表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/328

炎の風顛末

 討伐報告から七日以上たったので、とりあえずどうなったか聞くことにした。

「ところで、リムルさん。盗賊団の雑魚どもの金額は決まった?」

「はい、大体は、全部で三百二十万リルになりました。準備もできています」

 二百人以上で金貨三百二十枚、一人金貨一枚強か……

「だったら、貰えるかな?」

 リムルさんは、奥に行くと革袋を持って戻ってきた。

「金貨三百二十枚です」

 そのまま、収納カバンに入れる。


「ありがとう。あと、武器の分はどうだった」

「あまり良いものがなかったので、素材としてしか売れませんでした。ただ、一本の剣は魔法がかかった逸品だったようで、これは保管してます。ただ、鑑定料で他の武器の売り上げが消えました。差し引きゼロです」

「わかった。剣を寄越してくれ」

 リムルさんは、再び奥に行くと、刃渡り一メートルほどで綺麗に装飾がされてある剣を持って戻ってきた。

「これが魔法の剣」

 俺は受付け置かれた剣を見る。うっすらと、青白い影が見えたような気がした。

「聖騎士の剣と呼ばれているものだそうです。確か王都騎士団が、炎の風を討伐しようとした際に奪われたと聞いています。対アンデッドに効果があるようです。これが、鑑定書兼所有証明で、聖騎士の剣が盗賊団から回収した物であり、あなたの所有物であることを冒険者ギルドが証明します」

「あぁ、『元々は俺のだったから、返せ!』って言えないわけね」

「そうです」


「あと、俺とアイナをCランクの冒険者にしてくれるって言った件だが……。どうなってる?」

「ギルドマスターどうなってるんです?」

「もうサインをしてもらえれば、マサヨシとアイナ君はCランク冒険者だ」

「マサヨシ様、そういうことらしいです。ギルドマスター、書類は?」

「ああ、これだ」

 グレッグさんは2枚の紙をリムルさんに渡す。リムルさんは一通り内容を確認すると俺の前に置いた。

「マサヨシ様、ここへサインをお願いします」

「アイナの分は俺が代筆しても?」

「それは問題ありません。しかし今日来られていないのならその時でも?」

「わかった、後日アイナは手続きする。それじゃ、まさよしっと、これでいい?」

「はい間違いなく。あとギルドカードの提出をお願いします」

「ほいこれね」

「では預かります」

 リムルさんが何か呪文を唱えると、俺のギルドカードの中にサインした紙が吸収される。と同時にカードが光り出した。光が落ち着くといつものカードが転がっているだけだった。

「これで、マサヨシ様はCランク冒険者です」

 リムルさんが俺たちに冒険者ギルドのカードを渡してくれた。


「おぉCランク。ってなんか変わるの?」

「変わりません、依頼を受け達成するのが基本の流れになります。ただダンジョンに入れるようになったり、指名依頼が受けられるようになります」

「指名依頼?」

「指名依頼とは、ギルドや依頼人から、直接そのパーティーに向けて依頼されるものです。ギルドへの貢献、報酬ともに高い傾向があります。無理ならば、断ることも可能です。その際には、ギルドへの貢献度低下、依頼人との関係悪化など、デメリットも発生しますのでご了承ください」

 うぅ、面倒そうだな。指名依頼って……。

「できるだけ俺らに指名依頼はしないでね」

「了承しかねます。マサヨシ様たちは、つ・よ・いですから」

 リムルさんが悪い顔でニヤリと笑う。

「まぁ、できるだけよろしく。色々ありがとな」

 俺は、受付を離れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