ダンジョン攻略8
誤字脱字の指摘、本当に助かっています。
宝箱がある部屋に近づくには、後二匹の魔物と戦う必要があるのだが、出会うたびにフィナが瞬殺した。俺に引き上げられて強くなり過ぎたってのが正解か。
宝箱の部屋に入る扉には罠があったがクリスとマールで解除した。俺って必要あるのかちょっと心配になる。
「さて、初宝箱。何が入っているのやら」
ちょっと細長い形の宝箱。わざわざ何かのためだけに作っているのか?
「開けるから待っててね」
クリスが前に出て開錠を始める。
俺のレーダーには宝箱の罠がバッチリ映っている。まあ、何があっても俺じゃなくアイナが何とかしてくれるだろうけど。
ガチャリ
という音がすると、宝箱の蓋が開いた。
「はい、開いたわよ」
「さて、何が入っている?」
マールが中を確認する。
「金貨ですね」
俺も宝箱を覗き込んだがやっぱり金貨だった。
「お金かぁ……」
「まあ、こんなもんね」
「だよなぁ、いいアイテムや武器がすぐに手に入るはずが無いよな」
「でもこれだけあったら、普通一年ぐらいは生活できるのよ? 冒険者は装備やら薬やらでお金がかかるでしょ? だからこれじゃ足りないの」
「まあ、宝箱の場所はわかるから虱潰しに探していくかね」
「この階層ぐらいなら、いいモノも混じると思うから、期待していきましょう」
「おう、了解だ」
しかし、次の宝箱もその次も出る物は金だった。たまに防具も出るのだが、普通のレザーアーマーとかプレートメイルとか。欲があると思ったものは出ないのがこういうダンジョンの通例らしい。できれば弓が欲しいんだけど。
二十階台はジャングルの動物系? ブッシュボアやジャイアントエイプ、ニシキヘビに見えるパラライズスネークやポイズンスネーク。その上にゴーストのような非実体系のアンデッドにゾンビのような実体系のアンデッドまでいた。
「素材的には良いのは居る?」
「素材としてはあまりいないわね。魔石を持っている者が少しは居そうだけどそれはマサヨシが調べるほうが早いでしょ?」
「マサヨシ様、美味しい肉の魔物は居ません」
「そうじゃな、筋張った物ばかりじゃ、宝箱を回収してボスを倒すぞ」
肉好き二人は美味しくない魔物に容赦ない。
宝箱や魔石を回収しながらなので先に進むスピードも遅くなっていた。それでも二十七階程度までは進んだ。
「マサヨシ、周りが見えないから疲れる」
アイナが疲労感を訴えた。
久々に時計を見たが既に二十一時。食料と水分の心配はないとはいえ、一度戻ってベッドで寝る事は必要だろう。
俺たちは小さめの部屋に行くと例の扉でリビングに繋ぎ、一度家に帰った。
俺たちがリビングに着くと
「お帰りなさいー」
とエリスが抱き着いてきたが、
「ダメだぞ、俺たちはダンジョンで汚れているんだから後でな」
頭を撫でながらエリスに言った。
俺たちの声が聞こえたのだろう、カリーネが奥から出てくる。
「お帰りマサヨシ。みんなもお疲れ! 体洗って着替えたら、キッチンに来てね、ご飯できてるから。信号機たちはもう離れで寝たわよ」
家に帰るとご飯ができているなんて久しぶりだ。
「おう、みんなちょっと集まれ」
さっさと皆の体を洗浄魔法で洗った。別に風呂に入らなくても綺麗にはなっているが、気分の問題で風呂に入る。すると
「みんなで一緒に入る」
アイナが提案してきた。
「皆で入ったことなんて、最近ないからいいんじゃない?」
クリスも賛成。
「ですね、最近抱っことかもしてもらってないし」
まあ、フィナもだよな。
「そうじゃなぁ、我も抱いてほしいのう」
いや、抱かないから。抱っこだから。まあリードラもだよね。となると、
「マサヨシ様、私も抱っこお願いします」
マールもだよね
「だったら私たちも入らないとね?」
カリーネとエリスもやってきた。
「結局全員で入るわけね、湯船がいっぱいになりそうだ」
今日は一人風呂ってわけにはいかないようだ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




