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冒険者ギルドに戻ると

誤字脱字の指摘、たいへん助かっております。

 俺は家に帰ると、フィナを家に置いてとんぼ返りで冒険者ギルドへ向かった。

「カリーネ来たぞ。とりあえずオーククイーンは手に入れた」

「あら、早かったのね」

 確かにかかった時間は六時間ぐらいだ。

 俺の顔を見ると、

「色々楽しめた? その様子だとフィナには手を出したようね」

 ニッコリと笑うカリーネ。

「よくお分かりで。でもなんでこんなことを?」

「だって、あなたはっきりしないじゃない。私たちと抱き合ったり愛し合ったりすることが嫌な訳ではなさそうだけど、表に出さないでしょ? 踏ん切りがつかないのかどうかはわからないけど、もどかしいのよ」

 確かにそんな感じではある。

 申し訳ない。

「何でだろ?なんか苦手なんだ」

「まあ、それでも思惑通りあなたが手を出したのならよかったわ」

「カリーネの手の上で踊らされた訳か」

 フンとため息をつく俺。

「私はね、早く自分の順番が来て抱いてもらいたいの。今までだっていつも理由をつけて抱かないじゃない」

 確かにカリーネの言っている通りです。

「だから、妹たちに頑張ってもらって早く私の順番にしてもらわないと……。まあ、こういう事は私が悪者になればいいことだしね」

「カリーネは姉御肌だな」

「いいえ、私は急かしているだけ。エリスに早く妹か弟が欲しいって言われてるんだから。だから『マサヨシ次第』っていつも言ってるの」

「だから今回は思惑通りってこと?」

「そういうこと、フィナが着た卑猥な鎧はどうだった?」

 ニッコリ笑いながらカリーネが聞いてくる。

「そうだな良かったと思う。あんな格好で戦うなんて思ってもみなかった。それも俺の目の前で自分から着るんだからな」

「フィナもアグラもいい仕事したわね」

 笑いながらカリーネが言った。


「とりあえず、オーククイーンの肉は確保できたから、処理を頼むよ」

「マサヨシ、流したわね。まあいいわ。オーククイーンはこちらで引き取るから、解体場の方に持って行ってくれる?」

「了解」

 俺は魔物の解体場に行くとそこにいた職員に話しかけ、

「指名依頼のオーククイーン、解体をよろしく」

 そう言って解体場へオーククイーンを置いてギルドマスターの部屋へ戻る。


「ギルド絡みはとりあえず終わったかな?」

 エイジングの薬もオーククイーンも渡した。

「ありがとう助かったわ。依頼の処理は私のほうでしておくわね」

「俺こそ助かる。というか俺がこのギルドで受けた依頼って指名依頼しかないけどな」

「そうね、ゴブリンの討伐と今回のオーククイーンの回収、指名依頼ばかり。でも、ゴブリンの討伐は私からの緊急依頼でしょ? 今回依頼が知名度が上がったことによる指名依頼。やっと、あなたが素晴らしい冒険者だということが認知されてきたのね」

 そう言えば、ダンジョンに入る時にいろいろな声が聞こえたな。

 でも、「デブ」絡みであまり内容が変わってなかったような気もするが。

 確かに「踏破者」という言葉も聞こえたけどね。

「現役で生きている踏破者なんてあなたぐらいでしょうし……」

「ダンジョン踏破者って、今俺だけ?」

「そうでしょう? 何百年に一回しかダンジョンなんて踏破しないんだから。だから金箱に価値があるのよ?」

「そんなもんかねぇ」

「そんなもの。また指名依頼が入るんじゃない? 危険な魔物の討伐依頼とかも来るかもね」

「えっ、面倒」

「有名になったんだから諦めて。それにギルドにもお金が入るんだから」

 そっちかよ。

「ちなみに今回の俺への報酬は?」

「白金貨一枚」

 おお、一億円。

「破格ね。まあ、どうしてもオーククイーンの肉を手に入れる必要があったから、この報酬になったんでしょうけど」

「『どうしても必要』って?」

「あなたもご存じのオッサン。ランヴァルド・レーヴェンヒェルム国王陛下がいらっしゃるらしいわよ? 領主もいい顔したいんじゃない?」

「オッサン」って言わんでも……。

 ん? どうしたカリーネ? 

 カリーネは何かに気付いたように俺を見る。

「多分あなたも呼ばれるわよ? こういうのってギルドの代表になる冒険者が呼ばれるの」

「えー、俺は話が来るまでは知らない振りだな」

「行きたくないのに私も行くんだから一緒に出てよ!」

「そりゃ、偉いさん相手は面倒だよなぁ。行きたくないのはわかる。わかった、話が来たら一緒に出るよ」

 俺がそう言った瞬間、ニヤリ笑うカリーネ。そして、

「指名依頼であなたにパーティーへの出席依頼が来てるから、よろしくね」

 と、嬉しそうに言った。

 あー、やられた……。


「じゃあ、そろそろ家に帰るよ」

 俺が扉を出し家へ行く。

 扉を閉める時、

「さあ、いつになれば私の番が回ってくるかしら」

 というカリーネの言葉が聞こえてきた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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