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瞳の勇者  作者: 烈火
第五章 結末へ向けて
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第六十七話 最終決戦

『来るわ、前使ってた銀眼による時間を巻き返してからの二連続の往復斬り!』


私は瞬間的に白眼の力を使い、シバの髪が一気に銀色に変化し踏み込んだ時点で周りに知らせる。

銀眼の力は時間を操ることができる。

そう一度目を防がれたら3秒以内前に戻り再び別の行動が可能なのだ。

しかし前回と同じ程度のレベルなら私一人でそれは余裕で解決しそうだ。

私は紫眼の火花散るオーラを纏い、瞬時にシバ放つ。


「紫眼、黒岳丸壁コクガクガンヘキ!!」


シバの回りを黒い半球体が包む。

これはスミスがエリック戦の開始直後に使った、本気であったエリックがいくら壊そうと試みても壊れなかった超強固な壁だ。

今回はそれを捕獲という形で試みた。

だが魔王の声が響く。


「ギブブラッド!」


その声と共に赤い剣閃が壁を切り裂いた。

魔王の声が響く。


「私は相手に好きな瞳の力を授けられるの

そして、瞳の勇者を段階無視して最終形態に段階を伸ばしたり落としたりが可能。

こうして自由自在にね」


「グッ……!」


「姉ちゃん!?」


ワルキューレの鎧を纏っていたメルが成す術もなく斬られる!

その速さは全く目には入らなかった。

シバが太刀を持ち一言。


「皆、素の速さは限界まで達している同じそうな?

なら第三形態となりさらに三倍の速度で動けるこの銀眼に物理戦闘において叶うものはいない!

ましてや第一形態まで瞳の力を落とされた貴様では追いつけまい」


そうメルは一気に第一形態に戻っていた。

魔王自身が戦うのではなく味方を強化、そして敵を弱体化させ闘うスタイルなのか!

しかし、息はある。流石の生命力と感心と共に安心した。

するとダーインスレイブが全体に声を発し否定する。


「やつは血眼の力を無くしわざと峰打ちで威力を落とした。

相変わらず中途半端なことをしやがる」


「流石だな、元我が剣であり我が半身よ

我が剣は活人剣、人を活かす為のものよ」


ダーインスレイブがシバの半身、確かにそれに近い話を以前のシバとの戦いでしていた。


「ヘパイストスの話を覚えているか?

この剣の触媒となったのはやつのカタナと呼ばれる相棒の武器だった。

今はこんな禍々しい姿の剣だがな。」


そうやって話していると魔王の声がする。


「父と娘で久々のお話してるのは良いんだけどそちらピンチじゃない?

ほら、姉もやられたと思ったら弟くんも変身が解けてる。つまり?」


「私の白と赤の不思議な服の姿は戻っていないから私の力は奪われてないと思うけど?

……まさか!ダーインスレイブの金眼が力がやられた?」


「当たりよ、あなた達に力を授けたのは誰だと思ってるのよ?

私の赤眼の力は私以外を対象に敵味方に瞳の勇者の力を与えたり強化、弱体化できる。

まあ最初からあなたに勝ち目はなかったの。

でもここまで来たんだし八百長試合でもなにかさせてあげようと思ったんだけど

そんなに仲良くするならあなたが望んだ通り戦わずあなたの意見を飲んでいいわよ?

まあ、あなたの負けではあるけど」


私は初めて、いやスミス戦の時も勝てないなと笑ったがそれ以上の絶望感を抱いていた

もはや笑う気すら得ない。

私達は勘違いをしていたのかもしれない。

瞳の勇者の力で自分達は普通の人間とは違う常軌を逸した力を手に入れたため、自分達が集えば敵う相手はいないのだと

魔王を倒した後はどうする?

とか魔王を倒す事前提に物事を考えていたがその魔王は私達にその能力を授けた本人ではないか。

奪うこと与えることなど容易であっても不思議ではなかったのに考えが甘かった。


すると魔王が笑いながらこう言った。


「私は七人の境遇の違う者へ渡したけど自分に渡さないとは言ってないわ!

