第五十一話 エルリアVSスミス
私が見た光景、それは雷に撃たれ変貌した義理の父スミスの姿だった。
スミスはまるでアメジストのような光沢の鎧を着て凄まじいオーラを身に纏っていた。
リングの下からライの声がする。
「これだ!
これが魔王の言っていた第三形態。
瞳の勇者の最終形態だよ!
第二形態の力で相手の詳細な状態が分かるようになったから分かる!」
「やっと目が覚めたの、ライ?
ノアの方がすごい早かったわよ」
私は今頃起きたライに呆れた表情を向けたついでにノアの方を見ると見た事のないような恐ろしい敵意を私に向けているのが分かった。
嫌悪感すら私に持っているだろう。
でも血眼の勇者として忌まれてからこんな汚れ仕事は覚悟してた。
しかしそれを凌駕するが如く殺意を燃やす人物がリングに上がってくる。
「エルリア、貴様はどうやら歪みきって育ったらしいのう。」
「アンタこそ昔の怨念に縛られ呆けたらしいのね。」
凄まじい殺気と力を纏ったスミスを前に私はダーインスレイブを構える。
ダーインスレイブの声が頭に響いた。
『宿主の為に言っとくが死なないことを優先しろ負けを宣言するべきだ』
何を言ってるの?勝てなきゃ能力だけでも奪って降参よ。
『その貪欲さで死ぬことになるぞ』
やれるだけやるわよ。
スミスがふと目を閉じ、間もないうちにかっと目を見開く。
「では勝負開始じゃ!
参る!業火龍炎!」
スミスの口から炎の龍が現れる。
物質の温度すら操るのか、でも私だって似た技ができる!
「グリムゾンノヴァ!」
第二形態の状態で私の最高火力に近い技
口から放つレーザーを放ち赤い両者の技がぶつかり中央で相殺され大爆発が起きる。
私は煙で咳き込んでいるとスミスの声が響き煙が晴れて姿を表した。
「万引巨星!!」
スミスは両手を合わせると
地震が起こり地面が上にめくり上がっていく。
私は隙を見て第二形態のオーラを再び燃やし先程から連続して使っている低燃費の技を放つ。
「隙だらけね、グリムゾングラス!」
瞳の勇者に効くのかと思ったが意外にも
ピキッ
といういつもの音が聞こえどうやら成功したようだ。
変だな…こんな簡単に。
速攻で砕いたがそれは分身のようであらゆる所からスミスの声が聞こえる。
「お主は我が力を知らぬ。
わしは地上のあらゆる物質を操ることができる。」
「さらにその力は最後の形態になることで」
「神と等しき力を得る。」
私は唖然とした。あの第三形態のスミスが正方形のリングの端に四人もいる。
残ったスミスが絶望的なことを話した。
「そしてこの分身は四位総意といってわしの力をそのまま四人に増やす力。
これは物質を操り人体を作る神の所行」
「アンタね、手合わせて神様神様言ってるけどあのシスターが死んでアンタも司祭にでも目覚めたのかしら?」
「「「「頃合いか、磁場飛空!」」」」
どうやら話は聞いてないようだ。
四人同時に跳ねるとそのまま空を飛んだ。
ん?さっきから何やってるのか気になっていたけど…って!!
観客も先程からざわつき皆が空を見上げていた、その先にあるのはリングと同じサイズの巨大な大岩。
スミスの声が響く。
「これは、かの城を崩壊させ今のリングを作った技の系列、だがその時は第二形態……、今回は第三形態で密度は10倍になっておる。
これを受けきれるか!小娘!
ゆくぞ!巨星轢殺!!」
ゴゴゴ…、と風鳴りを響かせ向かってくる大岩。
まるで隕石のようだ
巻き込まれることを恐れた観客からはもうだめだ、と諦めの声が鳴り響く中。
私は笑った。
「ははは!第三形態って言うから何かと思ったらとんでもない事するじゃない?
じゃあここまでやられたら折角だし私も全力で行こうかしら、新技行くわよ協力して…ダーインスレイブ」
私は剣を空へ向け、振り上げあの時のライを思い出す、私を守ってライが巨大な敵に振り下ろした大技、アメノハバキリを、
ダーインスレイブは赤く輝きその光が天に昇って行った何処までも高く大岩の先、空、黒い雲の奥までそして
「グリムゾン…ブレイド!!」
私は一気にその超巨大な剣を振り下ろし雲ごと大岩を切り裂いた。
剣が触れた上空では雲が一気に消えていき大岩も斬られた口から消えてゆく。
大岩を貫通した際そのオーラは消え、ダーインスレイブが地面に刺さった時には
上空には岩なきキレイな夕日があった。
皆その光景に感動したのか歓声が上がり味方陣営も総じて口を開ける者いれば
エリックのように笑みを浮かべ、でかしたぞと言うものも居た。
ノアは相変わらず無表情である。
スミスは自分の体を一つに統合すると目を見開いていた。
「驚いたぞ、岩砕くどころか、天をも割くとはな。
第三形態の力に匹敵しておるわい。」
私は少しだけ効率の悪い破壊の仕方をしたつもりがどうやら連戦に加え、先程のソフィアの打撃と割に合わない大技の続きで思ったよりかなり精神にガタが来てるようだ
そしてこう息を切らせて聞く
「ねぇ、挨拶代わりなんでしょ?これ」
「ああ、ちーっともわしは疲れとらん」
「参った、わね。流石に降参…。
恨みあっても次の人がリングに上がってきたら今は、私の事は殺せないわよね?」
参ったに反応して足早にリングに片足かけたエリックに苦笑いしてそのまま私はエリックに投げる事にした。
「すまないね、早とちりをした。
君達の闘いを見たらこの国を護りたいという使命感が止まらなくなってしまった。」
私はその声発した彼の姿を見た時目を見開き驚いた。
エリックもまたエメラルドの服とマントを身に着け、そして激しく緑色の光に燃えるオーラを纏った姿に変貌していたことを




