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ダンジョン攻略9

誤字脱字の指摘、助かっております。

 次の日明け方に起きると誰も起きていない。マールでさえ起きていないのだからまだ腰が抜けているかな?

 俺はカバンから昨日カリーネが作っておいてくれた食事をテーブルに出す。あとはスープとパンがあればどうにでもなるかな? サラが起きてきた。

「サラ、今日は俺一人でダンジョンに行くから、皆にはそう言っておいて。多分アイナとエリス以外はなかなか起きてこないと思う。テーブルの上に食事を準備してあるから二人に食べさせて。あっ悪い、三人の分は無いや、コレで適当に作って食べてくれ」

 コカトリスクイーンの卵を出す。

「えっ、これを我々に?」

 三人は卵が大好きだ。それに、サラは料理の腕も上がってきている。卵があれば自分たちの食事ぐらいは十分に作れるのだ。

「マサヨシ様わかりました。私にお任せください」

 サラが胸を張る。

「じゃ、あとのことは任せたぞ?」

 俺はそう言うと扉を出し二十七階に飛んだ。


「さて、一人気ままなダンジョン捜索」

 今日は精霊にも手伝ってもらおうかなと思って久々に精霊が見えるようにすると……めっちゃ機嫌が悪い。

「二日しか放っておらんだろう? 精霊には二日間などあっと言う間じゃないの?」

 首を振る。

「それはそれ、これはこれ?」

 コクリと頷いた。

「で、どうすれば許してもらえる?」

 チューって顔をする精霊。

「ほっぺで良いか?」

 ブンブンと首を振った。

「違うのか?」

 精霊が近づいてくると唇を指差す。

「今日は一人だから良いよ」

 そう言うと、精霊は抱きついてきて唇から魔力を吸いだした。

「おっと、舌は入れないようにね」

 残念な顔をするが再度魔力を吸い始める。

 しばらくすると、もうお腹いっぱいって感じで精霊が俺から離れた。

「腹が減って怒ってた?」

 口笛を吹くふりをして誤魔化す精霊。

「悪かったな、お前のことを忘れたわけじゃなかったんだが」

 俺に近寄って頬にチュッとキスをする精霊。許してくれたようだった。


 俺は右手に聖騎士の剣を振るい、左でファイアーボールを撃ちガンガン進む。宝箱がある部屋でちょっと気になってたことがあったのでやってみる。宝箱が回収できないかってこと……。収納カバンを宝箱に近づけるとあっさりカバンの中に入った。

「おっと、できるねぇ。宝箱の解除はマールとクリスに任せるか」

 まあ、皆も言っていたが、ここら辺の敵を俺は瞬殺である。ゴースト系は精霊が教えてくれるのでそこにファイアーボールを撃ち込めば倒すことができた。

「順調だな、ありがとさん」

 俺がそう言うと、精霊はくるくると回って嬉しそうにする。

「さあ、どんどん下へ行くかね」

 俺達は階段を降りていった。


 三十階にたどり着くまでに宝箱は三十ほど回収。

 でもなぁ、中身がわかるってのも問題ありだよな。気が萎える。

 ○○の宝箱って感じで収納カバンに表示されるので中身がわかるのだ。

「金貨ばっかだな、枚数までわかるのか。装備品もノーマルのものばかりか……」

 どうしたの?って感じで精霊が俺を見る。

「ああ、大丈夫だ」

 気を取り直すか。


 後はジャイアントエイプクイーンをやってしまえば終わりなんだが、このダンジョン、ボスがメス限定なの? 理由はわからないがその傾向があるよね。ラスボスも妻ドラゴンゾンビだし。何となく途中のボスも何かのメスか女性の高位モンスターのような気がする。

 レーダーに映るのは光点一つ。今回は一騎打ちか。んー狙撃で終わらせるかなぁ。

「ん?」

 ボディーランゲージで精霊が何か話そうとする。

「ファイアーボールの青い奴?」

 コクリ

「爆発範囲を小さくできる?」

 コクリ

「どのくらい?」

 精霊が手で一メートル程度の輪を作る。

「当たって約一メートルの周囲が破壊されるって訳か」

 コクリ

「ありがとう、使ってみる」

 そう言うと俺は三十階の扉を開けた。


 目の前にめっちゃデカいサルが居る。ジャイアントエイプクイーンなんだろうな。真っ赤な口紅と濃いチーク、そして蒼いアイシャドウの濃い化粧。んー似合ってない。ただフンフンと興奮しているのが気になった。

 えっ顔が赤くなってる。それは自然なサルの顔じゃないのか? モジモジしているが……何でだ?

 不意に投げキッスをしてくる。俺は無意識に避けた。猫とネズミのテレビだったら追っかけてきそうな投げキッス。俺はあれに捕まりたくない。

 俺が逃げたことに興奮したのか二十メートルは離れたところから飛びついてきた。抱き付く寸法か? いくら体形が似ているからと言っても勘弁してほしい。

 俺は素早く回避してサルの耳の穴に極小のファイヤーボール(青い炎仕様)をぶち込んだ。見事に耳の中へ入る。

 サルが避けた俺の方を向いてニヤリと笑った瞬間

「バン」という音が響きサルの目や耳から血が噴き出す。脳みそがやられたんだろう、脱力しそのまま前のめりに倒れた。

 あれ? ボスを倒した後に宝箱が現れた。金色の豪華に飾られた豪華な宝箱。そういえば敵から宝箱が出るのは初めてか……あれだけ倒してるのにな。

 とりあえず、ボスも宝箱も収納カバンに入れた。

「ヒヒイロカネのガントレットの宝箱」と表示される。

 おぉ、ファンタジーで出現率の高いヒヒイロカネ。ガントレットならリードラかな? まあ、罠があるみたいだから後からだねぇ。

「さて、ボスが終わったが……」

 時計を見るとまだ九時台だ。

「昼までもう少し頑張るかな? とりあえず三十七階目標で頑張りますか」

 そう独り言を言いながら、三十一階への階段を降りていった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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