私自身に渡して、私の夫に渡してこれで二人、後はあなた達五人同時に渡したのよ

でも最低限の犠牲で五眼全てを揃えそれらを同時に発動して塔を折ったあなたを見たときは感動したわ!」


だが私は諦めず睨みつけた。


勝ち目はないだろう、屈辱的な提案をされただろう。

でも振り返らずとも見えるものがある。


私は静かに話し始めた。


「ははは、まるで赤ちゃんプレイされてるみたい。

ガラガラ用意する?ミルク?おしめ?

ああよく用足せたわね!感動したわ!とか?

……。

……、生後20年以上の赤ちゃんにしては甘やかし過ぎよ。

王国とリベリオンの戦いで消えていった命、魔王の塔で失った命。

全部の大元はここにある。

私は常に自分が無意味に消えることが怖かった、確かに死ぬのは嫌だけど私のせいで消えた命があるのだからせめて何かの為に消えたかった!

でも今、はっきししたわ!

無意味に消える以上に自分が望まない生き方をする方が嫌だって!

あんた達のかけるお情け赤ちゃんプレイで生きていくなら

死んででも、無意味な死となる恐怖があっても、親離れはしてやるわよ!」


私はずっと溜まっていたもやもやを吐き出した。


意味を成して死ぬとかそういうのとは違う、望まない生き方を変えるために生きる。


ずっとそれが私の考えてきたことだった。


「物語の終わり、それに持ってくる結論にはとってもインパクトある言葉じゃない?

なら最善を尽くしなさい!

慈悲で言うけど他の奴らの力を抑える関係でこれ以上瞳の勇者の力を抑えられはしないわ。

だからその手に入れた残りの自身の血眼、白眼、紫眼の力で私達を越えて見せなさい!」


ん?私は何かとても違和感を感じた。

そして同時にスミスが私に残した意味深な言葉が浮かぶ。


『…だが白眼は何か消える前に言っておったなお前の両親にノアに関する認知の改竄をしたと』


もしかして…!


後ろでダメージを与えられもしない剣を持ちかまえるノアを見つめる。


私で五眼が完結。

皆同時期に与えられた。

そうか当てはまらない。

魔王に認知されていない勇者がいる!

そう、私と出逢った途端青のオーラを纏い青眼となった勇者が!


これは賭けだった。


魔王がこれを対処出来たら私は赤眼の力で負け。

別の方法を考えるとしたらその時には銀眼の刃が私の首を貫通しているであろう。


「ノア!あんたの出番よ!いちかばちか。

青眼の第二形態の周囲のみんなの瞳の勇者の力をなくす技放ちなさい!」


「なんですって!?

確かにさっきまで見えなかった人物が目の間に見えるけど」


なんと魔王達は白眼の力を強く受けていたのかノアが本当に見えていなかったようだ。

魔王が驚きの声を上げる中、シバは無言で恐ろしい瞬発力で斬りかかる。

しかし彼の特性でダメージが全く入らない。

シバは全力で向かったのだろう全く動じないノアに対して口を開けて驚く。

それによってハッとしたのかノアはニコッと笑い頷いた。


「うん分ったよ!

エルリア!

やっと!ボクが皆の役に立つときが来たんだね!

…いくよっ!

オールアンチアイズ!!」


それは白眼で作り出したような幻想的な空間だったひたすら果ての見えぬ青い空と白い地面、そして綺麗な青い花の花畑。


結界のような空間であり、私達はあまりにもの光景に一瞬時が止まったように感じた。


魔王は思わず口に手を当てている。


エナは一撃でボロボロになったメルを支え、私はダーインスレイブを持ち目の前にいる黒髪に黒い瞳のシバと対峙する。

するとダーインスレイブから黒い煙が出てシバの顔に向かって飛び、仮面が割れた。

現れたのは元の顔の実の父の顔だった。

とても端正な顔立ちをしている。

ダーインスレイブの方に目を移すと形に一見変化はない。

ノアの声が聞こえ振り向くとなんとそこには青い鎧に青い兜を被った第三形態…いや元勇者の姿があった。


「そっか、ここに来る前に皆の魔王を倒した後の話を聞いたらボク、幸せな気持ちになってそれがトリガーになって第三形態になれたんだよ!

そしてこの青眼は魔王が元々持ち合わせてなかった、ボクが創った能力。

魔王が想定外だったのも分かる。

そして同時に私はやっと表に出ることが出来た。

私は元勇者、その名を…トウタ!」



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