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念話とは?

誤字脱字の指摘、大変助かっております

「念話って、どういうもの?」

 ポチに聞いてみた。

「私にもはっきりとわかりませんが、両者の繋がりが強いと念話が成立します。つまり意識の線が繋がっているということなのでしょう。私とご主人様は隷属化してます。ですから繋がりが強いと考えられます」

「ということは、神馬たちとも会話可能って訳か?」

「可能ですが、発信する側に一定の知能がないと難しいようです。そういう場合は御主人様側から繋がないといけません。神馬側から繋ぐのは難しいでしょう」

 INTがネックになる訳か……。

「俺発信なら隷属化した者とは会話ができると考えていいのか?」

「完全にできると言いきれませんが、多分可能かと……ある程度受信者側の知能も必要だと思われます」

 俺はこの世界での通信手段が欲しかった。近しい者と繋がるなら便利だと思う。

「どうやったら念話が繋がるんだ?」

「繋ぎたい者を思い浮かべれば可能ですね……」


 誰と繋いでみよう……。

「リードラ、今大丈夫か?」

「うわっ、何じゃ、(ぬし)か? なぜ念話を?」

 急な念話に驚くリードラ。

「ケルベロスに念話を教わってな、使ってみたんだ。念話って魔法だったんだな」

「そういう事じゃったのか、我は生まれながらに使えたからの。逆に魔法じゃとは思っておらなんだ」

 その後、クリス、フィナ、アイナ、マール、アクセル、テオドラ、そしてアグラに俺発信で試してみたら成功した。ただ、逆に発信してもらった場合、フィナ、アクセルからの念話が成立しなかったので、INT的にはSは必要なのかもしれない。ということはポチとテオドラ、アグラはINTがS以上ということか……意外と凄いんだな。

 ちなみにアグラも念話が魔法だということを知っていた。まあ、念話を使ってアグラと話をしたことが無かったから、念話の事を聞けなくても仕方ないか……。


 ん? 魔法ということなら、魔道具が作れるかな?

 通信機か……。

 インカム? いやイヤホンタイプ? 

 小型の魔石に念話の魔法を魔力とともに流し込む。

 実験台はフィナかな? 

 念話でフィナに声をかけた。

「フィナ、今どこ?」

「寄宿舎ですね」

「時間ある?」

「ご主人様、今は大丈夫です」

「そっちに行っていいかな?」

「はい、待ってます」


 俺はポチから離れ寄宿舎の方に行くと、前の広場でフィナが小さな子たちと遊んでいた。

「あっ、ご主人様、お待ちしておりました。で、御用と言うのは?」

 用事が嬉しいのかフィナの尻尾がブンブンだ。

「ああ、これ耳に入れてみて欲しいんだ。念話ができる魔道具」

 念話をプログラミングした魔石を出した。

「みっ耳に、入れるのですか?」

 そう言えば、フィナの耳は頭の上か……。

 魔石の形を合わさないと耳には入らないか……。

「ちょっと待ってな……」

 クリップぽくして耳に挟む感じかね……。

 いや、脳に直接話すんだから、耳にこだわらなくてもいいんじゃないか? だったら、身に着けていたら問題ないだろう。銀髪に赤、そうだね、赤いユニコーンの髪留めにしてしまおうか。

「ん、こんなもんかな?」

 俺が作った発信機を見せた。

「あ、隷属の紋章の髪留めなんですね」

 気に入ってくれたようだ。

「着けてみて?」

 髪留めを受け取ろうとしないフィナ。

 モジモジモードで上目遣い。

 ああ、髪留めを付けろって事か。

「着けようか?」

 俺が気付いたのでフィナは嬉しいようだ。

「はい、お願いします」

 頭を下げて着けやすくするフィナ。

 真っ赤である。

 そんなフィナに、

「フィナ先生、真っ赤ぁー」

「照れてるぅー」

 子供たちが囃し立てる。

「コレか?」

 親指を立てる者がいる始末。

「もう、余計なことを言わない!」

 と注意するが、子供らは気にしちゃいない。逆に笑いながら逃げる始末。

 まあ、そんな風な中、俺はモジモジするフィナの髪に取り付けた。


「フィナの方から俺に念話してみてもらえない?」

「あっ、えっと、聞こえますか?」

「おぉ、聞こえる」

 フィナの口は動いていないけど俺に声は聞こえた、なんか変な感じだ。

「これ内緒話もできるな。相手としか通じてないから」

 俺も念話で返す。

「私とご主人様だけしか聞こえない……」

 ん? 

「念話が使えるようになってよかったよ。まあ、何かあったら連絡くれ」

「はい!」

 俺は寄宿舎から離れた。


 その夜、念話が使える組から朝まで入れ替わりでずっと念話が届いた。

 原因を探ってみると、フィナが「二人だけで内緒で話せる」って皆に話したようだ。

 お陰で寝られない。

 念話はストレートに脳に来るので、どうしても起きてしまう。

「寝た後は駄目だぞ。寝不足になる。それにお前らも寝不足になる。体によろしくない」

 皆に注意しておいた。

 俺は俺で着信と留守番機能をつけた魔石を持つようにした。繋がりの途中に噛ます感じである。

 繋がる組の魔力を登録してあるので誰から念話がかかってきたかわかる。

 寝るときには、留守電機能にしておけば安眠できそうだ。


 次の朝、カリーネ、ラウラ、イングリッド、ノーラの念話できない組もフィナが持っている髪留めを欲しがった。

 仕方ないので作ってみたが、四人とも繋がりが強かったので髪留めを作れば念話ができた。

 魔道具にしたことで、必要なINTが下がったのかね? 


 便利だがいつでも連絡が取れるようになってしまった。

 うーん、俺の自由な時間がなくなりそう……。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

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