風呂にて
夕飯が終わり、俺は風呂に入った。
いつも通り、風呂の縁に頭を置いて体を浮かし大の字でボーっとする。
んー、気持ちいいねぇ。
って思っていると、最近では無かったが誰かが入ってきた。
「入っていい?」
カリーネが入ってきた。タオルで体を隠しているとはいえ、零れる胸と体。できれば我慢したくないんだがなぁ。最近は俺の息子が言うことを聞かなくなりそうな時もある。
「どうした?」
「みんなが入れって」
あいつら……。
「どう? 私の体。まだ衰えてないと思ってるんだけど……」
「ん、綺麗だと思うぞ? それに柔らかそうな胸だ」
「触ってみる?」
そう言ってタオルを外した。
「遠慮しておくよ、奴隷たちに申し訳ない。あいつらがいくら誘ったって何もしていないからね。あぁキスぐらいはしたかな?」
「何もしない?」
今更のことだ。
「そう、我慢。だってあんな奴らだぞ? 可愛いと思ったり綺麗だと思ったりするさ。カリーネだってそうだ。そんな体見せられたら手を出したくなる」
「なら、何で手を出さないの?」
ちょっと怒ってるかな? でも本当のこと、
「前の嫁が忘れられていないからかな?」
「もう死んでいるんでしょ? だったら……」
「死んでいるから面倒なんだよ。死んだ奴は俺が奴隷やカリーネと体を交わすことを許してくれないからね。離婚したとかそういうハッキリしていないことで割り切れない。要は俺はヘタレなんだよ」
「でもそんなあなたが好きなんだけど?」
「俺を好きになることまで責任は取れないよ。でも俺もカリーネのことが気になるから俺の家に誘ったんだ」
「いつか抱いてくれるの?」
俺を抱きしめてカリーネが言う。俺の顔がカリーネの胸に埋まる。
「そりゃ抱くさ、割り切れたらね。前も言ったが割り切るためにはダンジョンを攻略しないと。正確に言うと、ダンジョンを攻略して妻の体を倒すこと。ラスボスはドラゴンゾンビな俺の妻なんだ。彼女に頼まれてダンジョンを攻略しているんだ。そういうわけでこの世界に精神だけでも居る彼女の前で他の女性と体を交わすのは気が引けるってわけだ」
腕を組むカリーネ。俺に全てをさらし更に胸が強調される。
「だったら早くして! あのダンジョンを早く攻略するの! 私だけじゃなくあなたの奴隷たちもうずうずしているわ。あなたの体は皆見ているんでしょ? そんなものを持っているのに何もしないなんて……」
「ああ、コレか。そういやクリスにもびっくりされたな。曰く宝の持ち腐れらしい。まあ、今の俺にできることは、申し訳ないが撫でることぐらいかなぁ」
「それでいいからして。あなたに抱かれて頭を撫でられる。それでいいから」
カリーネは風呂に入ると抱きついてきた。俺の胸にカリーネのたわわな胸の感触を感じる。そして鎖骨あたりに顔を埋めてきた。
「私だって恥ずかしいのよ? でもあなただから……」
俺はカリーネの体を撫でる。別に性感帯だとかそういうわけではないんだろうが、体を触る度ピクリと跳ねる。感じているようだった。
「これじゃ風呂にならないぞ?」
「あなた撫でるの上手だから。感じちゃうのよ」
「そんなつもりはないんだがな」
んー、いろいろと難しい。
「あなた約束して。私にも奴隷たちにも。早く前の奥さんぶっ飛ばして私たちを抱くって」
カリーネ俺の胸に縋りつき上目遣いで聞いてくる。
「了解! まあ元々そのつもりだから、ちょっと待っててもらえるかな?」
「当たり前でしょ?待つわよ」
「鋭意努力します」
そう言いながらカリーネの体を撫でていると、ピンポイントでいい所に入ったらしく、
「んっ」
とカリーネが声を上げる。
「悪い変なトコ触ったか?」
「別にいいの、最近触られてもなかったからちょっと敏感なだけ」
風呂を出てリビングに二人で戻る。カリーネは奴隷たちを見つけると走り寄り話を始めた。俺が風呂の中で何を話したか報告しているようだ。俺をチラチラ見ながら話をしていた。
カリーネが奴隷たちと仲良くできているようで安心。ただエリスもその会話の輪に入るのはどうかと思う。ちょっと早くない? まあ、アイナも中に居るんだけどね。
話を聞いていたエリスが、俺のほうを見てニッコリした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




