そして一か月
誤字脱字の指摘、大変助かっております。
孤児院は順調に立ち上がる。
ドロアーテから子供たちを移動する時、フィナとタロス、テロフ、そしてモニカに冒険者三人。今までの信用からか素直に寄宿舎に入っていった。そして子供たちは温かい食事が食べられ、ベッドで寝られる事に喜んでいた。
一日の流れ? スケジュールはヘルゲ様が作ってくれた。
まあ、大体である。朝起きたら軽く運動、やりたい人は剣術。その後朝食、午前中勉強、昼食、午後お仕事。日が暮れたら夕食そして風呂入って寝る。まっ、そんな流れだ。
休日もちゃんとある。ただ、グランドキャトルを扱っているメンバーは交代での休日になるようだ。グランドキャトル、神馬の事はボリスさんが見てくれることになった。
今ではグランドキャトル達も子供に慣れ、新鮮な牛乳? が朝食に並び、子供たちの栄養補給に一役かっている。
朝食の調理はエーリクとヨハンナさん、そして配膳はミアモアとミケ、あとは年長の子供たちが行う形だ。
エーリクの食事は子供たちに受け入れられている。子供たちは待っていられないようだ。食堂の入口に小さな顔がのぞく。「準備ができた」と呼びに行くまでもなく準備ができると着席してまっているのだ。
初授業ではイングリッドが教壇に立つ。三角メガネと指し棒を準備してきたのには驚いた。
「『これがいいんです』と王宮のメイドたちに言われたんです……」
とモジモジしながら恥ずかしそうにイングリッドが言う。
どんな趣味してんだ? 王宮のメイドたちは……。
その授業ではイングリッドは堂に入っており、丁寧に子供たちに指導していた。
まあ、全員が静か……と言うわけにはいかないが、それでも子供たちは聞いていた。
現在では「イングリッド先生」と呼ばれるようになりイングリッド自身が喜んでいる。
ランヴァルド王からは、携帯型の小型の黒板が贈られた。
この世界に黒板があることに驚いたが、繰り返し練習するには便利だと思う。
今度会ったら礼をしないとな……。
エリス、アクセル、ミケ、クロも授業に参加。
まずは、読み書きからだそうだ。
ミケとクロは自分の名が書けるようになったと言って喜んでいた。
まだまだ小さな子たちは、フィナ、ミア、モアがみてくれる。
まさに保育園だな。
ベンヤミンに依頼して小っちゃい子用に余った木材で遊具も作った。滑り台にブランコは定番だね。土山はクレアに任す。
俺が依頼した改造もいろいろあるので、ベンヤミンたちがクリスの母ちゃんちを補修できるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。
結局孤児院のほとんどが俺の手から離れてしまった。
ヘルゲ様が放っておいてもいいようにしてくれたようだ。
ありがたい。
お陰で俺とマールはヒヨーナに居る。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




