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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
ダンジョン運営本格始動

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104/2218

第87掘:今後の予定を話し合う

すいません。色々あって遅れました。


今後の予定を話し合う





side:ユキ



さて、セラリアやシェーラが言う通り、今後このダンジョンを数多の他国とつなげるのであれば、ロシュールの一部領土という認識では確かに他の国はいい顔をしないだろう。


だが、それは本格的に動き出してからだ。


「というわけだ、ロシュールから独立しようにも、いまだなにも成果が無いんじゃ、独立しようがないし、認められない」

「は? さっさと宣言して、攻めてくるなら返り討ちにすればいいだけじゃない」


相変わらず物騒な事をいうなセラリアは。


「セラリア様、ユキ様は血の流れない方法を模索しているのです。私達が協力しないでどうしましょうか?」

「冗談よ。といっても独立を認めるってよほどじゃないと無理よ? いっそ、私達の背後にリリーシュ様やその上のルナがいるのを教えればいいんじゃないからしら?」

「無理です。いえ、私の父であるガルツ王やロシュール王はそれで納得しましょうが、家臣が全員リリーシュ様を本物と認めるわけがありません」

「そうなのよね。説得ができても身内まで、家臣にまで神様云々をいえばリテアがまた傾く。なにかこういい解決策はないのかしらね」


そうやってお姫様2人がうんうん考えていると……。


「というかさ、独立ってどうやって認められるの? 僕はそこら辺良く知らないんだけど」


リエルがそうつぶやく。

まあ、そりゃそうだよな。

どうやって国から離れて、独自に国なんて起こしたらいいのかわからないもんな。

ま、俺もこの大陸の独立するルールは知らないし。


「そうねぇ、普通なら大武勲を収めたりすると、落とした敵の領地をもらってそのまま国を名乗ることが許されるわね」

「あとは、そうですね。大規模な開拓の末、その成果を認められて、独立を認められたりします」

「ま、その実。厄介な土地を押し付けただけなんだけどね。前者は敵国だった、自国に不満たっぷりの領民。後者はこれからも酷く面倒な開拓作業をしなければいけないっていうね。もう独立国だから立て直し費用とか開拓費用もその独立国任せになるわけ」

「み、身も蓋もない言い方をしますね。ですがセラリア様の言う通り、自国では手を出したくないという理由で、独立を認めるわけです」


なるほどな、独立を認めるからあとは勝手にやってくれ、けど交易とかでは仲良くしようなって感じか。


「えーと、ここはどうなの?」

「そうね。普通なら厄介な土地ということで独立してもさほど問題はなかったでしょうが……」

「ここの有用性は証明してしまいましたからね。ダンジョンという厄介ではなく、数多の宝を産む宝物庫として」

「ロシュールの重鎮はここを手放すのは嫌がるでしょうね」

「はい、そうだと思います。セラリア様が条件をつけて5年は納税免除。しかし、ここから生み出される物資はそれを上回る利益を出すでしょう。そして、5年後の納税時には大量の税をかけて国庫を潤そうとするはずです」


でしょうな。

狭い視野でみれば、ロシュールがこのダンジョンを独占すれば、ここからできる商品や、ダンジョンからの国の簡易移動など利用料などなど、勝手に決めて稼ぎ放題なのだから。

全体的でみればそれをやると、他国から大ヒンシュクを買いかねないけどな。

それが原因で、攻め込まれるかもしれないし。


「…うーーん。話を聞くと、どうやっても僕達が独立するの無理なんじゃない?」


リエルは頭をひねりながらそう口にだす。

まあ、現状じゃな。


「セラリアとシェーラの話でとりあえず、何か成果を上げない事には独立も何もない事がわかっただろ?」

「ええ、それは分かりましたが……何をすればいいのでしょうか?」

「ですね。ユキさんのおかげで私は冒険者ギルドの管理にまでなりましたが…ここまでの事はさっぱりです。グランドマスターに聞いてみますか?」


エリスとミリーもお手上げのようで首を傾げている。


「そこは心配するな。俺も考えている」

「へぇ? 聞かせて貰えないかしら?」

「ユキ様、どの様な方法でしょうか?」


セラリアとシェーラも興味があるか、まあ隠すようなことでもないしいいか。


「俺の予想では、ルルアのリテア、シェーラのガルツ、この二国と協力することで、このダンジョン街は独立国家として認められると思う」


俺がそういうと、考え込んでいたルルアがポツリとつぶやく。


「なるほど、ロシュールと同じ大国が既にこのダンジョンを知っていると大声で言い。尚且つ、ここの利益をロシュールへ集中するのを防ぐ。二国としては、このダンジョンが独立してくれれば、私達を通しての交渉がしやすいし、ロシュールを通さなくていいからやりやすい」

「そういう事だな。ロシュールとしては、二国が声高々にこのダンジョンの独立を認めるといわれ、一国だけ拒否しても、ロシュールはお金に目が眩んだと悪評がつくし、下手をすれば今結んでいる同盟に亀裂がはいりかねない。実際、利益をまだ叩きだしていない状況だ。いくら金の成る木に見え様が、実績がないから大半は独立を認める方向に流れる。これが、俺達がすでに交易を大々的に国を相手にして利益を出していたら反対派が多かっただろうけどな」


セラリアとシェーラも納得したようにうなずく。


「大国ならではって所ね」

「そうですね。小国ならば意地でも手放さないでしょう。これは上手く大国を利用したやり方だと思います」


皆も一応話が分かったのか静かになっている。


「うーん、つまり、これからリテアとガルツにお願いに行くってこと?」


リエルが一杯一杯頭を働かせて答える。


「そうだな。これからリテアやガルツに独立したいから、手助けしてくれってお願いしに行くことになる」

「そうですね。ま、もっとも、リテアに関してはただ話をしにいくという形をとるだけになるでしょうけど。アルシュテール様とはコールでいつでもお話できますし、リテアにとってもダンジョンの件はロシュールとも話を絡めないといけないので、なかなか面倒みたいですし」


ルルアはリテアの方は問題なしと言ってくる。

アルシュテールとは知り合いだしな、色々貸しもあるから、嫌とも言わないだろう。

寧ろ得が多いからな、なにかもらえるんじゃないかな?


「…ということは、ユキ様。これからの一番の問題は私のガルツとの交渉ですね?」


シェーラは俺を真剣に見つめて問いかける。


「ああ、シェーラには近々ガルツに戻ってもらって、このダンジョンの事を話して、独立の援助の約束。及び、地下にダンジョンを作ってゲートで直接ココと結ぶ」

「ちょ、ちょっとお待ちください。旦那様、シェーラ様はまだご結婚してまだ幾ばく、それをいきなりガルツへ使者として使わすなどと……」


キルエが慌てて話を止めにはいる。

まあ、いきなり嫁に送った娘が数ヶ月しない内にガルツに戻れば、送り返されたと思うよな。


「そこはわからないでもないけど、これは時間との勝負だ。下手に時間を空けると、ロシュールがごねてくる。なるべく早い約束が、協力が欲しい。別に夫婦仲はわるくないし、疑われても平気だしな」

「ええ。キルエ、心配は無用です。これはユキ様が大陸をお救いになる布石。妻である私がなぜ嫌と言いましょう。そして、おっしゃる通り。私とユキ様はちゃんと愛し合っております。向こうで疑われれば、事実を知っているキルエが言えばいいですし、私が医者の診断を受け、生娘ではない事を証明してもよいのです」


シェーラは自信をもってそう言う。

あ、因みに、シェーラとの夜は基本一対一だが、最近ではアスリン達と混ざってくることもある。

ラビリスと同じように、アスリンとフィーリアの姉の様な感じで仲睦まじいのはいいが、夜も一緒に過ごしていいとは仲が良すぎるきがしないでもない。


「今回の件は俺もダミー…ドッペルでガルツに赴く。いや、シェーラとキルエもドッペルゲンガーの使い方を覚えるのに丁度いいだろう。とまあ、予定を話しはしたが、ダンジョンの評定が思った以上に長引いているし、ロシュールからの視察もある。それをこなしてからの話だ」

「なんだ、とりあえずは、いつもの通りということですね」

「ユキさんも本物…体はこっちに置いていくみたいですし……」

「お、お兄ちゃんの体はまかせてくだしゃい!!」

「兄様の体は責任もってわたしゅが面倒みます!!」

「……くすっ」


あれ、なんか女性陣の目が変わった気がする。

リリーシュが「複数の女性相手では流石に持たないでしょうから、精力増強とかその他諸々加護しておきますね」とかそんな事いって、夜の戦闘用スキルばかり付与したのだが……。


「……えーと、俺の意識がある内に…」

「大丈夫です!! お兄ちゃんが寝ていても、私達は気持ちいいんです!!」

「です!! 兄様はいっつも動いてくれるから私達の番です!!」

「……ふふふふふ」


……うん。なんか国交渉よりこっちのが大変そうだ。

やることが色々あるので把握がしにくいとおもいますので、次回纏めみたいな話にしてみます。

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