お昼寝中お邪魔します
誤字脱字の指摘、大変助かっております。
短めです。
イングリッドの部屋に行く。
「お邪魔しますよっと」
扉から顔を出し周囲をうかがうとイングリッドがベッドで寝ていた。
クリスはさっきとは言っていたがちょっと待たせ過ぎたかなぁ。
しかしすげえなこのベッド、天蓋がついてヒラヒラがついてる。デカい枕に顔を埋めて俺に背を向けて寝ていた。
背中にちょっと出っ張りがある。そういや、羽があるって言ってたな。少々邪魔だから横向きで寝てるのかな?
こういう時、起こせばいいのかどうか悩む。
俺は小声で
「おーい、イングリッド」
と耳元で声をかけてみると、
「ん、んー」
と言いながら寝返りを打った。
イングリッドの整った顔が目の前にくる。
「おーい、イングリッドさん」
再び俺が声をかけると
「マサヨシさん。マサヨシさんのっておっきくて脈打ってるのですね。熱いです」
衝撃的な寝言が聞こえる。
イングリッドさん、何の夢見てるんだよ! というか夢の中で俺は何をしているんだ? それ寝言で言っちゃダメな奴だろ?
俺は言葉に恐れおののいている。
起こそうか放っておこうか迷っているときに、イングリッドの目がパチリと覚めた。
「あれ、マサヨシさんは何で服を着ているのですか?」
「いや、ずっとこのままだが……」
「えっ、私の服を脱がして、マサヨシさんが裸になって私の前に……きゃっ……」
イングリッドさん、何が「きゃっ」なんだ?
顔を真っ赤にしてモジモジするイングリッドさん。
「俺はイングリッドの服を脱がしてないし、俺も裸になってないんだが……」
「脱がしてないし、裸じゃない」
俺の言葉を復唱し、じっと自分の服装を見るイングリッド。
現状把握中?
徐々にイングリッドの顔が赤くなり限りなく赤寄りの紫になる。
そして枕に顔を埋め固まった。
「忘れてもらえませんか?」
イングリッドは枕に顔を埋めたまま懇願する。
「無理だろうな、衝撃的すぎる」
「じゃあ責任取ってください。夢の中に出てきたマサヨシさんが悪いんです」
逆ギレ?
「夢の中の俺にまでは責任は取れない。でも、他の奴等には言わないと約束するぞ」
「うーん、仕方ないですね。それで手を打ちます」
枕から顔を出すイングリッド。
何が仕方ないんだ? 俺は何もしてないんだが。
「ところで俺はイングリッドの夢の中で何をしていたんだ?」
「恥ずかしくて言えないです」
俺がやった事は薄々わかってる。剥いて脱いで仁王立ちってところか……。
イングリッドがなにしたのかは知らないがね。
「イングリッドを苛めるのはこのくらいにして……」
「苛めるなんて酷いです。でも、私は夢見たことをしてもらいたいんです? だから今後に期待してますね」
「はいはい、早く買い物行くぞ」
俺がイングリッドの言葉を流し部屋を出ようとすると、「もう、意地悪です」というイングリッドの呟きが聞こえたあと、足音が追いかけてきた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




