠点を作るにはいいタイミングなのです」

「ふむ。確かに新天地というのは魅力的です。誰も今の所見ていないというのも高評価ですね」

「とはいえ、簡単に頷ける話でもない。まあ、くすぶっている馬鹿共の話をしていたから、提案をしてきたんじゃろうが、どんな問題が起こるかもわかっておらん」


まあ、簡単に頷けはしないよね~。

軍隊を送り込むってそれだけ予算や物資がかかることだし。


「詳しい、話は兄様がするのです。今はこういう話があると思ってもらえればよいのです」

「そういう話じゃったな」

「そうでした。とはいえ、実質出兵は避けられないでしょう。何せ文字通り新天地。ユキ様が切り取り自由と言っているのですから、本当に確保できると見ていいでしょう。もちろん維持するための費用はいりますが、土地は簡単に手に入りません。それに新大陸での我が国の拠点があるというのはそれだけ有利です」

「確かにな。一応各大陸に大使館などはおいているが、土地というのはおいておらん。ここで領地を確保できるというのは大きい。別に作物が作れなくても、色々利用価値はあるからのう。となると、迂闊な馬鹿を送るのも駄目になるわけじゃ」

「ああ、そういうことですか。確かにただの血の気の早い馬鹿だと、土地を失陥しかねませんか」

「うむ。選定は慎重に行う必要があるのう」


そんな感じで2人は真剣に話し始める。

やっぱりある程度ご飯を食べたあとで話してよかったね。

でも……。


「ユーピアちゃん、ショーウお姉ちゃん。ここはご飯を食べるところだから、難しいことはお部屋とかお兄ちゃんに呼ばれてからでいいよ」

「そうなのです。色々考えることはあるのは分かるのですが、まだまだプールとかお風呂もあるのです。難しいことはそれからでもよいのです」

「うんうん、そうだよ。お風呂とかはいってすっきりした後にお話を聞こう?」

「そうじゃな。今資料も何もない状態でグダグダ話しても変わらんか」

「ですね。今考えても情報が少なすぎます。ゆっくりできる環境なのですから、満喫しましょう」


こうして、2人はリゾートホテルを満喫してお兄ちゃんに呼ばれるのでした。




ジェシカがマーリィたちに説明している時に、アスリンたちもユーピアたちに説明。

他のメンバーも動いているという感じですね。


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