第四十話 銀眼の勇者
「なんだ?誰もいないぞ?」
瞳の勇者一行の切り込みとして先頭を歩くエナは異変に声を出す。
そこは75階層目、月明かりが照らす夜空が綺麗な荒野だった。
私、エルリア達ギルド瞳の勇者は5人全員塔に再び集まりワープゾーンからそのまま75層へと素早く進んでいたが今までの階層と違いモンスターが一切いない。
そしてただまっすぐ見える地平線の先に次の階層へワープするための光の柱のみだ。
すると
『おい、死ぬぞ!お前の白眼勝手に使わせてもらう!』
と急にダーインスレイブの声が聞こえた
その直後ライがテレパシーで警笛を鳴らす。
『みんな危ない!伏せて!』
何か時間がズレるような変な感覚がしたがライの言うとおり皆で伏せると後ろから太刀を持って切りかかったフードを被った小柄の人物が現れた。
華奢な体格から女性や子供に見えるがその声は男だ。
「ほう?やるじゃないか私の時間書き換えの能力を見切るとは…
お、お前はまさかエルリア……。エルリアであってるか?」
彼は仮面を被っていたが片目だけ穴が空いて見える。
その色は私達を映すような銀色をしている。
「銀眼の勇者…!
それになぜ私の名前を知ってるの!?」
『エルリア、お前は知らなくて良いことだ白眼は私が預かる』
意味がわからない!
詳しく教えなさいよ!ダーインフレイブ!
『まだお前が知るべきではない』
ダーインスレイブはそう頑なに回答を拒んだ。
皆が怯むなか一人一人髪を緑色に光らせ立ち上がる瞳の勇者。
エリックは銀眼の勇者に近寄る。
「お前は銀眼の勇者だな?
何故私達を攻撃しようとした?」
銀眼の勇者は色々と一人ひとり周りを見回した。
エリックは使命を込めた緑眼で見返し、エナは震え、ライはただ呆然とし、ノアはじっと銀眼を見つめ返していた。
そして最後に私に目が移る。
すると銀眼の勇者はぞっとする高笑いをした。
「はーはっは!
魔王は趣味の悪い事をしてくれるなぁ
危うく殺す所だった!
いやあれくらい避けれねばその勇者の資格はないか。
教えよう私は銀眼の勇者、名前をシバと申す。
魔王の唯一の側近であり筆頭剣士である。
ここにモンスターがいないのは邪魔だったからな。
全て斬り倒したんだわ。
まぁ驚く事でもないお前たちでも簡単なことだろうが
さてと小賢しいのは苦手だからとっとと種明かしするが銀眼の力力は時間を操作する。
先程は一度切りかかった時にその小娘が反応したから三秒巻き戻し再び斬りかかった。
だが結局そこの白眼が警笛を鳴らされて不意打ちが失敗した訳だ、ややこしいな?俺もこんがらがってる。」
「まるでその言い方だとその技は何度も連続で使えないような言い方ね」
私はダーインスレイブのせいで何を考えてるか分からないシバの銀色の瞳を見つめる。
すでに自分の目が血走っているのが分かる。
「流石の慧眼だ、私が同じ立場なら同じ事を言っていた。
そうだ、これには瞳と勇者の力といえどもリキャストがある。
一度使うとしばらく待たねばならない。」
すると横にいたノアが震えてるのに気付く。
「シバ…、もしかしてエルリアちゃんのお父さん!?
スラムの人、スミスさんが言ってたけど」
「え!?」
周りが驚きの声をあげたが私が無意識に一番大きな声をあげていた。




