第三十四話 エルリア・リベリオン
「わし、スミスはリベリオンの長でありエルリアの父親、シバと共に25年前王国この何百年続くスラムが存在する階級制度に反旗を翻したんじゃ。」
「え!?エルリアちゃんのお父さんがリベリオンの長だったの!?」
リベリオンの本拠地の二階のベランダのような場所にボク、ノアはスミスに案内されるとスミスは葉巻を吸いながら話し始めた。
「ああ、奴は黒い髪に黒い目をした、異国の剣士だった。
低い身長に合わない太刀を使い、税金を出す金もないスラムの民を徴収しに来た王国の兵を一度に一薙する実力を持っていた。
そして異国から来たシバはこの国の掃き溜めを見てこういった。
《天誅を下そう》と
それは奴の国の言葉で言う王国への罰を与えようと言ったのじゃ
ワシらはヤツを見て徐々に息が合い
王国を翻そう!
とリベリオンを結成した。
じゃが決戦の日を迎えようとした矢先
ワシはなんの力もなれんかった」
〜
「明日だな、作戦決行は」
リベリオン本拠地の2階にてスミスはその異国の剣士シバに話しかけた。
当時は中年であるがスミスは血気盛んに腕を振り回している。
しかしシバの答えは意外なものだった。
「スミス、リベリオンのリーダーの命令だ。お前は残れ、お前は年もある。
生きては帰ってこれない」
「何故だ!シバ!これから王国相手に共に闘おうと約束したではないか!
共に死力を尽くそうぞ!」
「実は、俺の子がそのうちに産まれる。
だからスミス、お前は残れ。
やつにはお義父が必要なんだ
ここまで来た今、首の俺は引き返せない。
娘のエルリアを、エルリア・リベリオンをどうか面倒見てやってくれ、頼む」
スミスが見たのはそのシバの国では最も屈辱で最も誠意を見せる時にするという土下座だった。
それは説明をされなくとも、みっともなくそして潔さを示す格好であった。
だがそれでもリベリオンの首を担ってる長は娘の事を案じスミスにプライドを全て投げ捨て頼んだのだ。
そして戦いが始まり、結果戦争に加担したシバを含めた主要メンバーは全滅し処刑、スミス、エルリア、エルリアの母親は刑を免れたが相変わらず地獄のようなスラムの生活を送る。
〜
ボクは口に手を当てエルリアの意外な過去に驚く。
「シバ、そんな話エルちゃんから全く聞いたことなかったよ。」
「それは知らんからな。
本人は元々両親が町人だったのに勝手に父親が反逆したと思ってるが
父は異国の剣士でありスラムで出会った真剣に生きるエルリアの母ととの出逢いやスラムの現状、そしてワシを含めた仲間達の為、反旗を翻した。
だからそもそもエルリアの母はスラムの住人であったのだよ。
そしてエルリアの母、イルリアは自分がスラムの住人だった事などを話さず娘を養うため性病になるまで体を売り、ワシはエルリアの面倒を見ながらエルリアちゃんを抱っこして町から施しを貰っていた。
エルリアちゃんは昔から顔立ちが他の子と比べ段違いに良く身長の発育が遅かった為長い間エルリアちゃんを頼って乞食をしてワシは稼いでいた。
ワシはこれとイルリアさんのお金が生きる糧じゃった。
情けない話じゃろ?
エルリアちゃんが大人になってからは自分の老いを身に染み、死にかけながら塔の下層で素材集めをしていた。」
「…。」
ボクは、いやエルリアちゃんも知らなかった。
エルリアちゃんのお父さんは愛した者の為、見ず知らずの困った人の為
そんな人の為に命を張りそして殺されてしまった。
その相手はまさにボク達が仲良くしているエリックやエナ、王国の人々だ。
そしてスミスはボクに伏し目がちで聞いた。
「それでお主にお願いがある。
わしらの仲間になるかどうか
他の者の話も少し聞いたじゃろ、それにエルリアちゃんの話もした。後はもう少しお主がこのスラムの事をよく知る等した上で今日の夜までに判断してもらいたい。」




