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孤児院への一歩

誤字脱字の指摘、大変助かっております。


今回は短いです。

 俺はドロアーテの屋台があるところへ向かった。ここで孤児たちに食べ物を与えていると聞いていたからだ。

 そこには薄汚れた子供の団体が、ホットドッグを食べている異様な風景が広がる。

 屋台のオッサンたちも数十個が一気に売れる上客だから、周りにたむろっているようだ。

「はい、順番ね。みんなの分は有るから焦らなくていいからね」

 優しい声で食べ物を配るフィナ。

「お前ら、順番守れよ。あー、蹴り入れたの誰だ!」

 比較的年上の男の子に人気のタロス。

「君たちちゃんと並んでね」

「お兄ちゃん私に頂戴」

 女性陣に人気のテロフ。あいつイケメンだからなぁ。

「あっ、ちゃんと並んでね」

 ゴブリンに囚われていたエルフはモニカと呼ばれるようになっていた。モニカの前には小さな子が並ぶ。

 人それぞれ好かれる者が違うんだなぁ。

 いちばんタロスが大変そうだが……。

 周りにはエトラ、フリーダ、ドーガが護衛として目を光らせる。

 ちょっと離れてミケとクロ。


「おう、みんなお疲れ」

 俺が声をかけると、皆の目が俺に向いた。

「ご主人様、お待ちしておりました」

 フィナが嬉しそうに立ち上がる。

 子供たちも俺を見る。

「オッサン久しぶり。今日は来たんだ」

 と顔は覚えていないが子供たちに声をかけられた。

 そんな中、

「ご主人様なのニャー!」

 ミケが飛びついてくるがとりあえず避ける。

 ミケの襲撃を躱した後、

「ここに居る子たちが全員?」

 とフィナに聞くと、

「そうですね、今居るのが全員だと思います」

 そうフィナが言ったので、

「みんなちょっと体を綺麗にするぞ」

 と言って俺は子供たちに洗浄魔法を唱えた。

 何年もまともに体を洗っていなかったのだろう。洗浄水は真っ黒だ。

 洗い終わると、子供たちは気持ちよさそうだ。

「すげー」とか「気持ち良かった」とか言う声が聞こえる

 ただ、それでも何とかギリギリおばちゃんの所に買い物に行ける程度にしかなっていない。

「フィナ、おばちゃんにいつもすみませんと言っておいてくれ」

「はい、わかりました」

 フィナが答える。

「ご主人様がまた無視するのニャー。悲しいのニャー」

 とミケが叫ぶが、

「ミケ、ご主人様は忙しいのです。少しは我慢しなさい! ご主人様は甘えていい時は言ってくれます。ね、ご主人様」

 ミケはフィナに窘められた。

「ね」と言われてもなぁ……。

「ご主人様の周りは凄い綺麗な人ばっかりだから頑張らないといけないのに……。このままじゃ妾になれない」

 ミケ、何を頑張るつもりだ? 

 妾にするつもりは無いぞ? 

「ミケ、悪いな。今日はいろいろ立て込んでてな。結構忙しいんだ。じゃあフィナあとは任せる。子供たちには、近日中に引っ越しをすると言っておいてくれ。行きたくない者は無理しなくてもいい。強制じゃないからな」

「はい、ご主人様。そう伝えておきます」

 とフィナが答える。

 さて、あとはフィナがやってくれるだろう。

 俺は扉を出し一度家のリビングに戻った。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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