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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョンと勇者

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第105掘:お祭りと馬鹿という名の勇者

お祭りと馬鹿という名の勇者




side:アスリン



「アスリン、アスリン!! 急ぐのです!! 屋台が沢山出てるのです!!」

「フィーリアちゃん落ち着いて。屋台はにげないよ」

「そうよ。のんびり行きましょう」


今日は建国記念日。

お兄ちゃんやお姉ちゃんたちが、頑張ってここまで来たんです。

ダンジョンはウィードという名前に決まって、ウィードには雑草、人々という意味が込められているそうです。


皆の町。


お兄ちゃんはすごいです!!

たった半年でこの町を作ったんです。

お姉ちゃんたちも協力したけど、お兄ちゃんがいてこそなんです。

お兄ちゃんがやると言ったからみんなついてきたんです。

だからみんなお兄ちゃんが大好きなんです。

でも、お兄ちゃんは表で有名になろうとしません。

安全が第一といって、私達ですら、暫定的な代表であとですぐ入れ替わるとのことです。


お兄ちゃんがそれで良いなら私達はなにもいいません。

だって、忙しい事がおわれば皆でのんびり暮らすって約束してるんです。

毎日お兄ちゃんの御膝にすわって、なでてもらうんです!!

夜は御布団で可愛がってもらうんです!!


と、話がずれました。

今日は建国記念日のお祭りなのです。

色々人がくるから安全の為に体はドッペルさんだけど、楽しみます!!


「えーと、パンフレットはーと…」

「アスリン、綿あめがいいです!!」

「色々あるわね」


私達は今日、お兄ちゃんたちとは別行動です。

王様たちや偉い人とお話をしているんだって。

だから、私達が現地調査をしてお兄ちゃんたちに報告する。

これは立派なお仕事なんです!!


そして、今私達が覗き込んでいるパンフレットですが、意味が解らない人が多いので説明をして渡しています。

パンフレットというのは、小冊子といって、今回はこのお祭りの説明や、何処に何があるのかを地図で表したりしてるもので、これがあればとても便利なんです。

ゴミ箱の位置もちゃんと書いてあります。

ポイ捨てはダメなんです!!


「ここに綿あめがあります!!」

「待ってフィーリアちゃん。まずはご飯を食べないと」

「そうね。お菓子でお腹いっぱいはユキに怒られるわね」

「あうう、そうでした。兄様との約束でした」


お兄ちゃんと約束で私達はご飯の前にお菓子を食べてはいけないのです。

3時のおやつはいいのですが、他で自分の判断でお菓子を食べると、際限なく食べてしまって、お兄ちゃんのご飯を食べられないときがあったんです。

その時にこのお約束ができたんです。


「じゃ、何を食べようか?」

「兄様のごはんより美味しいのがいいです!!」

「……それは無理よ」


フィーリアちゃん、それは無理。

お兄ちゃんがこのウィードで一番の料理人さんです。


「うーん、焼きそばが定番らしいわよ」

「兄様のより……」

「無理だよフィーリアちゃん」

「まあ、不味い物がいいって言ってるし」


ぐずるフィーリアちゃんを連れて、とりあえずご飯を探す冒険にでます。



「うわー、人が一杯です!!」

「お祭りって初めて!!」

「そうね。これは凄いわ」


現在、食べ物が多く出店されている、商業区の広場へきています。

そこには沢山の人が笑顔でこのお祭りを楽しんでいます。

美味しそうな匂いがあちらこちらからします。


「お、ラビリス様じゃねーか。それにフィーリア嬢ちゃん。アスリン嬢ちゃんも」

「おお、こっちにきな!!」


ドワーフのおじさんが私達を呼びます。

フィーリアちゃんのお仕事仲間だそうで、私も色々お世話になっています。


「どうしたんです?」

「お腹は空いてないか?」

「すいてるです!!」

「よしきた!! ほれ、ユキの兄ちゃんから教えてもらったたこ焼きだ。もってけ」

「お金はいいのかしら?」


ラビリスちゃんが、支払いをというのと。


「気にスンナ!! ユキの兄ちゃんには世話になってる。そしてセラリア様にも、ラッツの嬢ちゃんやナールジア様にも……一杯一杯な!!」

「おう!! それを手伝っているフィーリア嬢ちゃん、アスリン嬢ちゃんの事もしってるぜ!! これ食べてくれ」

「「ありがとう!!」」


紙の器にたこ焼きが8つ入っています。

これを一人一つ。


「ありがとう。それで何かほかにおすすめはあるかしら?」


ラビリスちゃんは色々聞いてくれてますが、私達はお腹が空いているので……。


「はふはふ……あついでしゅ!!」

「でも美味しいです!! 兄様の料理はいちばんです!!」


たこ焼きはお兄ちゃんが作るのよりは味が落ちますが、それでも美味しいです。

アツアツを食べてはふはふです!!


「そうだな……、一度腹を膨らましたしな。土産ものでも見てきたらどうだ?」

「商業地区の南が、ほれパンフにのってるだろ。アクセサリーだそうだ」

「なるほどね。ありがとう」

「おう、まだまだ初日だ。楽しめよ!!」


そのアドバイスをもらってアクセサリーを目指します。


「うーん。兄様はどのアクセサリーをつければ綺麗だって言ってくれるでしょうか?」

「お兄ちゃんの好みは分かんないよね……」

「……そうね。私達全員をしっかり愛してくれているけど、何が好みかはわからないわね」


できればお兄ちゃんに


『とても綺麗だよアスリン!! 今日はアスリンしか愛せない!!』※誰やねんbyユキ


って言ってほしいかも……。


そんな事を3人で話していると、ヴィリアちゃんとヒイロに出会いました。


「あ、アスリン」

「ラビリスお姉にフィーリアお姉」


向こうはこちらにパタパタよってきます。


「他の皆は?」

「皆もお祭りを楽しんでいます。思い思いにお祭りを回っていますよ」

「そうなんだ」

「少し心配ね」

「大丈夫ですよ。ゴブリンたちも沢山警備にでてますし」


ヴィリアちゃんがそう指をさすと。

そこにはスティーブと数人の警備のゴブリンが見回りをしています。


「そうだね。スティーブたちなら大丈夫だね!!」

「です!!」

「……少し心配だわ」


ラビリスちゃんだけ少し心配なようです。

仕方ないです。

色々心配が多いのが偉い人の宿命ってお兄ちゃんがいってました。


「で、3人はこれからどこ行くの?」

「一緒にいっていい?」

「うん、いいよ。ねえ?」

「いいに決まってるです!!」

「そうね。一緒に考えてもらいましょう」

「なんですか?」


そうやって、お兄ちゃんの好みを考えてアクセサリー売り場へ歩いていきます。


「お兄様の好み……。そう言えばお兄様は何かこう、私達にこだわってるようには……」

「でも、大事にしてくれてるよ?」

「そうなのです!! 大事にしてくれてるけど、兄様は私達になにかを求めようとはしてません」

「きっと我慢してるんだよ。お兄ちゃんは私達を大事にしてるから」

「……なるほど一理あるわね」

「お兄様が我慢を…、それはイケナイ!! ちゃんと欲求を解消してあげないと!!」


そんな事を話していると、なにかセラリアお姉ちゃんやルルアお姉ちゃん、シャールちゃんに似た感じの女の人とお兄ちゃんに似た男の人が、いきなり近づいてきて……。


「この魔物め!! 僕の目は誤魔化せないぞ!! 覚悟!!」

「え?」


ヒュン


と、剣を抜いて振り下ろしてきたんです。

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